債務整理後の生活はどうなる?(年金・海外旅行・就職・選挙権など)

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日々の生活のやりくりや事業の失敗の他、ギャンブル(パチンコ)、株、信用取引などで借金をしてしまい収集がつかなくなった場合、「債務整理」という手続きをして借金問題を解決することができます。

一方、債務整理には様々なデメリットがあるイメージがあります。たとえば、ローンやクレジットカードが使えなくなったり、自動車やマイホームがなくなったり、生命保険を解約させられたり、引っ越しや海外旅行ができなくなったり、選挙権がなくなったり、就職に不利になったりするなど、様々な噂を聞いたことがある方もいるでしょう。

これらの噂は、嘘も本当もあります。ただ、債務整理を行なっても世間で思われているほどのデメリットはないので、借金問題に苦しんでいるならそれらのデメリットを恐れず債務整理をすべきです。

今回は、債務整理の本当のデメリットの内容をご説明します。

1.債務整理の本当の噂

債務整理をすると、確かにデメリットがあります。まず、嘘ではない本当のデメリットについて解説していきます。

1-1.ローン・クレジットカードの審査に通らなくなる

まず、債務整理手続きすることによって、車のローンや住宅ローン、新規のクレジットカードの審査に通らなくなります。

債務整理をすると、信用情報機関という機関が保管している「個人信用情報」に事故情報が登録されてしまいます。
銀行や消費者金融、クレジットカードなどの貸金業者は、貸付やカード発行する審査の際に、個人信用情報を参照しますので、そのときに事故情報が登録されていると、過去に債務整理をしたことがある「信用力がない人」であると判断されて、審査に通らなくなります。

このように、個人信用情報に事故情報が登録されてローンやクレジットカードの審査に通らなくなった状態のことを、俗に「ブラックリスト状態」などと言っています。

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それ以外の債務整理手続きによってブラックリスト状態になった場合でも、その『期間』には限度があります。
任意整理や特定調停の場合には、手続き後5年~7年間程度、個人再生や自己破産の申立の場合には5年~10年程度となります。

また、ブラックリスト期間中でも、自分以外の家族の名義ならローンやクレジットカードを利用できます。
たとえば、専業主婦が債務整理によってブラックリスト状態になったとしても、夫名義で住宅ローンの申込みをして利用する事はできますし、夫名義の家族カードを利用させてもらうことも可能ということです。

このように、ブラックリスト状態の影響は限定的ですし、期間も限られているので、それほど恐ることはありません。

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1-2.バイクや車(マイカー)が引き上げられる可能性

債務整理手続きをすると、バイクや自家用自動車(マイカー)を売却しないといけないという噂がありますが、これは本当でしょうか?

この問題については、自動車ローンがあるかないかで結論が変わってきます。

自動車ローンがない場合

自動車ローンを利用していない(完済している)場合、自己破産以外の債務整理手続きでは、車やバイクは売却せずに所持し続けられます。

これに対して、自己破産の場合には、自動車に20万円をこえる価値がある場合にのみ、自動車が引き上げられてしまいます。
自己破産の場合でも、自動車の価値が20万円以下であったり、購入費用が300万円以下の国産車で初年度登録後7年の時期が経過していたりする場合には、そのまま所有できます。

現存の価値が20万円以上の車をどうしても残したい場合は、自己破産以外の債務整理方法を選ぶことになります。

自動車ローンがある場合

これに対して、車にローンがついている場合には状況が異なります。

自動車ローンがついている場合、ローン完済までの間は自動車の所有名義・所有権がローン会社になっていることが多いです。このことを所有権留保と言いますが、所有権留保はローン返済を滞納したら、すぐにローン会社が自動車を引き上げて債権回収に充てる目的の担保設定方法です。
そこで、自動車ローンの所有権留保がついている場合、返済を滞納したりローンを対象にして債務整理をしたりすると、車をローン会社に回収・没収されて自動車がなくなります。

債務整理の中でも、個人再生や自己破産の場合、すべての債権者を対象にしなければならないので、「自動車ローンだけを外す」ということができません。
よって、所有権留保がついている(ローンを組んでいる)自動車がある場合にこれらの手続きをすると、車が引き上げられてしまいます。

