新型コロナの影響で奨学金が返せない場合の対処法

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奨学金が返せない

たとえ新型コロナウイルスに直接感染していなくても、営業自粛要請や外出自粛などにより、誰もが生活や仕事に何らかの影響を受けていることでしょう。

「新型コロナウイルスの影響で仕事がなくなった、収入が減った」
「収入が減って奨学金を返せなくなった」

そんな方も多いのではないでしょうか。

奨学金の返済を滞納していると、遅延損害金も発生し、返済額がだんだん膨れ上がってしまいます。
そのため、滞納状態をできるだけ早く解消する必要があります。

この記事では、奨学金を滞納するとどのような事態になってしまうのか・滞納状態に陥らないためにはどうすればよいのか・どうしても借金を返せない場合の債務整理による解決方法などについて解説します。

1.奨学金を滞納するとどうなってしまうのか?

奨学金の返済を滞納した場合、他の借金と同様に債権回収の手続きが取られることになります。

具体的にどのような事態が発生するのかを見ていきましょう。

1-1.督促・取り立てが行われる

奨学金の返済を滞納すると、まず債権者から、郵便や電話による督促・取り立てが行われます。
督促に応じて数日以内に支払えるのであれば大きな問題にはなりませんが、払えない場合には何度か督促が続くことになります。
督促の内容はだんだん厳しくなりますので、債務者には精神的なプレッシャーがかかるでしょう。

1-2.連帯保証人に請求がいく

連帯保証人は、主債務者が奨学金を返済できない場合に、主債務者の代わりに返済を行う義務を負っています。
したがって、主債務者からの返済が行われない場合には、債権者は、連帯保証人に対して奨学金の返済を請求することになります。

たとえば、両親や親族が連帯保証人になっている場合には、その人たちに請求の連絡が行ってしまいます

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また、保証会社が連帯保証人になっている場合には、保証会社からの代位弁済が行われます。
それ以降は、債権者に代わって保証会社が債務者に対して求償(肩代わりしたお金を返すこと)を請求することになります。

1-3.約3ヶ月の滞納で信用情報機関のブラックリストに載る

奨学金を約3ヶ月間滞納してしまうと、金融機関などが参照する信用情報機関のブラックリストに事故情報が登録されてしまいます。
こうなると、一定期間金融機関からの借り入れを行うことができなくなったり、クレジットカードが止められたりする弊害が発生してしまうので、十分に注意が必要です。

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1-4.4ヶ月以上の滞納で残債務を一括請求される

奨学金の場合、借り入れの契約内容によりますが、おおむね4ヶ月以上返済を滞納すると、「期限の利益の喪失」という事態が発生します。

期限の利益の喪失とは、債務者が奨学金を借りておくことができる権利を失うことを意味します。

つまり、期限の利益を喪失した段階で、残債務を一括請求されることになります。

債務者が支払えない場合には、先述の連帯保証人が支払い義務を負うことになります。

1-5.訴訟や強制執行などの法的措置を取られる

債務者が期限の利益を喪失し、残債務の一括請求にも応じない場合には、債権者(または代位弁済をした保証会社)は、債務者に対して訴訟を提起することになります。
訴訟において奨学金の返済義務があることが認定されると、債権者側の勝訴判決が出されます。

この判決が確定すると、債権者は債務者の財産に対して強制執行の手続きを取ることができます。

強制執行が行われると、以下のような事態が発生し、債務者の生活に深刻な影響が生じてしまいます。

  • 預金口座内の現金をすべて差し押さえられる
  • 給与の一部を差し押さえられる
  • 不動産などのその他の財産が差し押さえられる
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このように、奨学金の滞納を放置してしまうと、最終的には大変なことになってしまいますので、一刻も早く対処する必要があります。

