自己破産後でも生活保護を受けられるのか?生活保護と借金の関係

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最近では新型コロナウイルスの影響で、仕事を失ったり、大きく収入を落としてしまったりした人も数多くいらっしゃいます。

生活費を稼ぐことができなければ、日々の暮らしもままならなくなってしまいます。
このような場合に備えたセーフティネットとして、日本では「生活保護」の制度が設けられています。

生活保護を受給することができれば、日々の暮らしに必要な最低限のお金を手に入れることができ、その間に生活を立て直す準備をすることもできます。

ここで、現在借金を抱えている方は、生活保護を受給しながら借金を返済できればそれに越したことはないと考えるかもしれません。

しかし、生活保護の制度趣旨から考えて、そのようなことは可能なのでしょうか?

また、特に自己破産をして財産の大半を失い収入もないという状況では、生活保護が唯一の頼みの綱という場合もあるでしょう。

自己破産をした場合であっても、生活保護を受給することができるのかどうかということは、多くの人の関心事ではないでしょうか。

そこで今回は、「生活保護を受給しながら借金を返済することはできるか」「自己破産後に生活保護を受けることはできるか」など、自己破産と生活保護について解説していきます。

1.生活保護と自己破産

まず、生活保護と自己破産はそれぞれどういうものか、簡単に解説します。

1-1.生活保護とは?

生活保護とは、資産や能力をすべて活用しても生活に困窮する人に対して、行政が経済的な援助を行う制度です。

生活保護の受給要件に該当する場合、困窮の度合いに応じて、申請により生活保護費を受け取ることができます。

生活保護の申請は、地域を所管する福祉事務所の生活保護担当や町村役場で行うことができます。

参考:厚生労働省「生活保護制度

1-2.自己破産とは?

自己破産は、債務を支払うことができなくなった債務者が裁判所に申立てをすることにより、借金の支払い義務を免除してもらう手続きです。
原則として債務者の債務がすべて免責され、債務者は債務の負担から解放されます。

つまり、自己破産をするとそれまであった借金がゼロになるということです。

自己破産では、債務者の財産について、生活に必要な一部のものを除いてすべて処分し、債権者に対して配当を行います。

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2.借金と生活保護の関係について

生活保護を受ける必要がある状況になってしまった人は、それ以前に借金を抱えているというケースも多いです。
また、生活保護の受給が始まっても、生活保護費だけではお金が足りず、新たに借金をしたいと考える場合もあるかもしれません。

このように、借金と生活保護は同時に問題になることが多いです。

そこで、借金と生活保護の関係において、問題になりやすい点について解説します。

2-1.借金がある場合でも生活保護は申請可能

借金の返済に苦慮しているような状況では、同時に生活も苦しいのが普通です。
こうした人を経済的に救済する必要性は高いといえます。

そのため、借金があったとしても生活保護を申請することは可能です。

2-2.生活保護費で借金を返済することは認められない

ただし生活保護は、受給者に健康で文化的な最低限度の生活を保障するという趣旨で給付されるものです。
この趣旨から、生活保護費を借金の返済に充てることは認められません

生活保護の審査の段階で、生活保護費が借金の返済に充てられる可能性が高いと判断された場合には、生活保護の申請が却下される可能性があります。

また、受給開始後に生活保護費を借金の返済に充てていることが判明した場合には、生活保護の給付を打ち切られてしまうおそれがあります。

2-3.生活保護受給中でも返済の督促は続く

生活保護受給中は基本的に借金の返済はできませんが、債権者側にとっては債務者が生活保護を受給しているという事情は関係がありません。
したがって、生活保護を受給中であっても、借金を返済するようにという督促は引き続き行われます。

債務者にとっては、このような督促が日常的なストレスになってしまう場合もあるでしょう。

そのため、できるだけ早めに弁護士に相談して、債務整理などの対策を行うことをおすすめします。

なお、借金返済の督促を放置していると、いずれ債権者は訴訟を提起し、強制執行の手続きを取ってくることになります。
その場合、債務者の財産が強制的に没収され、換価・処分されることになります。

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しかし、生活保護受給者の場合は、金銭的価値のある財産を全く持っていないことがほとんどですので、強制執行は空振りに終わってしまう可能性も高いといえます。

また、生活保護費自体は差し押さえが禁止されています。
したがって債務者としては、「強制執行により生活保護費を没収されてしまうのではないか」ということを心配する必要はありません。

2-4.生活保護受給中に新たに借金をすることはできる?

