花屋の経営が厳しい!倒産・閉店を回避するためにはどうする?

コロナウイルスで花屋が厳しい

2024年に入り、新型コロナウイルスはほとんど収束しました。
しかし、日本中の様々な企業・個人事業主が大きな影響を受け、未だにその傷跡が残っています。自粛要請により、飲食店(居酒屋)や旅行会社だけでなく、農業・アパレル業界でも多くの企業が廃業に追い込まれました。

実は、あまりニュースにはなっていませんが、花屋(生花ショップ)も新型コロナウイルスの影響を大きく受けた業界で、未だに厳しい経営状況が改善しないというケースが散見されます。

花屋の経営は今後どうなっていくのでしょうか。また、花屋はこの危機的状況をどうやって乗り越えていけば良いのでしょうか。

コロナ流行時、花屋の経営が厳しかった理由

自粛要請により国民の外出頻度が著しく減った影響は、特に飲食店や居酒屋、カラオケ店などの娯楽施設に如実に現れました。
一方で、生花を扱う花屋についても、コロナウイルスにより多大なる影響を受けました。

まず、花屋は造花も扱いますが、基本的には生花を販売していました。
生花は食べ物と同様に期限があるもので、その鑑賞期限は場合によっては(切り花ならば特に)食べ物よりも短いです。

とは言え、生花は開花を待ってくれるものでもありません。店先の花は枯れてしまえば当然販売することはできないので、大きな損失となります。

当時、非常事態宣言の最中では、祝い花を送る頻度も減ると言われました。
ネットショップなどで花を購入し送るのは一策ですが、やはり店に足を運んで花を購入する機会は減ったという方が多いのではないでしょうか。

この他にも、卒業式や入学式が相次いで中止になり、例年ならば注文があったであろう祝い花が伸び悩み、売り上げが大幅に落ち込んだ店も多かったようです
本来花屋は、卒業式、送別会、お彼岸などがある3月は最も忙しくなる時期と言われているので、この時期に新型コロナウイルスが流行した影響は計り知れないものがありました。

一度経営不振になると、放置していてもなかなか状況は改善しません。
コロナ禍が就職してある程度客足が戻っても、対策をしなければ以前のような集客が認めず、悪い状況が連鎖していく可能性があります。

花屋が利用できる助成金制度・融資

経営が苦しい場合、「倒産」「破産」といった文字が頭に浮かぶでしょう。
このコラムをお読みの方の中にも、これ以上経営難が長引くならば止むを得ずお店を畳むつもりだという経営者の方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、倒産(破産)を検討する前に、まず、国や地方団体の補助制度を利用できないかどうかを見てみましょう。

花屋を営む個人事業主、もしくは中小企業が利用できる可能性がある補助制度には、以下のようなものがあります。

  • 雇用調整助成金 |厚生労働省
    経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るための休業、教育訓練、出向に要した費用を助成する制度です。
  • セーフティネット保証制度|中小企業庁
    中小企業信用保険法で定める要因によって経営の安定に支障が生じている中小企業者に対し、信用保証協会を通じ、保証限度額の別枠化により、資金調達の円滑化を図る制度です。
  • 特別相談窓口|商工中金
    金融機関の破綻や再編、企業の倒産、突発的災害(自然災害、事故等)の発生等により影響を受けた中小企業の皆さんを対象として、各地に相談窓口を設置しています。
  • 新型コロナウイルス感染症特別貸付|日本政策金融公庫
    新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業等に対して、6,000万円の限度で特別融資が提供されます。

まずは、これらの制度・補助について、各管轄の省庁や金融機関にお問い合わせください。

この他にも、「破棄になるくらいならと思い、単価の高い切り花でブーケを作ってワンコインで販売している」「目を引くように同系色でまとめた花束を作成した結果、想像以上に売り上げた」という話があります。
店舗の客層に合わせ、様々な工夫を凝らしてみるのも良いでしょう。

それでも事業の継続が難しい場合は、法人破産自己破産(個人経営者の破産)を検討する必要があるかもしれません。

花屋の自己破産・法人破産を検討する

先述の各制度を利用しても事業の継続が難しいならば、個人事業の方は自己破産、法人(株式会社等)の経営者の方は法人破産を検討してみましょう。

「破産」とは、破産法に基づいて債務者(お金を借りている人)の借金を整理し、債務負担から解放する手続きのことです。
個人事業主を含めた個人が破産することを自己破産、法人格を認められた会社(法人)が破産することを法人破産と言います。

