個人再生の手続きにかかる期間はどのくらい?

個人再生の手続きにかかる期間はどのくらい?

個人再生は「借金の額を大幅に圧縮できる」「自己破産と違い財産の処分がない」「条件が揃えばローン返済中の自宅を手放さずに済む」など、債務者にとって非常にメリットの多い債務整理方法です。

その一方で、個人再生は手続きが非常に複雑なため、一般人が自力で完遂するのはほとんど不可能という側面もあります。

「手続きが複雑ということは、時間がかかるのでは?」と考える人もいるかもしれません。
借金問題は一日でも早く解決したいと思うのは当然で、「個人再生に時間がかかるならば他の手続きで早く解決したい」と思う方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、個人再生にはどのくらいの期間が必要なのかをご説明していきます。
なお、実際にかかる期間は案件ごとに異なることが多いので、あくまで一般的な例ということを念頭に置いてご参考ください。

個人再生の流れ

個人再生は通常、以下のような流れで進んでいきます(小規模個人再生の場合)。

  1. 弁護士へ相談・依頼
  2. 裁判所へ申立・個人再生委員の選出
  3. 個人再生手続きの開始決定
  4. 再生計画案の提出
  5. 書面決議・再生計画案の認可決定
  6. 再生計画に従って支払い開始

各ステップでどのくらいの期間が必要なのかを、以下で説明していきます。

弁護士へ相談・依頼

個人再生は個人が自力で行うことが難しいので、通常、弁護士や司法書士に手続きを依頼することになります。
このとき、個人再生の申立に必要な書類などを一部集めるように弁護士・司法書士から指示があるでしょう。

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依頼を受けた弁護士は各債権者に受任通知を発します。これによって弁護士が債権者との窓口になるので、債権者は債務者に連絡できなくなります(つまり、債権者からの取り立てや督促が止まります)。
受任通知は弁護士に依頼した即日ないし翌日に発送されることが多いです。

裁判所へ申立・個人再生委員の選出

弁護士・司法書士との打ち合わせを経て、裁判所に個人再生を申し立てます。

専門家に依頼した場合の多くのケースでは、依頼から数週間以内に個人再生の申し立てを行える段取りが整います。
しかし、債務者の状況が複雑な場合や必要な書類の収集に手間取ることがあるので、長いときには2~3ヶ月程度かかるケースもあるでしょう。

なお、裁判所によって異なりますが、申し立てを受けた裁判所が「個人再生委員」を選任することがあります。
「個人再生委員」とは、債務者側が提出した再生計画を認可するかどうかになどについて裁判官に意見を言う等の役割を担う人です。

申し立てから1~2周間程度で面談の呼び出しがあるので、債務者は個人再生委員と面談をする必要があります。

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個人再生手続きの開始決定

個人再生委員との面談や提出書類に特に問題がなければ、個人再生手続きの開始決定がなされます。
スムーズに行けば、弁護士に相談してから1ヶ月程度でこのステップまで進むことができます。

個人再生にあたっては、全ての借金(税金・国民健康保険料などの公租公課や養育費などを除く)について減額の対象となるため、減額対象の債権額(借金額)を確定させなければいけません。
債権額を確定させるために、裁判所は申し立て時に提出された債権者一覧表を見て、各債権者に対して債権額の調査を行います。

債権者が「債権の額が違う」などの異議を述べたり、調査の結果債務者側が算出した債権額とズレが出じたりした場合には、更なる調査が必要になるため必要な時間が多くかかります。

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再生計画案の提出・書面決議

再生計画とは、「民事再生法の定めに基づいて作成された具体的な返済計画」のことです。債務者の生活(収入や支出)を加味した上で、弁護士・司法書士と共に作成することになります。
個人再生手続きの開始決定から3ヶ月程度までに、完成した再生計画案を裁判所に提出します。

