給与差し押さえが強制執行…借金が会社や家族にバレる?

★ お気に入りに追加

債務者が消費者金融からの電話に応対しても、そのまま借金を返済しなければ給与を差し押さえられることがあります。

給与の差し押さえとは、債権者が債務者の給料から強制的に一定額を徴収し、債務の弁済に充てる合法的な債権回収の一手段です。

毎月の給料だけでなく、ボーナスや退職金も差し押さえの対象になります。

また、借金だけでなく、税金を滞納しても給与を差し押さえられる場合があります。

給与の差し押さえは裁判所を通じて行う手続きなので、裁判所から勤務先の会社(第三債務者)に連絡が入ります。このため、少なくとも勤務先には確実に借金の存在がバレてしまいます。

家族や職場に借金がバレたくない、と思う多重債務者の方は多いです。
では、借金がバレないために給与差し押さえを回避するには何をすればいいのでしょうか?また、実際に給与を差し押さえられたらどうすれば良いのでしょうか?

今回は、給与差し押さえが強制執行された場合・されそうな場合の正しい対処方法を解説します。

1.給与差し押さえの限度額

給与を差し押さえられた場合でも、その全額について差し押さえられるわけではありません。
強制執行といっても、給与の全てが差し押さえられると、生活が出来なくなってしまいます。そこで、少なくとも生活費が捻出できるように、差し押さえの範囲が民事執行法及び政令で規定されています。

基準として、期間ごとに支払われる給与(税金等の控除後の給料)の4分の1(25%)の部分のみに差し押さえが出来ることになっており、残りの4分の3(75%)については、債務者・家族の生活のために差し押さえが出来ないことになっているのです。

しかし、給与の額は人によって差があるので、高額所得者の場合には差し押さえられても生活上大きな問題がない一方、低所得者の場合には差し押さえにより最低限の生活が脅かされるほどの残額になったりすることがあります。
また、債務者が高額所得者であれば、まだ回収にまわせる余裕があるのではないかと、債権者も納得がいかないでしょう。

このような矛盾を調整するために、民事執行法施行令2条 で、標準的世帯の必要生計費を考慮した差押禁止の上限額を定めています。これを超過する部分は、25%を超えることがあっても差し押さえが出来ることになります。

つまり、差し押さえ禁止範囲の75%に相当する額が下記の「 政令で定められている基準 」の額を超える場合、超えた部分(月給の場合33万円)は全額差し押さえが可能となるのです。

政令で定められている基準
支払が毎月 33万円
支払が半月ごと 16.5万円
支払が10日ごと 11万円
支払が月の整数倍の期間ごと 33万円×整数倍
支払が毎日 1.1万円
支払がその他の期間 1.1万円×期間の日数
賞与・その性質を有する給与 33万円

月額の給料の75%が33万円となるには、44万円(11万円+33万円)以上なければならないことになります。
月額の税金等の控除後の給料が44万円であれば、33万円を超える額については、全額差し押さえが可能ということです。

では、具体例を挙げて、実際に差し押さえ可能額を計算してみましょう。

給与差し押さえの計算

例1.税金等の控除後の給料の金額が44万円を超える場合

100万円の借金がある債務者に月額(税金等控除後)60万円の給料があった場合

60万円 × 25% = 15万円
60万円 - 15万円 = 45万円 > 33万円(政令で定められた基準額)
給与差し押さえ可能な額: 60万円 ― 33万円 = 27万円

返済額の合計が100万円となるまで、毎月27万円が、返済として支払われることとなります。

例2.税金等の控除後の給料が44万円を超えない場合

100万円の借金がある債務者に月額(税金等控除後)40万円の給料があった場合

40万円 × 25% = 10万円
40万円 - 10万円 = 30万円 < 33万円(政令で定められた基準額)
給与差し押さえ可能な額: 10万円

返済額の合計が100万円となるまで、毎月10万円が、返済として支払われることとなります。

なお、以下の金銭債権の場合は、給与の50%の部分が給与差し押さえ可能です。

  • 夫婦間の協力及び扶助の義務
  • 婚姻から生ずる費用の分担の義務
  • 子供の監護に関する義務扶養の義務

給与の差し押さえは、直接的に収入が減ってしまうため、債務者にとっては大きな痛手となります。

2.督促から給与差し押さえまでの手続き

では次に、督促から給与差し押さえまでの過程を詳しく見てみましょう。

2-1.返済が滞ると郵便や電話で連絡がくる

まず、1~2ヶ月程度返済を滞らせると、消費者金融側から連絡が来るようになります。連絡手段は、郵便だったり電話だったりと様々です。
この時点で、連絡をもらってからすぐに返済の対応ができれば問題ありません。

しかし、この時の郵便物や自宅への電話で、家族などの同居人に借金がバレるケースも多く見られます。

借金を滞納すると勤務先に電話が来る?

