奨学金の返済猶予期間が終了しても返せない場合の対処法

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学生時代に奨学金を利用して、返済が苦しいために「奨学金返還期限猶予制度」を利用されていた方は、返還制度の「期限」に注意が必要です。

経済事情にもとづく奨学金の猶予制度の適用期限は、基本的に「最長10年」です。10年経っても経済状況が改善していなければ、返済能力がなくても返済が再開してしまいます。

猶予制度は2009年から適用され始めたので、10年後である2019年から順次適用期限が切れていきます。

期限が切れた後に奨学金が支払えなければ、督促が来て、最終的には裁判・財産の差し押さえをされてしまうおそれもあります。

以下では、奨学金返還期限猶予期間が終了し「奨学金返還期限猶予期間の終了と返還開始のお知らせ」が届いた場合の対処方法をご紹介していきます。

なお、奨学金返還猶予制度についてはJASSO(日本学生支援機構)「日本学生支援機構公式サイト 返還期限猶予」を参照ください。

1.奨学金返還期限猶予制度について

奨学金返還期限猶予制度は、様々な事情で奨学金の返済ができない方にとって非常に有り難い制度です。

しかし、これには基本的に適用期限が設けられています。
いつまでも経済事情などを理由に猶予が認められ続けたら、返済をせずに済ませようとする人が発生してしまうためです。

先述の通り、経済事情を理由とする猶予期間の延長期間は最長で10年です。
2019年以降、猶予期間が切れたにもかかわらず、相変わらず低収入で奨学金を支払えない人が数多く発生することが懸念されています。

なお、償還期限が切れる前にJASSO(日本学生支援機構)から「奨学金返還期限猶予期間の終了と返還開始のお知らせ」という書類が届きます。

だいたい期間満了の2~3か月前に自宅宛に発送されるので、届いたらいつから償還が始まるのかしっかり確認しましょう。

2.返還期限猶予期間が満了した後に支払えない場合

奨学金返還期限猶予制度の期限が切れたとき、どうしても支払いができずに放置していたらどのようなことが起こるのでしょうか?

以下で、奨学金返済を滞納した場合の流れをご説明します。

2-1.JASSOから督促が来る

予定されていた日に返済予定額の引き落としができない場合、JASSO(日本学生支援機構)から電話による督促があります。

このときにきちんと支払えば事なきを得ますが、支払えなければ郵便で督促状が送られてきます。

2-2.信用情報に延滞情報が登録される

JASSOはKSC(全国銀行個人信用情報センター)に加盟しているので、滞納後3か月程度が経過すると、個人信用情報に事故情報(延滞情報)が登録されます。

これにより、本人は「ブラックリスト」に載り、一切クレジットカードを作ったりローンを組んだりできなくなります。

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2-3.一括請求をされる

それでも支払いをしないで放置していると、JASSOから残金と延滞金の一括払い請求をされます。

2-4.支払督促申立をされる

一括請求が行われても支払いをせずに放置していると、今度は裁判所を使って「支払督促」の申立をされます。

支払督促とは、債務者(借金をしている側)が負債の支払いをしない場合に、債権者(お金を貸した側)が申し立てることにできる制度で、債務者が一定期間内に異議を出さなければ強制執行の権利を認めてもらえるものです。

支払督促の申立を受けた場合、裁判所から「支払督促申立書」を受け取ってから14日以内に「異議申立書」を提出しないと、JASSOから財産や給料を差し押さえられる可能性が高くなります。

また、親などが連帯保証人になっている場合、親に対しても支払督促申立をされて、支払い命令が下るでしょう。
(奨学金を借りるときに機関保証を利用した場合には、親や親戚に迷惑をかけることはありません。)

【異議申立書を提出すると通常訴訟になる】
14日以内に異議申立書を提出した場合には通常訴訟に移行するので、裁判に対応しなければなりません。
裁判では、分割払いや支払いスケジュールの変更などについて話し合うことになります。ここで和解が成立し、以降債務者が和解の内容通りに支払いを行えば、差し押さえをされることはありません。

なお、支払督促ではなく、最初から訴訟を提起され、裁判所から訴状が送られてくるというケースもあります。

2-5.差し押さえをされる

支払督促に異議を申し立てなかった場合や裁判で支払命令が出た場合、放っておくと財産や給料を差し押さえられる可能性が高くなります。

差し押さえされる可能性が高いのは、給料や口座預金です。
生活に直接的な影響が及ぶので、できれば差し押さえ(強制執行)がされる前に何らかの対処をしておかなければなりません。

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3.奨学金をどうしても返せない時の対処法

奨学金猶予制度の適用期間が切れてもどうしても返還できない場合、どうすれば良いのでしょうか?

3-1.延滞据置猶予制度の申請

まず、当初の利用時期から10年が経過しても引き続き奨学金延滞据置猶予制度を利用できるケースがあります。

それは、生活保護受給中の方や傷病で働けない方です。
この場合、さらに1年猶予の申請をできるので、これまで更新してきたのと同じように更新の申請を行いましょう。

延滞据置猶予制度は「日本学生支援機構公式サイト 延滞据置猶予」をご覧ください。

3-2.奨学金減額申請をする

奨学金猶予制度の期限が切れても奨学金減額制度を適用できる可能性があります。

減額制度とは、返還期間を延長して毎月の返済額を減額してもらえる制度です。ただし奨学金の総返済額は減額されません。

多少とも収入がある場合には、JASSOに相談して減額申請をしてみるのが良いでしょう。

減額制度は「日本学生支援機構公式サイト 減額返還」を参照ください。

3-3.奨学金免除制度を申請する

奨学金返済義務は、本人が死亡した場合や重度の障害で労働能力を失ったら全額免除されて支払い義務がなくなります。

もしも重度の障害を負って今後一切働けない状況になっていたら、医師の診断書などを用意して免除の申請をしましょう。

免除制度については「日本学生支援機構公式サイト 死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除」を参照ください。

3-4.自己破産や個人再生をする

上記のいずれの方法によっても解決できない場合、債務整理を行って解決しましょう。

個人再生をすれば奨学金の返済額を5分の1〜10分の1にまで抑えられる可能性があります。
また、自己破産をしたら奨学金の支払い義務が一切なくなります。

支払いができないまま放置していても事態は好転しませんので、困ったときには早めに弁護士に相談し、適切な債務整理方法での解決を目指すことをお勧めします。

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なお、連帯保証人も奨学金の返済をできない状態であれば、一緒に個人再生や自己破産をして連帯保証人の支払い負担を減らす必要があります。

4.まとめ

奨学金の返済ができなくて困っていても、支払いの督促は容赦無く続きます。

延滞据置猶予制度や減額・免除が受けられない場合には、自己破産や個人再生などによって支払い義務を法的に免除してもらう方法が効果的です。

収入が少なく返済困難である・他にも借金があるなどの場合は、一刻も早く債務整理をして根本的な解決を目指しましょう。

まずは勇気を出して、債務整理に熱心に取り組んでいる弁護士に相談し、適切な解決方法についてのアドバイスをもらうことをお勧めします。

 
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