2.奨学金が返せなくなりそうな場合の対処法

新型コロナウイルスの影響で収入が減少してしまい、奨学金が返せなくなりそうという場合には、どのように対処すればよいのでしょうか。

まずは、債権者である奨学金機関に相談してみることが先決です。

たとえば、日本の奨学金制度の多くを主宰している日本学生支援機構(JASSO)では、奨学金の返済に関して様々な救済措置を用意しています。

2-1.返還期限の猶予制度

災害、病気、経済的な困窮、失業などにより奨学金の返済が困難な場合には、審査に通れば最大10年間、奨学金の返済をストップすることができます。

返還期限の猶予によっては、債務自体が減るわけではないですが、一時的に資金が足りない状況をしのぐためには有効な手段です。

新型コロナウイルスの影響が一時的と思われる場合には、返還期限の猶予により問題を解決することができるかもしれません。

2-2.減額返還制度

減額返還は、返還期限の猶予とは異なり、奨学金の返済は継続していくのですが、毎月の返済額を半分または3分の1に減らす方法です。

減額返還を利用すると、返済期間は延びることになりますが、当面の返済額が減るので、一時的に資金が足りない状況の場合にはやはり有効です。

減額返還の適用期間は12か月で、延長申請をすることにより、最長15年間まで延長することができます。

2-3.返還免除制度

債務者が死亡した場合や、精神障害・身体障害により労働能力を全部または大部分を喪失した場合に限られますが、奨学金の返還を免除する制度も用意されています。
新型コロナウイルスの影響を原因とする資金不足の場合は、該当するケースはあまりないものと思われますが、利用できる制度の一つとして紹介しておきます。

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奨学金の返済が難しい場合の対処方法については、日本学生支援機構の下記のホームページで紹介されています。

参考:日本学生支援機構「返還が難しいとき

3.どうしても奨学金を返せない場合には債務整理

日本学生支援機構の猶予制度・減額制度などを利用してもなお、奨学金返済の目処が立たないという場合には、債務整理による債務負担の軽減を検討しましょう。

特に、奨学金以外に生活費などを補うために借金を重ねていた場合、新型コロナウイルスの影響が好転しない限り、借金を返済していくのは非常に困難でしょう。

いつ状況が好転するかもわからない状況では、債務整理を行うことにより、借金問題を抜本的に解決することが必要といえます。

債務整理の方法には、大きく分けて①任意整理、②個人再生、③自己破産の3種類があります。

この中でも「任意整理」は、債権者との個別の交渉によって債務の支払い猶予や減額を認めてもらうというものになります。

しかし、奨学金機関(日本学生支援機構など)は奨学金返還債務の任意整理に応じてくれることはありませんので、ここでは詳細な説明は割愛します。

では、個人再生と自己破産について、どのような手続きなのでしょうか。

3-1.個人再生とは

個人再生とは、民事再生法という法律に基づき、裁判所の下での民事再生手続によって債務の減額やリスケジュールを行う方法です。
個人再生では、債務の総額に応じて、債務の金額を5分の1から10分の1程度まで減額することができます(ただし、最低100万円は残ります。)。

また、個人再生手続では、原則として債務者の財産を処分する必要がないというメリットがあります。

一方で、個人再生計画の認可には、債権者の過半数(頭数・債権額ともに)の同意が必要なので、この同意が得られない場合には、個人再生手続を利用することはできません。
また、安定した収入が見込めることも、個人再生手続開始の要件となっています。

新型コロナウイルスの影響で収入が大幅減少してしまったようなケースでは、個人再生手続の利用が困難になる場合があるでしょう。

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3-2.自己破産とは

自己破産とは、破産法という法律に基づき、裁判所の下での破産手続によって債務の免除を認めてもらう方法です。
自己破産の最大のメリットは、債務の全額免除が認められるという点にあります。

ただし、破産を繰り返しているような場合、借金の原因がギャンブルなどの浪費であるような場合、手続きにおいて詐術を用いた場合など、一定の場合には免責が認められないこともあるので注意が必要です。

また、破産手続においては、破産者の財産は、生活に必要な最低限のものを除いて処分されてしまいます。

処分されたくない財産があるという場合には、個人再生の方が適しているでしょう。

このように、自己破産にはいくつか注意点がありますが、債務の全額免除という大きなメリットがあるため、財務状況が非常に苦しい場合には、まず自己破産の可能性を検討することになるでしょう。

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3-3.債務整理手続きは弁護士に相談を

個人再生と自己破産は、それぞれ手続きのメリット・デメリットがあります。

どちらを選ぶかについては、弁護士に相談しながら決めるのがおすすめです。

弁護士は相談者の状況を具体的に聞いたうえで、最適な方法を提案してくれるでしょう。

4.まとめ

ここまで、新型コロナウイルスの影響で奨学金が支払えなくなってしまう場合の対処方法などについて解説してきました。

奨学金を滞納してしまうと、連帯保証人に迷惑をかけたり、クレジットカードが使えなくなったり、最終的には裁判・強制執行が行われてしまったりと、大きな影響が発生してしまいます。
そのため、できる限り早めに解決策を模索することが大切です。

新型コロナウイルスの影響は甚大ですが、弁護士に相談しながら、少しでも状況を改善できる方法を探っていきましょう。
借金問題にお困りの方は、ぜひお気軽に弁護士にご相談ください。

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