消費者金融、いわゆるサラ金に借金を返さないと、勤務先に連絡が入るのではないかと心配する人もいます。
結論を言えば、確かに勤務先に直接連絡が入ることも十分考えられます。しかし、消費者金融側も、いきなり勤務先に連絡をするわけではありません。
消費者金融が何度連絡をしても、債務者が電話に出なかったり、着信拒否にしたり、居留守を決め込んだりすると、消費者金融側は仕方なく連帯保証人や勤務先に連絡を取ります。消費者金融が借金のことを勤務先へ告げるケースは少ないですが、消費者金融からの電話を受けた人が事情を察するケースは少なくありません。
消費者金融が勤務先へ連絡することを避けるためには、消費者金融からの連絡を無視しないことが一番です。

2-2.内容証明で支払督促をされる

度重なる督促を無視していると、消費者金融が内容証明を送ってきます。
内容証明自体は給与差し押さえとは関係ありませんが、「そろそろ返済しないと、給与差し押さえの準備に入りますよ」というメッセージだと思ってください。

2-3.「仮執行宣言付き支払督促」が届く

内容証明も無視して滞納を続けている場合は、「仮執行宣言付き支払督促」という書類が届きます。

この書類は、今までと違って裁判所から送られてきます。裁判所が債権者からの申し立てを受けて、債務者に債務の返済を命令しているのです。
債権者が本格的な法的措置を取った証拠と言えます。

また、債権者によっては「貸金返還訴訟」の手続きに入ることがあります。この訴訟によって、債権者は「債務名義」を獲得します。
「債務名義」を得ることで、債権者は強制執行を行うことができるようになり、給与を差し押さえが可能になるのです。

なお、予め公正証書で契約している場合や、所有する不動産に抵当権が打たれている場合、債権者は訴訟を経ずに給与の差し押さえや競売といった手続きに入ることができます。

関連記事
債務の強制執行
債務の強制執行とは?予兆・流れ・今後の生活について
住宅ローンやクレジットカードの借金、家賃や携帯料金の滞納など、払うべきものを払わないでいると、裁判所によって「強制執…

2-4.「差押命令正本」の通知が届く

債権者が給与の差し押さえを裁判所に申し立てると、裁判所は債務者の勤務先(第三債務者)へ「差押命令正本」の通知を送付します。
これにより差し押さえが実行され、債務者の勤務先は債務者への給料を債権者に払うか、または法務局へ供託するなどの義務が発生するのです。

どんなに隠していても、この段階で必ず勤務先に借金の存在がバレてしまいます。

給与を差し押さえられるとクビになる?

給与を差し押さえされたからと言って、それだけを理由に解雇されることはありません。下手に解雇すると勤務先の方が法令違反に問われる可能性すらあります。
しかし、「借金がある人にお金の管理を任せられない」などという警戒心から、現金を扱う業務から遠ざけられたり、資金管理を任せてもらえなくなったりすることが考えられます。よって、会社に居づらくなることは確実です。
解雇通知こそされないものの、自主的に退職を勧められる場合は少なからずありますので、十分ご注意ください。

3.給与差し押さえを回避するためにできること

給与差し押さえは、当然借金を返せば回避できます。しかし、そもそも返済が可能なら苦労はありません。

給与差し押さえを回避するには、借金を払えないと思った時点からできる限り早く対処することが大切です。どうしても給与差し押さえを免れたいのであれば、債権者に何とか頼み込んで返済に猶予をもらうしかありません。
事情を話して滞納分を一部のみでも返済したり、返済計画通りの支払いを約束したりするなどの誠意を見せれば、相手方が多少の猶予をくれる可能性もあります。

また、将来的に借金を完済できる可能性が薄い場合は、早めに弁護士や司法書士に「債務整理をしたい」と相談してください。
給与を差し押さえられる前に債務整理を行えば、会社に借金がバレずに済みます。

