個人再生が失敗するケースとは?

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債務整理の中でも、マイホームを残したまま借金を大幅に減額できることで利用率が高い個人再生ですが、実は、その手続きは必ず成功するとは限りません。
必要な条件を満たしていない場合、再生計画は失敗してしまいます。

この記事では個人再生が失敗するケース(個人再生の条件)について解説していきます。

個人再生の失敗談を知っておくことで、失敗しないような対策を取ることが可能です。これからの個人再生を考えているという方や、前回は個人再生が出来なかったなどという方も、ぜひ本記事をお読みいただければと思います。

目次

1.個人再生の必須条件

まず、個人再生が出来ない人とはどのような人なのでしょうか。

そもそも以下の条件に当てはまる場合、個人再生を選択することはできません。

  • 負債総額が5,000万円超(住宅ローンを除く)
  • 将来において継続的に反復して収入を得る見込みがない
  • 返済総額が最低弁済額より低い
  • 個人再生によって返済するお金の総額が自己破産したときの配当総額よりも少ない

1-1.負債総額が5,000万円超(住宅ローンを除く)

個人再生ができるのは、住宅ローンを除いた債務の額が5,000万円以下の場合です。

これを超える借金がある場合は個人再生をすることができません。

1-2.将来において継続的に反復して収入を得る見込みがない

収入がないと、個人再生してもその後の返済ができないので、最初から個人再生を認めてもらえなくなります。

正社員ではなくアルバイトでもセーフとされていますが、単発または短期のアルバイトを渡り歩いているような場合は、「継続的に反復して収入を得る見込み」がないとみなされてしまいます。

自営業者の場合、定期的な収入がないことも多いですが、3ヶ月に1回程度個人再生の再生計画に則った返済計画を実行できる収入があれば、問題ないことが多いです。

年金生活者の場合、加齢でもらえる年金であれば定期的な収入と認められますが、障害年金の場合は障害が治って年金がもらえなくなる可能性があるので、障害の程度や種類に応じてケースバイケースで判断されます。

1-3.返済総額が最低弁済額より低い

個人再生においては、支払わなくてはならない最低限度額が決まっています。

これ以下の額しか支払えないようだと、個人再生はできません。

1-4.個人再生によって返済するお金の総額が自己破産したときの配当総額よりも少ない

個人再生計画で返済する金額は、自己破産したときに債権者が得られる配当の総額より多くなければいけません。

個人再生は債務者を救済する制度ですが、債権者の利益を過度に害してはならないのです。

2.給与所得者等再生の不許可事由

個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生がありますが、給与所得者等再生の場合、以下のどれかに当てはまる場合は給与所得者等再生ができません。

  • 給与所得者でない
  • 申立前7年以内に破産免責決定があった
  • 申立前7年以内に給与所得者等再生の認可が決定した
  • 申立前7年以内にハードシップ免責が確定した
  • 可処分所得の弁済規定に違反している

2-1.給与所得者でない

給与所得者でなければ、給与所得者等再生はできません。

2-2.申立前7年以内に破産免責決定があった

もし過去に自己破産したことがある場合、破産から7年以内は給与所得者等再生ができません。

給与所得者等再生以外の方法で債務整理をすることになります。

2-3.申立前7年以内に給与所得者等再生の認可が決定した

上記と同じく、一度給与所得者等再生をした場合も、それから7年は給与所得者等再生ができません。

2-4.申立前7年以内にハードシップ免責が確定した

個人再生の再生計画が認可されたあと、やむを得ない理由があって再生計画通りに支払いができなくなったとします。
このとき一定の条件をクリアすると、残りの支払いを免除してもらえる「ハードシップ免責」という制度があります。

過去7年以内にハードシップ免責を受けている場合は、給与所得者等再生をすることができません。

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2-5.可処分所得の弁済規定に違反している

可処分所得とは、収入から最低限の生活費や税金を差し引いたお金のことです。

給与所得者等再生では、「総額にして2年分の可処分所得以上のお金を支払わなければいけない」という条件があるので、これを満たせない場合は不許可となってしまいます。
可処分所得の計算は弁護士が行ってくれるので、弁護士に要求された資料をしっかりと収集し、弁護士からもらった指示を忠実に守れば通常は問題ありません。

尚、小規模個人再生と給与所得者等再生については、以下の記事で詳しく解説しています。

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以上の条件を全て満たしていた場合は必ず個人再生が成功するのかというと、実はそうではありません。
続いて、個人再生が失敗する「棄却」「廃止」「不認可」「取消」の4つのパターンについて、順番に解説していきます。