裁判所は再生計画案の内容を確認し、問題がないと判断したら債権者に書面決議を行います(約1ヶ月程度の期間)。
書面決議とは、再生計画案に債権者が反対しないかどうかを書面で確認する手続きです。

なお、給与所得者等再生では書面決議は行われません(反対することはできず、意見を述べるのみとなります)。

再生計画案の認可決定

反対する債権者が債権者総数の半数に満たず、かつ、反対者の持つ債権額が債権総額の2分の1を超えていなければ、再生計画案が認可され、その1ヶ月ほど後に再生計画が確定されます。

一方、反対により再生計画案が認可されなければ個人再生は失敗となってしまいますので、反対意見を許さない給与所得者等再生もしくは自己破産を検討することになるでしょう。

再生計画に従って支払い開始

再生計画の確定後は、計画案にある予定通りに支払いを始めます。

個人再生の裁判所の手続きはここで終わりますが、借金問題の本当のゴールは、再生計画通りに返済を続けて借金を完済することです。
完済までにかかる時間は、個人再生の場合、返済開始から原則3年(特例で5年)です。

個人再生にかかる期間について

個人再生は何ヶ月かかる?

個人再生には、弁護士に依頼してから大体半年〜1年程度の期間が必要です。
もちろん、案件の難易度によっては半年を切ることもあります。

借金の状況などによって必要な期間は変動するので、詳しくは個人再生の実績がある弁護士・司法書士に相談して聞いてみるのがおすすめです。
個々のケースに即した判断をしてくれるので、より詳しく期間を見積もってもらえるでしょう。

個人再生を裁判所に申し立ててから認可決定までの期間は?

個人再生は、弁護士・司法書士などに依頼した後、弁護士・司法書士との打ち合わせや書類の準備を経て裁判所に申し立てます。

裁判所への申立てから、様々な手続きを経て個人再生計画が認可決定されるまで(返済を開始するまで)の期間は、6ヶ月~8ヶ月程度です。
もちろん、事案によってこれより長くなるケースも短くなるケースもあり得ます。

個人再生にかかる期間を短縮する方法はある?

ここまで読んで、「借金の解決までに1年近くかかるなんて」と思う方もいらっしゃると思います。
しかし、早期から個人再生を専門家(特に弁護士)へ依頼することで、手続きにかかる時間を短縮することができます。

個人再生には、債権者一覧表や再生計画案のみならず、申立書、陳述書、財産目録、住民票、通帳のコピーなど、必要な書類が多くあります。
また、裁判所を通す手続きも複雑で、場合によっては面談のために直接裁判所に出向くことになります。

弁護士に個人再生を依頼すれば、書類に不備がないよう、収集のアドバイスや作成のサポートをしてもらえます。
仮に書類に不備があると、裁判所から突き返されて修正をする必要が生じます。また、場合によっては個人再生に失敗し、1からやり直しになってしまうかもしれません。

このようなリスクを避けるためにも、専門知識が豊富な弁護士・司法書士に書類の収集や作成を手伝ってもらうことがお勧めです。

また、弁護士ならば、代理人として裁判所の手続きに出席してもらうこともできます(司法書士には代理人となる権限はありませんので、あくまで書類のサポートのみとなります)。

裁判所内の手続きを早めることは基本的にできません。
そのため、弁護士や司法書士を頼り、書類の収集・作成にかかる時間をできる限り短縮するのが効果的と言えるのです。

まとめ

個人再生の手続きにかかる期間は、裁判所の負荷や交渉の難易度などによって異なりますが、通常数ヶ月から1年程度が一般的な範囲とされています。ただし、事案によってはこれよりも長期になることもありますので、個別の事情については弁護士に相談することが重要です。

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執筆・監修
服部 貞昭(CFP・日本FP協会認定)
ファイナンシャル・プランナー(CFP・日本FP協会認定)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
東京大学大学院 電子工学専攻修士課程修了

新宿・はっとりFP事務所
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