債務整理とは、債務の支払いを待ってもらったり、債務を減額・免除してもらったりする手続きのことです。自己破産、個人再生、任意整理といった方法で、債務者の負担を減らすことができます。

関連記事
苦しい借金返済にお悩みの方へ~債務整理という選択肢~
パチンコなどのギャンブル依存症による借金、生活をしていくための借金、家族から肩代わりした借金など、借金をしてしまう原…

3つの債務整理方法のうち、どのタイプが最適なのかを一般人が適切に判断するのは難しいです。
しかし、経験や実績のある弁護士であれば、相談内容に応じて最適な債務整理の方法を提案してくれます。

Cafeおすすめ! 【東京都・千代田区】債務整理に強い弁護士
弁護士法人 卯月法律事務所
弁護士法人 卯月法律事務所
 現在営業中(0:00~24:00) ]
 現在営業中(0:00~24:00) ]

個人様・法人様を問わず、相当件数の借金問題を解決してまいりました。

個人様・法人様を問わず、相当件数の借金問題を解決してまいりました。

相談者様の生活を第一に考え、弁護士自ら最適な解決方法をご提案しています。費用面の負担も少なく設定しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
お電話でのお問い合わせはこちら
050-5267-6550
[電話受付] 24時間受付
電話で相談する 弁護士詳細情報はこちら 弁護士詳細情報はこちら

4.給与を差し押さえられてしまった場合の対処法

実際に給与の差し押さえまで手続きが進行してしまうと、相手方との交渉が難しいため、確実に給与差し押さえを解除するには自己破産するのが現実的な選択肢となります。

関連記事
自己破産の全知識!手続きと費用、破産後の生活まで
「クレジットカードを使いすぎてしまい、気がついたら自分の給料では返せない金額になっていた」 「経営している会社が倒産…

しかし、自己破産をしてもすぐに元の収入に戻るわけではありません。給与差し押さえされた額の給与については、一旦支払いが保留されます。
そして、債務の免責が決定された後で保留された分の給与がまとめて支払われます。手元に現金が届くまでにタイムラグがありますのでご注意ください。

なお、以下のような手段でも給与の差し押さえの解除や軽減が可能です。

4-1.「差押禁止範囲の変更」を申し立てる

給与が差し押さえられて生活が苦しい状態であるなら、裁判所に申し立てることで差し押さえる給与の範囲を少なくすることができます(差押禁止範囲の変更)。

例えば、給与の25%を差し押さえられていたのを10%にしてもらったり、そもそも差し押さえ自体を解除してもらえたりする可能性があります。

4-2.生活保護を受ける

手取り給与が最低生活費を下回る場合、生活保護を受けて下回った分を補填することができます。
生活保護を受けている人については、収入の全部について給与の差し押さえができなくなるので、差し押さえの解除と同じ効果が生じます。

しかし、生活保護で得た財産を保管している口座は、「預金」と同様に見なされて差し押さえの対象になることがあります。ご注意ください。

4-3.自己破産以外の方法で債務整理を行う

これが、もっともスタンダードかつおすすめの解決方法です。

債務整理や差し押さえに関して、弁護士は様々なノウハウを持っています。自己破産以外でも、債務者の状態に最適な法的解決方法を導き出してくれるので、最も効率的な対応策です。
債務整理や差し押さえについてのトラブルは、とにかく最初に弁護士に相談してみましょう。

5.家族や職場に借金を知られないために

最後に、給与差し押さえまでの過程で借金の存在が周囲に疑われてしまうきっかけと、それを回避するために弁護士に相談するメリットを説明します。

借金の存在を家族や職場に知られたくない場合、細心の注意を払う必要があります。多くの場合、借金はちょっとした不注意がきっかけでバレてしまいます。

5-1.自宅に届く郵便物に注意

家族や同居人がいると、自宅に届いた郵便物がきっかけで借金を疑われることが多いようです。
消費者金融や裁判所からの郵便物はそれとわかる封筒で届きますし、相談している弁護士事務所からの封筒にも事務所名が入っていることが多いです。

