特別清算とは?破産との違いやメリット・デメリット

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会社の経営が苦しくなってきた場合、「もう破産するしかない」と考える人は多いです。
しかし、株式会社が倒産する際には、「特別清算」を選択できる可能性があります。

今回は「特別清算」について解説していきます。

特別清算はいったいどんな手続きなのか、どういった状況において利用するのがよいのか、破産と何が違うのか、メリット・デメリットなど、特別清算ついて詳しく解説していきます。

経営難に直面している株式会社の経営者・代表者の方は、是非お読みください。

1.特別清算とは

特別清算」という言葉は日常的に使われる言葉ではないので、聞いたことはあっても何のことか分からない、という方が多いでしょう。

特別清算とは、負債を抱え込んでしまい、出来る限りの債務免除を受けてなお債務超過の疑いがある会社が、自主的に会社の清算を進める倒産手続きです。
前記のような事情がある場合、清算人の申立または職権によって、裁判所が開始を命じます。

特別清算は、会社法という法律の、第9章「清算」第2節に規定されています。

会社が赤字になっている場合、一般的には「破産」によって会社を畳むしかないと思われていることも多いのですが、株式会社では、「特別清算」という破産とはまた別の方法があります。

赤字会社が会社を畳む=破産確定ではなく、「特別清算か破産か」を選択できるケースがある、ということです。

特別清算は破産ほど厳格な手続きではなく、会社の旧経営陣が自主的に進めることができます。

特別清算には、株主総会を開催して状況を株主に説明し行う「協定型」と、株主総会を開催せずに個別に債権者と和解契約を締結してそれに基づく形で弁済する形で処理する「和解型」の2種類があります。

なお、特別清算よりも破産したほうが債権者に対する配当が多い見込みがある場合や、株主らに協定が否決されたり協定が不許可決定されてしまった場合には、特別清算手続きはただちに終了し、破産手続を取らなければいけなくなってしまいます。

強硬に反対する債権者がいる場合などには手続きを進められなくなる可能性があるのです。

【倒産と破産の違い】
勘違いされている方が多いのですが、「倒産=破産」というわけではありません。
倒産とは、会社経営状況が悪化して何らかの対処をとらねばならない状態全般を言います。法律上の手続きを全く取っておらず、不渡りを2回出しただけで「倒産」と言われるケースもあり、倒産という言葉に法的な意味合いはありません。
「倒産」という大きな括りの中に、「破産」という手段があると考えていただけばと思います。

2.特別清算と破産の違い

では、特別清算と破産の違いはなんなのでしょうか?具体的に比較していきます。

2-1.破産管財人が選任されるかどうか

重大な違いとして、「破産管財人」が選任されるかどうかがあります。

両方とも裁判所が関与しますが、破産の場合は裁判所が「破産管財人」を任命します。

破産管財人とは、破産手続きにおいて会社の財産を預かり現金化して債権者に配当する人です。

破産手続きが開始すると、必ず「破産管財人(弁護士)」が選任されて会社の財産の換価と配当が始まります。その時点で会社の経営陣は手続きから外れます。

一方特別清算の場合には「特別清算人」が選任されますが、経営者がそのまま就任することも可能です。

2-2.株式会社以外も利用できるかどうか

次に「誰が利用できるのか」も大きく違います。破産の場合には株式会社に限らず、合同会社、合資会社、NPO法人等の各種の法人、個人も利用できます。

一方、特別清算の場合には「株式会社」しか利用できません

2-3.債権者の意向が尊重されるかどうか

破産と特別清算では「どの程度債権者の意向が尊重されるか」が異なります。

破産の場合、意見は聞きますが、債権者の意見によって手続き進行が左右されません。破産管財人の判断によって粛々と手続きが進められ、債権者への配当が終了したら手続きは終わります。

一方特別清算の場合、最終的に債権者と「協定」を締結しなければなりません。

債権者は議決権を有していますので、債権者の反対に遭うと手続き自体が成立しません。債権者の意向は非常に重要です。

2-4.株主総会の特別決議の要否

特別清算を利用できるのは「株式会社」だけであることとも関係しますが、特別清算をするには「株主総会の特別決議」が必要です。

株主の過半数が出席し、その3分の2以上が特別清算に賛成しなければならないという要件があります。

そのため、株式が広く分散している企業においては、特別清算を行うハードルが高くなっています。破産にはこのような条件はありません。

この他、破産についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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3.特別清算のメリットとデメリット

