債務整理で司法書士に辞任された!辞任の影響と弁護士への再依頼

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債務整理を司法書士に依頼していた場合に、途中で司法書士に辞任されてしまう場合があります。

司法書士に辞任されてしまうと、止まっていた債務の取り立てが再開してしまう可能性もありますので、早めに対処法を考える必要があります。

「依頼している司法書士が辞任すると言っている」「辞任の通知が届いた」
このような場合、どう対処すればいいのでしょうか?

この記事では、司法書士の辞任の原因や、弁護士への再依頼などについて解説していきます。

1.司法書士が辞任する原因

司法書士が債務整理案件について辞任する原因には、2つのパターンがあります。

1つ目は、司法書士の業務範囲の制限との関係で案件を取り扱うことができなくなり、やむを得ず辞任する場合です。
2つ目は、依頼者側に問題があったために、司法書士の判断により辞任する場合です。

それぞれの場合について、次の項目以降で詳しく解説します。

2.司法書士の業務範囲の制限を理由とする辞任

弁護士が法律事務を無制限に取り扱うことができるのに対して、司法書士の取り扱うことのできる法律事務の範囲には制限があります。

司法書士の業務範囲の制限について、法律上の根拠と併せて以下で解説します。

2-1.原則:法律事務を業として取り扱うことができるのは弁護士のみ

弁護士法72条は、法律事務を業(なりわい・仕事)として取り扱うことができるのは弁護士のみである旨を定めています。

司法書士の資格は弁護士とは別の資格なので、司法書士は、基本的には法律行為を行えません。

ただし、司法書士は、例外的に一定の範囲に限り、法律業務を行えるようになっています。

2-2.認定司法書士に限り、債権額140万円以下の任意整理を取り扱うことが可能

司法書士の全員が任意整理を扱えるわけではなく、「認定司法書士」という、法務大臣の認定を受けた司法書士のみが、債権額140万円以下の任意整理を取り扱う事ができます。(司法書士法3条1項7号、裁判所法33条1項1号)。

この140万円という金額は、個々の債権の金額について適用・判断されます(最判平成28年6月27日)。

たとえば、債務者が3社からそれぞれ100万円を借りているという場合には、借金の総額は300万円ですが、個々の債権についてはいずれも140万円の範囲内です。
この場合、すべての債権に関して認定司法書士は債務整理を行うことが可能です。

一方、債務者が3社からそれぞれ150万円、100万円、50万円を借りているという場合には、認定司法書士は100万円と50万円の債権に関する債務整理のみを取り扱うことができます。

2-3. 認定司法書士は裁判所における代理権限が制限されている

認定司法書士には、訴額が140万円以下の案件について、簡易裁判所における代理権が認められています(司法書士法3条1項6号)。

しかし、地方裁判所以上の裁判所で行われる手続に関しては、認定司法書士は代理権を有しません。

債務整理の案件において、認定司法書士の代理権の制限が問題となる場合は主に以下の2つです。

破産や個人再生を行う場合

自己破産や個人再生は、地方裁判所に申し立てることになります(破産法5条1項、民事再生法5条1項)。

認定司法書士は簡易裁判所における代理権のみしか認められていませんので、地方裁判所で行われる破産手続や個人再生手続においては、代理人になることができません。

つまり、自己破産や個人再生を司法書士に依頼すると、裁判所での答弁などを全て自分で行わなけれればならないのです。

たとえば、破産の場合に債務者に対する審尋(裁判官からの質問)が行われますが、認定司法書士が債務者に代わって発言することはできません。

破産事件および個人再生事件においては、認定司法書士は裁判所に提出する書類を作成することはできますが(司法書士法3条1項4号)、それ以上の実際の手続については債務者が自ら行う必要があります。

訴訟が控訴審に係属した場合

任意整理を進める中で、債権者から貸金返還請求訴訟を提起された場合、債権額が140万円以下であれば、通常はまず簡易裁判所に事件が係属します。

しかし、簡易裁判所の判決に対して当事者の一方が控訴した場合には、控訴審地方裁判所または高等裁判所における審理となりますので、認定司法書士の代理権の範囲を超えてしまいます。

よって、訴訟が控訴審に係属した段階で、認定司法書士は案件を辞任せざるを得なくなります。

2-4.認定司法書士の権限範囲を超える場合には、弁護士に再依頼

一度債務整理を司法書士に依頼したとしても、債務の調査を進めていくうちに1社あたり140万円を超える借金が判明するなど、司法書士の権限範囲を超える案件になってしまう場合があります。
その場合、司法書士は辞任せざるを得ないということになります。