また、内容証明郵便は受取の際にサインか判子が必要です。同居人が対応して内容証明郵便を受け取ると、郵便物の存在が確実に知られてしまいます。

郵便物により借金がバレることを防ぐためには、弁護士に借金の解決を依頼し、最低限、弁護士事務所には家族に秘密の旨を伝えておきましょう。
事務所名のない封筒を使って個人名で送ってくれるような配慮をしてくれる可能性がある他、弁護士が介入していれば、消費者金融や裁判所からの書類は弁護士事務所の方に送付するようにできます。

こうすれば、同居人が借金関係の郵便物を直接受け取ってしまうことはなくなります。

5-2.電話は個人の携帯電話に設定を

消費者金融や法律事務所、または裁判所からの電話を家人が受け取ったことがきっかけで、借金を知られてしまうこともあります。

この場合は、固定電話を利用せず、消費者金融に登録する連絡先を全て自分の携帯にしておくと良いでしょう。
また、勤務先に電話をかけられるよう、個人携帯に電話がかかってきた時点で無視せず対応することが大切です。

また、やはり弁護士に依頼することによって、消費者金融や裁判所の電話を弁護士事務所あてにしてもらうことも可能です。

5-3.裁判所・法律事務所への出入りを見られてしまう

これはある意味事故とも言えるのですが、偶然他人裁判所・法律事務所に出入りするところを目撃されたことがきっかけでトラブルを疑われ、借金の存在まで知られてしまう人もいます。
同居人や勤務先の人に直接見られなくても、たまたま目撃した人の知人同士のネットワークを介して伝わる場合があるので油断できません。

また、借金の存在を知られまいと普段から挙動不審だと、家族や恋人が興信所などに尾行調査を依頼するかもしれません。
このとき、弁護士と会っていたり裁判所に行ったりしていることがわかると、かなりの確率で問い詰められてしまいます。

偶然の目撃を防ぐには、弁護士と会う回数を極力減らし、裁判所には弁護士に代理人として赴いてもらうしかありません。

なお、家族共用のパソコンのログや、車のカーナビの履歴がきっかけでバレてしまうこともあります。借金がバレないように、自分の行動の履歴はできるだけ削除しておきましょう。

関連記事
家族にバレずに債務整理をしたい方へ
借金を家族・親戚・友人などに内緒にしたいという方は多いと思います。 借金問題を法律的に解決する手段として「債務整理」…

6.給与の差し押さえをされたら弁護士に相談を

給与の差し押さえをされたら、少なくとも会社には借金の存在がバレてしまいます。社会的な信用は失われ、最悪失職するケースもあるのです。
差し押さえを回避するために、あらゆる手段を尽くしてください。

そして、差し押さえを回避・解除し、家族にも内緒で借金も解決するためには、弁護士・司法書士への相談が最良の道と言えます。

債務整理に強い弁護士が無料相談いたします

借金返済ができず、滞納・督促でお困りの方は、債務整理に強い弁護士にご相談ください。自己破産、個人再生、任意整理、過払い金請求、法人破産などで、借金問題を解決できる可能性があります。

弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

  1. 毎月の借金の返済が苦しい/借金が一向に減らない
  2. 債務整理したいが自宅だけは手放したくない
  3. 連日の督促・取り立てで精神的につらい
  4. 会社が倒産したので破産処理をしたい

債務整理に強い弁護士に相談・依頼することで、厳しい督促が止まり、難しい手続きもサポートしてもらえます。

1人で悩まず、今すぐ債務整理に強い弁護士にご相談ください。

都道府県から債務整理に強い弁護士を探す

Cafeおすすめ! 【全国対応】債務整理に強い弁護士
弁護士法人イストワール法律事務所
弁護士法人イストワール法律事務所
弁護士法人イストワール法律事務所 弁護士法人イストワール法律事務所

お客様の借金の状況を細かくお伺いした上で、最適な債務整理方法をご提案いたします。

お客様の借金の状況を細かくお伺いした上で、最適な債務整理方法をご提案いたします。

借金に関する悩み事は、家族にすら話しにくくて一人で抱え込んでおられる方もいるかと思います。そんな方の借金問題を最適な方法で解決して、人生を再出発できるようしっかりとサポートいたします。
お電話でのお問い合わせはこちら
050-5267-6263
[電話受付]毎日 9:00~21:00
電話で相談する 弁護士詳細情報はこちら 弁護士詳細情報はこちら
この記事が役に立ったらシェアしてください!