これに対し、任意整理の場合には、対象にする債権者を選ぶことができるので、自動車ローンを整理の対象から外して債務整理手続きをすれば、自動車を失うことはありません。

自動車ローンを組んでいて、所有権留保が設定されているケースで自動車を守りたいなら、任意整理手続きによって借金問題を解決する必要があります。

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1-3.自己破産ではマイホームが売却される

債務整理をすると、家(マイホームや実家)が無くなり、強制引っ越しになるというイメージがある方もいらっしゃるでしょう。
これについても、利用する手続き方法によって結論が異なります。

まず、「自己破産」をすると、生活していた家はなくなります。この場合、マイホームの住宅ローンがあるかないかは関係ありません。
自己破産では、不動産があると強制的に売却されて債権者に金銭配当されてしまうため、どのような状況でも家は回収されてしまいます。手続き後は賃貸暮らしをしなくてはなりません。

これに対し、他の手続き(任意整理・個人再生)の場合、基本的に家はなくなりません。債務者の財産が没収されることがない手続きだからです。

任意整理の場合、住宅ローンを対象にせず、他の借金だけを整理することによって家を守ることができます。
また、個人再生には「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」という特則があります。これを使うと、住宅ローンの支払いをしながら他の借金だけを減額してもらえるので、大切なマイホームを守ることができます。

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以上のように、自己破産以外の債務整理手続きをすれば、基本的にマイホームがなくなることは避けられますので安心しましょう。

2.債務整理の噂のウソ

2-1.国民年金・厚生年金に影響はない

債務整理をすると、年金や退職金がなくなるという噂もありますが、これは事実ではありません。

まず、債務整理をしても、公的年金には影響がありません。
公的年金には、老齢年金や遺族年金、障害年金など様々なものがありますが、自己破産の申立を含めたどの債務整理手続きを利用しても、これらの受給権がなくなることはありません

というのも、年金は「差押禁止財産」です。衣服や寝具、家具・台所用具、畳及び建具などの生活必需品や、食料及び燃料、農機具など、仕事で必要なものも同様です。
破産後でも破産者が生活をしていけるよう、年金については配慮されているのです。

一方、「国民年金の支払いを滞納していたので、これも全部免除してほしい」という方が多くいます。しかし、年金や社会保険料は破産対象外なのでどうにもなりません。
支払いが厳しい場合、猶予や分納を申請することになります。

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これに対し、民間の生命保険会社で「個人年金」を利用している場合、その「解約返戻金が20万円」を超えるなら、自己破産するとその個人年金は解約されて債権者に配当されてしまいます。
自己破産以外の他の債務整理手続きなら、個人年金があっても解約の必要はなく、そのまま加入を継続出来ます。

2-2.必ず退職金の全てがなくなるわけではない

次に、債務整理によって退職金がなくなるのかどうかが気になる方も多いようです。
これについては、退職金が既に支払われたかどうかで取り扱いが異なってきます。詳しくは以下の記事で解説していますので、ご覧ください。

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2-3.生命保険を解約されるのは自己破産のみ

生命保険の解約についても、利用する手続きと生命保険の金額によって結論が異なります。
生命保険の解約が問題になるのは、自己破産のみです。

生命保険の解約返戻金が20万円を超える場合に自己破産をすると、生命保険は解約されて、現金が債権者に配当されてしまいます。
これに対し、解約返戻金が20万円以下の場合には、自己破産をしても生命保険はなくなりません。

20万円以上の解約返戻金がある場合でも、先に解約して生活費や弁護士費用に充ててなくなっていれば、それ以上に支払を求められることはありませんし、手続き中や手続き後に新たに生命保険に加入することは自由です。
自己破産後に新規加入もできないのでは?とお考えの方もいるかもしれませんが、その心配は不要です。

