給料ファクタリングの仕組みや問題点とは?破産を回避するために

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会社から毎月もらえる給料だけでは資金繰りが苦しく、一時しのぎの手段として給料ファクタリング(給与ファクタリング)を利用したことがあるという人もいるでしょう。

実は、給料ファクタリングを行う業者には悪徳なものも含まれています。
中には不当に高額な手数料を設定している業者もあり、十分に注意しなれば自己破産に追い込まれてしまう場合もあります。

この記事では、

  • 給料ファクタリングの仕組み
  • 給料ファクタリングの法的な問題点
  • 給料ファクタリングを原因とする破産

などについて、法的な視点から解説します。

1.給料ファクタリングとは?

給料ファクタリングとは、簡単にいうと「給料ファクタリング業者に依頼して、会社から将来もらえる給料を代わりに前払いしてもらう」というものです。

まずは、この給料ファクタリングがどのような仕組みで行われているのかについて解説します。

また、特に最近になって金融庁や裁判所により、給料ファクタリングに関する重要な法的な問題点が指摘されています。
この点についても併せて解説します。

1-1.給料ファクタリングの仕組み

給料ファクタリングは、以下の仕組みによって行われます。

  1. 給料ファクタリング業者と利用者が、以下の内容の給料ファクタリング契約を締結する
    (a) 利用者が給料ファクタリング業者に対して、将来の給与債権を譲渡する
    (b) 給料ファクタリング業者が利用者に対して、給与の額面から手数料を差し引いた金額を債権譲渡代金として支払う
  2. 利用者が勤務先の会社から給与を受け取る
  3. 給料ファクタリング契約に基づき、利用者は給料ファクタリング業者に対して、勤務先の会社から受け取った給与の全額を支払う

なお、上記は給料ファクタリング業者と利用者の間で契約が完結することから、「2社間ファクタリング」と呼ばれる仕組みです。

これに対して、売掛金債権などに関するファクタリングでは、売掛金債権の債務者である取引先を含めた「3社間ファクタリング」も行われています。

【3社間ファクタリングについて】
3社間ファクタリングでは、取引先から給料ファクタリング業者に対して直接債務の支払いが行われるという特徴があります。
しかし、給与債権の場合には、労働基準法24条1項に賃金直接払いの原則が規定されています。そのため、会社は労働者に対して賃金を直接支払わなければならず、これに代えて給料ファクタリング業者に対する支払いを直接行うことはできません。
したがって、給料ファクタリングとして適法になり得るのは、2社間ファクタリングのみということになります。

1-2.給料ファクタリングの法律上の問題点

上記で仕組みを解説したように、給料ファクタリングは債権譲渡の体裁をとって行われます。

しかし、給料ファクタリングの実質は、
「給料ファクタリング業者が利用者に対してお金を貸し、一定期間(多くの場合は短期間)の経過後に利用者が給料ファクタリング業者に対して利子をつけてお金を返す」
というものであると見ることもできます。

この点を捉えて、給料ファクタリングは貸金業に該当するのではないかという議論が従来からありました。

給料ファクタリングが貸金業に該当する場合、以下の点が法律上問題となり得ます。

①給料ファクタリング業者は貸金業者としての登録を受ける必要がある

貸金業法上、貸金業を行うためには貸金業者としての登録を受ける必要があります(貸金業法3条1項)。

②出資法上の上限金利の規制を受ける

給料ファクタリングが金銭の貸付けと判断される場合には、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(通称:出資法)5条2項に規定される上限金利の規制を受けることになります。
上限金利は年20%とされています。

給料ファクタリングが貸金業に該当するかどうかという点については、主に業者側と法律家などの間で議論が分かれていました。

しかし2020年3月5日、貸金業者を管轄する金融庁が、ノーアクションレターへの回答の中で、給料ファクタリングの貸金業該当性を肯定しました。

参考:ノーアクションレターの質問文

参考:金融庁の回答

また、金融庁見解が発表されてから間もない同月24日、東京地裁が2つの給料ファクタリングの事案について、金融庁とほぼ同じ論理構成を用いて給料ファクタリングの貸金業該当性を肯定しました。

金融庁と裁判所という2つの重要な機関が、給料ファクタリングの貸金業該当性を肯定した意義は大きく、今後の実務の基準として定着する可能性が高いと思われます。

2.給料ファクタリングが原因で破産

2-1.破産に追い込まれる理由

給料ファクタリングが原因で破産に追い込まれたという事例は、以前からしばしば見受けられます。

その原因は、利用者が債権譲渡代金を給料ファクタリング業者から受け取ってから、会社から受け取った給料を給料ファクタリング業者に渡すまでの期間が非常に短いのに対して、給料ファクタリング業者に支払う手数料が高額なことにあります。

給料ファクタリングは債権譲渡の体裁をとっているため、利用者の側に実質的に超高利で借り入れを行っているのだという自覚がなく、気づかないうちに資金繰りがままならなくなってしまうという場合が多いです。

以前は給料ファクタリングが貸金業に該当するかどうかが曖昧だったため、この問題に対処するのは難しい部分がありました。

しかし、金融庁・裁判所による見解が示された現在では、利用者側が取ることのできる対処法が増えたといえるでしょう。

2-2.違法に高額な手数料に注意

既に解説したように、給料ファクタリングが金銭の貸付けとみなされる場合、出資法の上限金利(年20%)の規制を受けます。

給料ファクタリングの手数料を年率に引き直したときに年20%を超える場合は、出資法違反の違法な手数料が設定されていることになります。

このような違法な給料ファクタリングを行っている業者を利用することは絶対に避けましょう。

2-3.破産の前に過払い金返還請求などの法的手段を

もし違法な給料ファクタリング契約に基づいて高額な手数料を支払う義務を負ってしまったために、債務の支払いが追いつかなくなった場合には、どうすれば良いのでしょうか。

以前であれば給料ファクタリングの法的な位置づけがはっきりしなかったため、破産もやむを得ないという判断になる場合もあったかもしれません。

しかし、現在では給料ファクタリングが貸金業に該当するという金融庁と裁判所の見解が示されています。

そのため、まずはこの見解に従って、給料ファクタリング業者に対して利用者の権利を主張することを考えるべきです。

給料ファクタリング業者に対して利用者が行う主張としては、たとえば以下のようなものが考えられます。

  • 出資法の上限金利を超過する手数料の返還請求(過払い金返還請求)
  • 違法な給料ファクタリング契約の無効を主張(貸金業法42条1項)
  • 不法原因給付(民法708条)として債権譲渡代金の返還不要を主張

上記のような請求や主張の結果、給料ファクタリング業者に対する支払い義務がなくなれば、破産を免れることも可能になるでしょう。

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3.給料ファクタリングで経済的に困窮したら弁護士に相談を

以上のように、違法な給料ファクタリングの被害に遭ってしまった場合には、給料ファクタリング業者に対して正しく利用者としての権利を主張することが重要になります。
債務の支払いにひとりで悩み続けるのではなく、ぜひお早めに弁護士に相談してください。

弁護士は、給料ファクタリング業者に対して法令の確固たる裏付けを得た主張を行い、依頼者の被害を回復するよう尽力してくれます。

また、他の債務の負担が重く生活が苦しいという場合には、併せて債務整理についても相談することができます。
弁護士は債務整理についても豊富な知識と経験を持っていますので、きっと依頼者の力になってくれるでしょう。

まずは違法な給料ファクタリングの利用を避けることが第一ですが、万が一違法な給料ファクタリングの被害に遭ってしまったら、すぐに弁護士にご相談ください。

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