銀行口座を差し押さえられたら?対処法と解決策

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「通帳に記帳したらサシオサエと書いてあって残高が0円になっていた」
急にそんなことが起きてしまったら焦ってしまうと思います。

実際に銀行口座が差し押さえられた場合には、冷静かつスピーディに対応する必要があります。弁護士の助言を得つつ、的確な対応を素早く行うことが肝心です。

今回は、銀行口座が差し押さえられてしまった場合の対処法・解決策について解説します。

1.銀行口座が差し押さえられる理由

銀行口座が差し押さえられるのは、債務の履行を滞納していることが原因です。

代表的なのは、税金の滞納、②借金の滞納の2つです。それぞれについて見ていきましょう。

1-1.税金の滞納

家に税金の納付書兼通知書が送られてきていたのに、うっかり納付期限を過ぎてしまった、という経験はないでしょうか。

税金の納付期限を過ぎてしまった場合には、税務署から督促状が送られてきます。

この督促状が発送された日から10日以内に納付を完了しない場合には、それ以降、滞納処分としての差し押さえが行われることになります(国税通則法40条等)。

銀行口座が差し押さえられた際には、まずは家に税務署からの督促状が届いていないかどうか確認しましょう。

1-2.借金の滞納

借金の債権者が銀行口座を差し押さえるには、「債務名義」というものを取得しなければなりません。

債権者は通常、借金の返済を催促するために、滞納者に対してまずは「督促状」「一括請求通知」「最後通告書」などのタイトルで何度か内容証明郵便を送ってきます。

滞納者が内容証明郵便を無視していると、債権者は裁判所に、債権の回収を求めて訴訟を提起します。その際、滞納者に対して、裁判所から訴状が送られてきます。

訴状には、滞納者に対して裁判に出席するようにという案内が同封されています。
訴状を無視して裁判に出席しないと、滞納者欠席のまま裁判が行われ、債権者の主張を全面的に認める確定判決が出されます。これが「債務名義」になります。

「債務名義」である確定判決を得た債権者は、これをもって、銀行口座の差し押さえによる強制執行を申し立てる、ということになります。

よって、銀行口座が差し押さえられた際には、家に訴状が届いていないかどうかも確認しましょう。

2.銀行口座を差し押さえられたらどうすれば良い?

1つの銀行口座に財産を全てまとめて入れている場合、その口座の差し押さえを受けると口座残高がゼロになり生活が出来なくなってしまいます。

そうならない為にも、銀行口座を差し押さえられた場合には早急に対処する必要があります。

以下では、実際に口座が差し押さえられてしまったらどうすればいいのか解説していきます。

2-1.差し押さえた相手が誰なのかを特定する

まず、どの債権者から銀行口座を差し押さえられたのかを把握する必要があります。

とはいえ、通帳や取引履歴を見ても、「サシオサエ」と記載されているのみで、誰が口座を差し押さえたのかはわかりません。

そこで、1で解説したように、税務署からの督促状や、裁判所からの訴状が届いていないか、郵便物を確認しましょう。

もし、住民票の住所と別の場所に住んでいたり、借金をした際に現住所とは別の住所(実家など)を登録していたりする場合には、心当たりのある住所にも郵便物が届いていないか当たってみましょう。

2-2.弁護士に相談する

銀行口座が差し押さえられた場合には、早めに弁護士に相談することが大切です。

実務上、銀行口座が差し押さえられてから1週間は、通帳の表示上は残高がゼロとなっていても、差し押さえられた金額は銀行が保管する運用がされています。

その間に債権者と交渉したり、裁判所に対する不服申し立ての手続を取ったりすることにより、差し押さえを解除することができる可能性があります。

正当な理由がなければ、差し押さえに対する不服申し立ては認められない

ただし、銀行口座の差し押さえは、税金や借金の滞納という事実を税務署や裁判所が確認した上でなされています。そのため、不服申し立ては正当な理由がなければ認められません。

税金の滞納を原因とする差し押さえであれば、「国税に関する法律に基づく処分に対する不服申立て」(国税通則法75条1項)によることになります。

税務署に計算間違いがあるなど、明らかに課税処分が不当な場合には、不服申し立てが認められますが、例外的と言えるでしょう。

一方、銀行口座のお金が生活するための唯一のお金で、差し押さえられると生活に困ってしまうなどの事情がある場合には、不服申立てが認められるケースもあります。

借金の滞納を原因とする差し押さえであれば、「執行抗告」(民事執行法145条5項)によることになります。

たとえば、1週間の間に債権者と交渉して、債権者が強制執行を猶予する意思を示してくれれば、その旨を記載した書面を添付して裁判所に執行抗告を申し立てることにより、差し押さえの停止が認められる可能性があります。