3.再生計画開始の申立てが「棄却」されるケース

棄却」とは、裁判所に申立てをしたけれど、「個人再生の要件を満たしていない」と判断され、門前払いをされてしまうことをいいます。

棄却される条件には、以下のものがあります。

  • 再生手続きの費用を裁判所に予納しない
  • 再生計画案や再生計画の認可の見込みがないことが明らか
  • 不当な目的で申立てをした、または誠実に申立てがされていない
  • 必要な書類を期日までに提出しない

3-1.再生手続きの費用を裁判所に予納しない

当たり前ですが、費用を納めなければ門前払いされても仕方ありません。

「お金がなくて個人再生するのにお金を納めるのはおかしい」と思うかもしれませんが、個人再生をすれば借金の大幅な減額が見込まれるので、結果的にはプラスになります。予めお金を用意しておき、しっかりと納めるようにしましょう。

3-2.再生計画案や再生計画の認可の見込みがないことが明らか

債務者の収入を考えると、裁判所に提出する再生計画に無理があり、将来的に再生計画通りの返済ができないことが明らかであるなどの場合には、再生計画が認可される見込みがないとして棄却されてしまいます。

しかし、弁護士と連携して、実現可能な再生計画を作れば大丈夫です。

3-3.不当な目的で申立てをした、または誠実に申立てがされていない

例えば、一部の債権者にのみ返済を続けている状態で個人再生の申立てを行うと、何らかの不当な目的があると判断されて棄却される可能性があります

3-4.必要な書類や資料を期日までに提出しない

個人再生には多くの書類や費用が必要です。しかし、もしそれらを期日通りに提出しないと、裁判所が個人再生を棄却してしまいます。

再生計画は弁護士が作成してくれるので、債務者は再生計画の作成に必要な資料などを弁護士の指示通りに収集して渡せば大丈夫です。

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4.個人再生手続きが「廃止」されてしまうケース

裁判所に再生計画が棄却されなかったとしても、油断はできません。個人再生手続きが始まったものの、途中で問題が見つかったら個人再生手続きが「廃止」されてしまう可能性があるからです。

個人再生手続きが廃止されるのは主に以下のようなときです。

  • 財産目録に不正があったとき
  • 再生計画案作成の見込みがないとき
  • 期間内に再生計画案の提出がないとき
  • 再生計画案が債権者から否決された場合

4-1.財産目録に不正があったとき

個人再生の際には、裁判所に財産目録を提出しますが、これに記載すべき財産を記載しなかった、または虚偽の記載をしたときには手続きが廃止されてしまいます。

弁護士に財産目録を作ってもらう際には、嘘をつかずに正直に財産の内容を伝えてください。

4-2.再生計画案作成の見込みがないとき

申立てをしておきながら再生計画案が作られる予定がないと裁判所が判断した場合、手続きが廃止されます。

4-3.期間内に再生計画案の提出がないとき

再生計画案を作っても、提出しなければ手続きが廃止されてしまいます。

また、仮に提出したとしても、その内容が決議に付するに足りない、つまりいい加減なものの場合も手続きが廃止されます。

弁護士に依頼して、しっかりとした再生計画案を作れば問題ありません。

4-4.再生計画案が債権者から否決された場合

小規模個人再生をする場合、債権者の半数以上の「消極的同意」が必要です。消極的同意とは「反対ではない」「異議はない」といった程度の同意です。

仮に3社から借金している場合、2社が消極的同意をすればいいとされています。

また、これと同時に「債務総額の半数以上の消極的同意」も必要とされています。例えば、A社から600万円、B社とC社から200万円ずつ(計400万円)の借金があった場合、A社が異議を唱えれば、それだけで個人再生の手続きは廃止されてしまいます。

債権者に対して不義理・不道徳・不誠実な行為をした過去があると、消極的同意が得られない可能性があります。

給与所得者等再生の場合、この条件は存在しません(債権者の同意を得ずとも手続きを進められます)。

5.再生計画が「不認可」となるケース

個人再生手続きが廃止されずに進んだとしても、結果として再生計画の認可が受けられないこともあります。これを「再生計画の不認可」などと言います。

以下のような場合、再生計画が認可されず個人再生が失敗してしまいます。

  • 再生手続や再生計画が法律の規定に違反しており、それを補正できない場合
  • 再生計画が不正の方法によって成立した場合
  • 再生計画が遂行される見込みがない場合