3-1.メリット

経営陣が自主的に会社を清算できる

特別清算を利用すると、これまでの経営陣が特別清算人となって、自ら清算を遂行することができます。

イメージ低下を防げる

「破産」というとイメージが悪いのですが、「特別清算」で会社が消滅したというと、世間的にもイメージを保てます。

特にグループの子会社を消滅させて親会社が存続するケースなどでグループ全体のイメージを保てるので有効です。

担保権の実行中止命令を出させられる

抵当権などの担保権が設定されている場合、一定の要件を満たせば実行させないように中止命令を出してもらうことができます。
破産にはこういった制度はありません。

3-2.デメリット

一方、特別清算には以下のようなデメリットもあります。

株主の同意が必要

前提として株主総会の特別決議が必要となるので、ハードルが高いです。

債権者の同意が必要

最終的に債権者との協定が必要です。その際「過半数の債権者」かつ「3分の2以上の債権額の債権者」による同意が必要なので、やはりハードルが高くなっています。

反対されると、特別清算に支障をきたしてしまいます。

特別清算人の権限が小さい

破産管財人と違って特別清算人の権限は小さいです。

偏頗弁済が行われた際の否認権がないので、債権者が問題視すると特別清算に失敗しやすくなります。

4.特別清算の流れ

最後に、特別清算の流れをご説明します。

一連の流れを通して、会社の特別清算は複雑な手続きとなっていますので、弁護士に依頼をすることが必須と言えます。

4-1.会社の解散・清算人の選任

まずは株主総会を開催して特別決議をとり、解散を決定する必要があります。

その際、特別清算を進めるための「清算人」を選任します。通常は会社の代表者や役員、顧問弁護士などが就任します。

その後、弁護士などと相談しながら特別清算申立ての準備を進めます。

4-2.特別清算手続開始の申し立て

申立のための資料が揃ったら、清算人が地方裁判所に特別清算の申立てを行い、予納金を支払います。

裁判所が認可すれば清算手続き開始決定が下り、特別清算が開始されます。

清算手続きが開始したら、特別清算人が債権者に債権申出の公告や催告を出したり、債務の総額を計算したりします。

また、会社の資産を換価して、債権者へ支払うための財源を確保します。

4-3.債権者との協定案の作成・提出

換価と債権調査が済んだら、清算人が協定案(支払い計画案)を作成して裁判所と債権者に提出します。

4-4.債権者集会

協定案が提出されると、裁判所で債権者集会が開かれて解散決議がとられます。

出席した債権者の過半数で、かつすべての債権者の総債権額の3分の2以上の賛成があれば協定案が可決されます。

4-5.弁済と清算終了

協定案が可決されたら清算人が債権者に配当を行います。

すべての配当が終了すれば、裁判所が特別清算の終結決定を確定させ、清算結了登記を済ませることで清算手続きが完全に終わります。

5.特別清算か破産か迷ったら弁護士に相談しよう

会社の経営状態が悪化したとき、破産か特別清算か、どちらを選ぶべきか分からない方も多いでしょう。
そのようなとき、弁護士に相談すると会社の状況や事情に応じて適切な方法をアドバイスしてもらえます。

もっとも、現在では特別清算はそもそもあまり使われないという状況ではあります。

特別清算手続きは、経営に苦しむ株式会社にとって柔軟性・迅速性があり、費用も安く抑えられたので、破産するより良い面がありました。
しかし、現在では、破産法の改正に伴い、少額管財制度という制度が導入され、破産手続も手続きが簡略化され、迅速に、安く簡易に行えるようになりました。

したがって、現在の会社清算においては、実務上、特別清算ではなく破産手続を利用するケースが多いようです。

いずれにせよ、会社の経営状態が悪化してしまい、何らかの手段で解決しなければならない場合、弁護士によるサポートは必須です。

このままずるずると経営を続けていても状況が悪化していくだけであれば、選択肢があるうちに、できるだけ早めに企業倒産に詳しい法律事務所の弁護士に相談することを検討してみてください。

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