個人再生の最低弁済額|いくら減額されるのか?

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個人再生をすると、借金を大幅に減額してもらうことができます。

その減額率は最大で90%ほどに及びます。これはつまり、借金の残額が1割になるということです。
5000万円の借金が500万になると考えれば、個人再生の減額率の高さがおわかりいただけると思います。

しかし、いくら減額されたとは言え、借金は借金であり、返済する義務があります。

「減額されても支払えるかどうかわからない」
「個人再生の前に、具体的にいくら減額されるのか知りたい」
こういった不安や疑問がある人も多いでしょう。

この記事では「個人再生の減額はどのようにして決まるのか?」「自分の場合の最低弁済額はいくらなのか?」について解説していきます。

個人再生を検討している方は、将来支払う借金の額を知るための参考にしてください。

1.そもそも個人再生とは?

まずは、個人再生の概要を簡単に説明します。

1-1.借金を減額してもらって分割払いする

個人再生は、裁判所に申立てをして行う借金解決方法の1つです。
借金をおおよそ5分の1、最大で10分の1にまで減額してもらいます。

この「5分の1」や「10分の1」という数字はあくまで例であり、実際にはケースによって異なるのでご注意ください。

減額してもらった後の借金は、原則3年程度かけて毎月分割返済していくことになります。

1-2.返済が前提なので安定した収入が必須

個人再生した後は、毎月の返済が義務となります。
そのため、返済に必要な安定した収入が定期的に、しかも将来にわたって継続する見込みのある人でなければ、裁判所が個人再生を認めてくれません。

しかし「自分は正社員じゃないから個人再生できないのか…」と諦める必要はありません。
定期的な収入があるのは正社員に限らないからです。

契約社員、派遣社員、バイトやパートであっても、それが継続的なものであれば定期的な収入があると認めてもらえる可能性があります。

個人事業主の場合でも、数ヶ月に1度以上返済に必要な収入が定期的にあれば、個人再生を認めてもらえる可能性が高いです。

年金も定期的な収入とされるため、年金生活者でも基本的には個人再生を認めてもらえるでしょう。

ただし、障害年金の場合は、障害が治癒して年金の支給がなくなる可能性があるため、必ず個人再生を認めてもらえるとは限らず、ケースごとに判断されます。

また、単発バイトを繰り返している場合も定期的な収入とは認めてもらえないので、他の方法で借金を解決した方がいいでしょう。

1-3.ローンのある住宅を処分せずに借金を整理できる

個人再生には住宅資金特別条項、通称「住宅ローン特則」という制度があります。

ローンを支払っている状態で債務整理をすると、通常はローンの対象物が債権者によって回収され、売却されてしまいます。

例えば住宅ローンがある状態で自己破産をすると、住宅ローンの債権者が抵当権を実行して住宅を競売にかけ、少しでも多くの債権を回収しようとします。

しかし、個人再生の住宅ローン特則を利用すれば、住宅ローンを従来通り支払うことを条件として、住宅を手元に残すことが可能です。

「住宅ローン以外の借金を減額できれば、なんとか住宅ローンを支払える」という人にとっては検討すべき制度と言えます。

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1-4.小規模個人再生と給与所得者等再生がある

個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類があります。

小規模個人再生を選んだ場合、「債権者の過半数の反対」または「反対する債権者の持つ債権額の合計が全債権額の過半数」だと、個人再生そのものができません。

例えば3社からお金を借りていて、A社の債権額が600万、B社が300万、C社が100万円の場合は、2社以上が反対するか、A社のみが反対するかで、個人再生に失敗してしまうのです。

一方の給与所得者等再生は、債権者の反対に関わらず個人再生をすることができます。
ただし、給与所得者のように毎年の収入額の変動が少ない人でなければ、給与所得者等再生を利用できません。