任意整理や個人再生では、そもそも生命保険がなくなるということはありません。

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2-4.転居・引っ越し・海外旅行の制限は厳しくない

自己破産をすると、破産者はパスポートが持てず海外旅行に行けなくなる、と度々言われます。
このことは、自己破産の「住居制限」と関わります。

自己破産をする際、手続きが終了するまでの間、債務者の住居や長期の旅行が制限されます。
ただ、賃貸への引っ越しやパスポートを持っての長期海外旅行・海外渡航や移住・出張が一切できないということではなく、裁判所にきちんと必要性を説明して、引っ越し先や旅行先を明らかにすれば、手続き中でも認めてもらうことができます。

また、自己破産手続きが終わったらこれらの制限は解除されますし、手続き後はどこに引っ越しをするのも海外旅行をするのも自由です。
自己破産の申立によって賃貸住宅を借りられなくなるということもありませんし、パスポートに何らかの記載をされて海外旅行の制限を受けることもありません。

また、自己破産であっても、簡易な手続きである同時廃止手続きなら、そもそもこのような居住場所の制限はかかりません。

2-5.住民票・戸籍謄本にも記載されない

債務整理、特に破産宣告をすると、戸籍に記載されるのではないかと不安に思う方もいらっしゃいますが、これも事実ではありません。
自己破産をしても、戸籍や住民票、運転免許証、パスポートなどの一切の公的書類には何の記載もされません。

ただ、役所に保管されている破産者名簿には登録されます。
しかし、破産者名簿は完全に役所内の機密書類であり、所外の第三者が参照することはあり得ないので、さほど神経質になる必要はありません。

また、自己破産や個人再生をすると、政府の機関紙である「官報」に氏名や住所などが掲載されますが(官報公告)、官報を見ている一般人はほとんどいないので、この点についてもやはり神経質になる必要はありません。

以上のように、戸籍などの記載についても、債務整理によって影響を受けることはないので安心しましょう。

2-6.職業制限は限定的

債務整理をすると、公務員を続けられなくなったり、就職に制限がかかったりするのではないかと心配する方もいます。

まず、自己破産以外の手続きで、就職に影響が及ぶことはありません。
また、破産で免責になった場合でも、一律に「公務員」になれない、ということはありません。

ただ、自己破産をすると、一部の職業につけなくなり、成年後見人になることができなくなる「資格制限」を受けます。
資格制限によってつけなくなる職業は、弁護士や税理士、公認会計士、宅建業の仕事、警備員や保険外交員などさまざまです(ここに「公務員」は入っていません)。

しかし、資格制限を受けたとしても、自己破産手続きが終了して免責決定が出たら、その制限は解除されます。
免責決定が出るまでの期間はせいぜい数ヶ月ですし、免責決定後は、制限を受けていた職業に就いたり他者の成年後見人になったりすることもできるので、さほど神経質になる必要はありません。

就職活動の際、採用先に自己破産したことを知られることも基本的にありませんし、自己破産していることを申告しなければならないこともありません。

実際に、自己破産後、多くの方が手続き中や手続き後に就職活動をして、新しい仕事を始めています。

2-7.選挙権はなくならない

自己破産をすると、選挙権がなくなるという誤解もあります、しかし、これも嘘です。
選挙権は民主主義の基本的な権利なので、自己破産したことによってなくなることはありません。

もちろん、債務整理手続きによっても選挙権や被選挙権がなくなることはありません。

 

以上のように、債務整理には、世間で言われているほどのデメリットはない、というのが本当のところです。
借金問題に苦しんでいるなら、デメリットを恐れる必要は然程ないので、早めに債務整理によって解決してしまいましょう。

3.債務整理を検討するなら弁護士に相談を

今回は、債務整理のデメリットの内容についてご説明しました。
世間一般では、債務整理をするとたくさんのデメリットがあるというイメージが強いですが、実際にはそれほど大きなリスクはありません。

ローンやクレジットカードを利用できなくなるブラックリスト問題も期間は限定されていますし、ブラックリスト期間中も家族名義のカードなどは利用可能です。
また、きちんと裁判所に説明をすれば、引っ越しや海外旅行もできますし、将来受け取れる年金がなくなることもありません。また、就職に制限がかかることも、戸籍や住民票、運転免許証などに何らかの記載がなされることもありません。

破産者となっても、世間で言われているほどのデメリットはないので、今借金問題に悩んでいる人は、リスクを恐れず早めに債務整理をすることをおすすめします。

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