生活保護の受給開始後も、生活保護費だけではお金が足りず、新たに借金をしたいと思う場合もあるかもしれません。

この点、生活保護を受給しているからといって、借金をすること自体が法律で禁じられているというわけではありません。
したがって、貸し手が見つかりさえすれば、生活保護受給中でも借金をすることは可能です。

しかし貸し手の側も、「この人にお金を貸した場合、本当に返してくれるかどうか」ということを慎重に審査した上で、お金を貸すかどうかを判断することになります。

生活保護を受給しているという事実は、その人が自分の力でお金を稼ぐことが困難であるということを示します。

そのため貸し手の側としても、生活保護受給中の人に対しては、なかなかお金を貸すという判断には至らないでしょう。

したがって、生活保護受給中に新たに借金をすることは、現実的には難しいといえます。

なお、生活保護受給中であることを隠して借金をすることは詐欺罪(刑法246条1項)に該当する可能性がありますので、絶対にやめましょう。

3.自己破産後の生活保護・生活保護受給中の自己破産

前の項目で、借金と生活保護は同時に問題となりやすいということについて解説しました。

借金の返済負担が重くなると、自己破産が現実的な問題になります。
そのため、自己破産と生活保護についても、同時に問題になるケースが多いといえるでしょう。

たとえば、「自己破産をした後の収入の目途が立たず、生活保護を申請したい」「生活保護の需給を開始したために借金を返済することができず、自己破産するしかない」などの場合が考えられます。

前者の場合については、「自己破産後に生活保護を受給することが可能か」という疑問をお持ちになる方もいるかもしれません。
また後者の場合は、「生活保護を受給していてお金がなく、自己破産をするための費用(弁護士費用など)を準備できない」という問題が生じることも多いです。

そこで以下では、これらの問題についてどのように考えられるかについて解説します。

3-1.自己破産後でも生活保護は申請可能

自己破産をした人は、その段階では収入がないか、十分でない場合が多いです。
また、自己破産によって発生する資格制限(一定の職業に就けなくなること)に該当してしまい、破産手続開始の申立てをする段階で職場を解雇されてしまうというケースも考えられます。

こうした人について、生活を保障するための経済的援助を行う必要性は高いといえます。

そのため、自己破産後であっても、生活保護を申請することは可能です。

特に自己破産をした場合、原則として債務が全額免責されるため、借金を抱えている状態よりも、生活保護を受給するためのハードルは低いといえます。

ただし、万が一破産手続において免責が不許可(とある事情により借金がゼロにならないこと)になった場合には、借金を抱えたままの状態で生活保護の申請を行うことになります。

3-2.生活保護受給者が自己破産をする場合の費用

生活保護の受給を開始すると借金の返済ができなくなりますので、借金がある場合には、現実的には自己破産をするという選択肢を取らざるを得ない場合も多いところです。

しかし、生活保護を受給している状況では、自己破産をするために必要となる弁護士費用や、裁判所に納付する予納金などが準備できないことがほとんどでしょう。

このような場合には、法テラスに相談をすることが有効です。

法テラスは、経済的に困窮している人も弁護士に対して法律相談や依頼ができるように、弁護士費用などを立て替えてくれるサービス(民事法律扶助)を提供しています。

民事法律扶助を利用するためには、収入や資産など、一定の資力要件を満たす必要があります。
生活保護を受給している場合であれば、ほぼ確実に民事法律扶助の資力要件を満たすでしょう。

なお、民事法律扶助を利用して法テラスに立て替えてもらった弁護士費用などは、原則として事件終了後に毎月分割払いで返済していくことになります。
ただし、生活保護を受給している場合には、審査の上で返済を免除してもらえる場合もあります。

その場合には実質的に無料で自己破産を弁護士に依頼することが可能です。

このように、生活保護を受給していて弁護士費用などを準備できない場合であっても、自己破産を行うことができる道はあります。
まずは費用面の心配をせずに、早めに弁護士に相談をすることがおすすめです。

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4.まとめ

今回は、借金や自己破産と生活保護の関係などについて解説してきました。

借金を抱えている場合や、自己破産をする場合であっても、生活保護による経済的援助を受けることは可能です。
しかしこの場合、自己破産などの債務整理を避けて通ることはできません。

債務整理は複雑な手続きであり、法律の専門的知識を必要とします。
そのため、法律の専門家である弁護士に相談をして、どのような方針で対応すれば良いのかを一緒に考えてもらいましょう。

弁護士は、債務整理に関する豊富なノウハウを生かして、きっとあなたの力になってくれます。また、必要であれば生活保護の申請に同行してくれる場合もあるようです。

借金問題にお悩みの方は、まずは一度弁護士にご相談ください。

 
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弁護士法人 卯月法律事務所
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個人様・法人様を問わず、相当件数の借金問題を解決してまいりました。

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