また、後で述べますが、給与所得者等再生は小規模個人再生に比べて減額後の返済額が多くなる傾向があります。

基本的には小規模個人再生を行い、債権者の反対があると予想される場合は給与所得者等再生を選択するなどの対策が必要です。

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2.個人再生後の返済額の決まり方

個人再生後の返済額は、小規模個人再生と給与所得者等再生で以下のように異なります。

【小規模個人再生の場合】
以下の2つうち最も高額なもの
・最低弁済額
・清算価値

【給与所得者等再生の場合】
以下の3つうち最も高額なもの
・最低弁済額
・清算価値
・可処分所得の2年分

以降の項目で具体的に説明していきます。

2-1.最低弁済額

法律で定められた金額で、民事再生法第231条2項の条文に記載されています。

条文で読むとわかりにくいため、以下に一覧表を掲載します。

借金総額 最低弁済額
100万円以下 同額(減額なし)
100万円~500万円以下 100万円
500万円~1500万円以下 借金総額の5分の1
1500万円~3000万円以下 300万円
3000万円~5000万円以下 借金総額の10分の1

借金の総額が100万円に満たない場合は個人再生をする意味がありません。
また、借金額が5000万円を超える場合は個人再生そのものをすることができないので、自己破産など別の方法を検討する必要があります。

住宅ローン特則を利用する場合は「総債務額から住宅ローンの残債を除いた額」を基準に最低弁済額が算定されます。

例えば、総債務額が3000万円で住宅ローンの残債が1000万円の場合、2000万円が算定の基準額となるので、最低弁済額は300万円となります。

2-2.清算価値

清算価値を説明するには、自己破産についての知識が前提となります。

自己破産をすると、破産する人の財産が一部を除いて全て処分されます。処分された財産は売却されてお金に換えられ、債権者へ配当されます。
これによって債権者は最低限の弁済を受けられるのです。

一方、個人再生では基本的に財産を処分する必要がありません。

例えば個人再生をする人(再生債務者)が自己破産をすると500万円が債権者に配当される場合であっても、個人再生をすれば最低弁済額が300万円という可能性があります。

こうなると債権者としては「自己破産によって受けられる最低限の弁済さえ受けられないのか」「財産も処分せずに自己破産より低いリスクで解決するなんてズルい」「個人再生ではなく自己破産してもらった方がマシだ」などと考えるでしょう。

個人再生は債務者を救う制度ではありますが、債権者の権利が必要以上に害されるのは不平等です。

そこで両者の均衡を取るために、「自己破産で処分される財産の総額以上は、個人再生でも最低限支払うこと」というルールが設けられました。

これを「清算価値保障の原則」と言います。
「清算価値」とは、自己破産によって債権者が得られる弁済額だと考えてください。

この規定があることで、債権者は債務者が自己破産をしても個人再生をしても、少なくとも自己破産のときに得られる弁済額以上は確保できるようになっています。

この規定があるために、再生債務者は財産が多いと減額幅が小さくなる可能性があるため、場合によっては自発的に財産を処分した方がいいケースも考えられます。

ただし勝手に財産を処分すると個人再生で禁じられている「財産隠し」を疑われる可能性があるので、必ず事前に弁護士に相談してから実行に移してください。

2-3.可処分所得の2年分

給与所得者等再生を利用する場合のみ適用される基準です。
可処分所得とは自分で自由に使えるお金のことであり、サラリーマン等給与所得者の場合は「総支給額から税金や社会保険料を除いた手取り収入」と考えればわかりやすいでしょう。

自営業などの場合は、売上等の収入から税金などを引き終わった後の金額です。

ざっくりと「手取り収入の2年分」が最低弁済額となるため、最低弁済額や清算価値に比べて弁済額が高くなる可能性が高いです。

3.自分の弁済額を知りたい人は弁護士へ

個人再生をすると借金を減額できますが、「最低弁済額」「清算価値」「可処分所得の2年分」の中で最も高額なものが減額後の弁済額になります。

小規模個人再生の場合は「可処分所得の2年分」を考慮しなくて済みますが、債権者の反対があると個人再生できないため、反対の有無を予想して手続きを行わなければなりません。

最終的な弁済額がいくらになるのか、小規模個人再生と給与所得者等再生のどちらを選ぶべきなのか、少しでも疑問がある人は弁護士に相談してください。

また、個人再生は手続き自体が複雑なので、弁護士に依頼して手続きを代行してもらうことが一般的です。

早く弁護士に相談して手続きを進めてもらうことで、早く借金から解放されます。
借金でお困りの方は、ぜひ弁護士までご相談ください。

 
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