多くの場合、司法書士が知り合いの弁護士を紹介してくれますので、弁護士に再依頼をしましょう。

弁護士は、法律事務を無制限に取り扱うことができるので、債務整理を一括して任せることができます。

また、依頼者の具体的な事情を聞いてきちんと対応してくれるので安心です。

3.依頼者側の問題を原因とする辞任

依頼者側に問題があり、司法書士が依頼者との間の信頼関係が破壊されたと判断する場合には、司法書士の側から辞任を申し出る場合があります。

どのような場合に司法書士が辞任を申し出ることが多いのかについて、代表的な例を紹介します。

3-1.司法書士への依頼費用を滞納してしまった

司法書士への依頼費用の滞納が発生し、今後支払われる見込みが立たないということになると、司法書士はタダ働きになってしまいます。
このような場合には、辞任されても仕方がないと言えるでしょう。

もっとも、多くの司法書士事務所では、依頼費用の分割払いや、事件解決後の後払いなど、支払い方法について柔軟に交渉に応じてくれます。

そのため、事前に支払い方法について相談し、司法書士との間で十分にコミュニケーションを取ることをおすすめします。

なお、急病等のやむを得ない事情で支払いが滞りそうな場合にも、適宜司法書士と相談・交渉をするようにしましょう。

3-2.依頼者として不誠実な態度をとった

依頼者と司法書士の関係は相互の信頼の下に成り立っています。

それにもかかわらず、たとえば司法書士に対してうそをついたり、長期間連絡が取れない状態になったりすると、依頼者と司法書士の間の信頼関係が破壊されてしまいます。

このような場合には、司法書士としても事件の処理が非常に困難になってしまいますので、辞任やむなしと判断される可能性が高いでしょう。

4.まとめ

以上に解説したように、司法書士が辞任するケースは、大きく分けて

①司法書士の業務範囲の制限を理由とする場合
②依頼者に問題がある場合

の2パターンがあります。

①の司法書士の業務範囲の制限としては、債務整理案件では(a)140万円を超える訴額の案件を取り扱えないこと、および(b)地方裁判所以上の裁判所における代理権がないことの2点が主に問題となります。
この制限に抵触する場合には、司法書士は辞任せざるを得ません。

②の依頼者側の問題については、たとえば費用の滞納や、うそをつく、連絡が取れないなどの不誠実な行動をとった場合が典型例として挙げられます。

依頼者側の問題を原因とする辞任については、できるだけ回避しましょう。

依頼者側の問題で司法書士に辞任されてしまうと、債務整理の手続がいったんストップしてしまいますので、事件処理にさらに時間がかかってしまいます。

また、新しく弁護士に依頼する場合でも、司法書士からの引継ぎが行われないため、またゼロからのスタートとなってしまいます。

依頼者側に問題があって司法書士に辞任されてしまった場合は、再依頼ができる弁護士を自力で探す必要があります。
それでも、一度辞任されてしまったからといって諦めてしまってはいけません。借金問題は解決しようとしなければ、いつまでも解決されません。

まずは自治体法テラスの無料法律相談などを利用して依頼できそうな弁護士を探しましょう。

なかなか受けてくれる弁護士がいない場合は、複数の事務所にコンタクトを取ることが大事です。根気強く探せば、司法書士に辞任されたという事実を打ち明けたとしても必ず引き受けてくれる弁護士がいるはずです。

なお、新しく弁護士に依頼する場合には、再度弁護士費用がかかる点には留意が必要です。

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5.債務整理は弁護士に相談

今回は司法書士の辞任の原因、および弁護士への再依頼について解説してきました。

司法書士側の問題で辞任する場合は、知り合いの弁護士にスムーズに引継ぎを行ってくれるはずなので、安心していいと思います。

しかし、依頼者側の問題による司法書士の辞任は極力避けるべきと言えます。

また、1社の借金額が140万円を超えそうなど、司法書士の業務範囲の制限に抵触するかもしれないという不安がある場合には、始めから弁護士に相談するのが無難と言えます。

弁護士は、法律事務を無制限に取り扱うことができますので、事件への着手から終了までを安心して任せることができます。

最近は弁護士事務所の数も増え、電話相談や初回の訪問相談を無料で行ってくれる事務所も増えてきています。
借金問題でお悩みの方は、ぜひ一度弁護士にご相談下さい。

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