とはいえ、こうした不服申立てを行うための十分な時間がないことも多く、また不服申立てが認められないケースの方が多いことは理解しておく必要があります。

上記の不服申立てが認められない場合でも、善後策を考えるために、弁護士に相談するのが賢明と言えます。

特に借金による滞納のケースでは、さらなる差し押さえを避けるために、債権者と交渉を開始したり、場合によっては債務整理による借金の負担軽減を検討したりするなど、様々な解決策を提案してくれるでしょう。

2-3.税金の滞納は役所へ

税金の支払いは国民の義務であり、必ず行わなければいけません。

銀行などの金融業者からの借金であれば、弁護士に相談して債務整理をすることで、借金を減額・免除してもらうことができます。
しかし、税金の支払い義務は、債務整理をしてもなくなりません。

もし税金を滞納してしまった場合には、役所へ行って担当者と相談し、分割払いの交渉などをする必要があります。

3.銀行口座が差し押さえられた場合のよくある質問

最後に、銀行口座が差し押さえられた場合に関するよくある質問を3つピックアップして解説します。

3-1.差し押さえはずっと続くの?

銀行口座が一度差し押さえられてしまうと、その口座に入ってくるお金はずっと差し押さえられ続けてしまうのか?と心配する方もいるかと思います。

しかし、銀行口座の差し押さえについては、差し押さえの時点において銀行口座内にある預金のみが対象となります。

そのため、差し押さえ後に入金された金銭については、差し押さえの対象外です。銀行口座がずっと差し押さえられているというわけではありません。

しかし、銀行口座内の預金ではなく、毎月の給与債権を差し押さえられている場合には、今後入金される給与についても差し押さえの対象となります。

ただし、この場合であっても、給与債権については、差し押さえ金額の上限が給与の額の4分の1とされていますので(民事執行法152条1項2号)、少なくとも給与のうち4分の3は銀行口座に入金されることになります。

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3-2.ネット銀行の口座は差し押さえられない?

銀行口座がメガバンクや都市銀行などのものであるか、それともネット銀行のものであるかという点は、差し押さえの可否には関係がありません。

したがって、ネット銀行の口座であっても、差し押さえの対象となることはあります。

なお、債権者は、差し押さえを行う際に、債務者の口座について、「銀行」と「支店名」を特定する必要があります。したがって、支店名が債権者に知られていない場合には、銀行口座を差し押さえられることはありません。

ただし、借入を申し込む際に銀行口座を記載している場合には、債権者に口座の支店名が判明しているため、差し押さえの対象になる可能性があります。

3-3.銀行口座が差し押さえられた事実は会社にバレる?

借金が会社にばれてしまうのは困る、と考える方もいるかと思います。銀行口座が差し押さえられた場合、その事実が会社にバレてしまうことはあるのでしょうか。

この点、銀行口座内の預金を差し押さえられただけであれば、その事実が会社に通知されることはありません。

しかし、その銀行口座に毎月振り込まれている給与債権を差し押さえられ、裁判所から転付命令(差し押さえた人に債権を移すこと)が発せられた場合、その転付命令は給与を支払う会社にも送達されます(民事執行法159条2項)。

よって、給与債権を差し押さえられた場合には、借金の事実が会社に発覚してしまいます。

債権者は、債務者の銀行口座がわからない場合であっても、勤務先を知っている場合には、給与債権の差し押さえの手段を取ってくることが十分に考えられます。

したがって、会社に借金がばれると困ると考えるのであれば、借金の滞納をしないで済むように、事前に何らかの対策を取っておくべきでしょう。

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4. まとめ

今回は銀行口座差し押さえについて解説しました。

銀行口座が差し押さえられてしまった場合、速やかに弁護士に相談して対策を取る必要があります。
差し押さえから1週間が経過していなければ、差し押さえを解除できる可能性もあります。

また、生活に必要なお金を確保するために、弁護士と一緒に善後策を考えることも必要です。

借金問題は時間との勝負ですので、早急に借金問題に強い弁護士にご相談ください。

弁護士は法律の専門家であり、また借金問題についての豊富な経験を有していますので、相談者の状況に応じて適切な対応を取ってくれます。

口座が差し押さえられていることに気づいた、督促状が届いた、借金が返しきれなくて困っている、といった方は一刻も早く弁護士にご相談ください。

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