自己破産(個人事業主)

個人事業主の自己破産は、事業の失敗などにより多額の債務を負い、それを返済できなくなった場合に選択できる手続きです。

自己破産が認められると原則としてすべての債務が免除されますので、生活の立て直しができます。
また、自己破産をしたからといって全ての財産が処分されてしまうことはありません。一定以上の高価な財産を除き、当面の生活に必要な最低限の財産は手元に残すことができます。

しかし、事業で使っていた車や不動産は手放すことになるケースがほとんどです。
車や不動産は基本的に「一定以上の財産」とされるので、破産手続の際に換価処分の対象となるのです。

また、自己破産をすると信用情報機関に事故情報が登録される(=ブラックリスト入りする)ため、5年〜7年は銀行や貸金業者等からの借り入れができなくなります。そのため、開業資金を用意するハードルが一気に上がります。
開業資金が少なくて済む業種であれば開業できるかもしれませんが、現実問題として自己破産後の起業は厳しくなるかもしれません。

それでも、自己破産により負債が0になるメリットは非常に大きいです。
将来的には気持ちを新たに生活や事業をやり直すことができますので、一度弁護士に相談をしてみると良いでしょう。

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法人破産

法人破産は、倒産状態に陥った会社について、会社の総財産を換価して、債権者に対して公平に配当を行うことを目的とした清算の手続であり、その完了により会社が消滅することを指します。
つまり、法人破産をすれば会社は無くなりますが、全ての債務の支払い義務を免除されます。

なお、誤解されがちなのですが、「倒産」=「法人破産」ではありません。
倒産とは広義の言葉であり、破産だけでなく、会社の借金返済計画をリスケジュールして再建を目指すことも「倒産」と言います。倒産の一種が破産という考え方で良いでしょう。

会社破産をすると借金生活から解放されるだけでなく、債権者からの取立のプレッシャーに悩んでいた日々からも解放されます。

また、破産により、会社は経営者の手を離れます。破産管財人による清算業務が行われ、最終的には会社は消滅します。
会社自体がなくなるわけですので、借入資金だけでなく滞納税金も全てなくなります。

これにより、経営者は会社の諸問題から解放され、新たな生活のスタートを図ることができるのです。

なお、法人破産をしたからといって、これから一生会社の役員になれない・事業を再開できないということもありません。

しかし、代表者が会社の債務の連帯保証人となっているような場合には、会社破産と同時に代表者個人の破産を進めていかなければならず、事故情報として破産の事実が5~7年間「信用情報機関」に登録されます。
ローンを組めない、借入ができないなど、代表者個人の信用取引に大きな影響を与えることになるので注意が必要です。

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まとめ|法人の経営が厳しい・廃業の場合は弁護士へ

国や地方団体の補助制度を利用しても法人の経営が厳しくなった場合や、廃業を検討する場合には、弁護士に相談・依頼することがおすすめです。

会社の破産では、株主総会での決議、債権者対応、従業員の解雇など、様々な法的手続きが必要となります。
このような複雑な手続きには専門家の関与が欠かせませんので、早めに弁護士に相談をしてみてください。

経営が厳しくなると債権者から支払い請求が来るかと思いますが、弁護士が債権者に対応することで適切な対処ができ、円滑な債務整理が期待できます。
解雇の法的要件や手続き、退職金の算定など、従業員対応についても弁護士のアドバイスを受けることができ、トラブル防止につながるでしょう。

経営者は、花屋などの店舗に対し思い入れがあるものです。
しかし、弁護士は経営者の味方になりつつも、客観的な立場から最善の方針を専門的に提案してくれます。

破産は、会社を新しい形で復活させることも可能な、人生の再スタートを切るための有効な手段です。
「これからどうすれば良いか」を聞いてみるだけでも構いませんので、まずは一度無料相談を利用してみてください。

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執筆・監修
服部 貞昭(CFP・日本FP協会認定)
ファイナンシャル・プランナー(CFP・日本FP協会認定)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
東京大学大学院 電子工学専攻修士課程修了

新宿・はっとりFP事務所
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