5-1.再生手続や再生計画が法律の規定に違反しており、それを補正できない場合

個人再生は法律に則った手続きなので、どこかに違反があると不認可となります(違反があっても、それを補正できれば問題なく認可されることが多いです)。
また、違反の程度が軽い場合は、補正しなくても特別に認可してもらえることがあります。

個人再生に慣れた弁護士であれば、法律の規定に違反するようなことはしないですし、依頼人が法律違反になるようなことをしそうになったらアドバイスをしてくれます。

5-2.再生計画が不正の方法によって成立した場合

不正の方法とは、例えば関係者への脅迫や強要、賄賂などです。こういった方法を使ったときは、当然再生計画の不認可となります。

また、裁判所に提出した書類に虚偽の記載があることが判明した場合も不認可となります。

5-3.再生計画が遂行される見込みがない

債務者の収入や行動から、再生計画が遂行される見込みがないと判断された場合も、再生計画が不認可となってしまいます。

個人再生に詳しい弁護士なら、不認可を受けそうな状態をある程度事前に察することができるので、前もって対処してくれます。

【履行テストについて】
裁判所によっては、個人再生の手続き中に「履行テスト」というものがあり、これにパスしないと再生計画の認可が下りないケースが見られます。
履行テストとは、その名の通り「再生計画通りに返済できるどうかテストしてみる」ことを指します。裁判所側が指定した銀行口座へ、再生計画にある通りの額を毎月振り込ませることで、再生計画通りに支払いができるかどうかをテストするのです。
テストは大体6回ほど、つまり半年にわたって行われます。もしこの間に支払いができなかった場合、再生計画や申立人の支払能力に問題があるということで再生計画の認可がされません。
ちなみに履行テストで振り込んだお金は、個人再生委員の報酬分などを差し引いて、テスト後に申立人に返還されます。

6.再生計画の「取消」

認可決定を受けたとしても、裁判所は後で認可決定の取り消しをすることができます。

取り消しを受けると、せっかく再生計画が認可されて減額された借金が認可前の額に戻ってしまい、事実上自己破産をしなければならないような状態になってしまいます。

以下の事柄があると、再生計画が取り消される可能性があります。

  • 再生計画が不正の方法により成立した
  • 計画弁済総額が再生計画の認可が決定された時点での破産配当総額を下回ることが明らかになった
  • 債務者が再生計画の履行を怠った

6-1.再生計画が不正の方法により成立した

裁判所に提出した書類に虚偽の記載があることが後でわかった場合です。

最も典型的なケースは財産隠しで、財産目録に記載すべき財産を記載せず隠していたときに取り消しを受けることが多いようです。

包み隠さず財産目録を作成し、その他の書類についても信頼のできる弁護士と協力しながら作成していけば、大抵は問題ありません。

6-2.計画弁済総額が再生計画の認可が決定された時点での破産配当総額を下回ることが明らかになった

既に述べたように、個人再生をしたときより自己破産をしたときの方が債権者の利益になるような場合、個人再生ができません。

本来最初に棄却になるべきところですが、何らかの理由でこの事実が後ほど明らかになった場合も、再生計画の認可が取り消されてしまいます。

経験豊富な弁護士に個人再生を依頼すればこういったことは起こりにくいので、弁護士選びの段階から気をつけておくといいでしょう。

6-3.債務者が再生計画の履行を怠った

最も取り消しを受けやすいパターンです。正当な理由なく再生計画の履行を怠る、つまり返済を滞らせると、裁判所が再生計画を取り消す可能性があります。

再生計画に基づいてしっかりと返済を行い、万が一返済できないような状態になったときはすぐに個人再生を担当してもらった弁護士に相談してください。

7.個人再生の成功率を上げるためには弁護士へ相談を

このように、個人再生が失敗する理由は非常に多く、「失敗の確率が高いのでは…」と不安に思う人も多いです。

しかし、基本的には個人再生に実績のある弁護士や司法書士に依頼をし、専門家に言われる注意事項を守るだけでほとんど解決できます。
反対に、隠し事をしたり、指示を守らなかったりすると、個人再生が失敗する可能性が高くなります。

個人再生では、慎重に弁護士・司法書士を選んで、依頼した弁護士・司法書士に対しては不誠実なことをしないようにしましょう。

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