個人再生すると保証人にどのような影響があるのか?

保証人

個人再生は、借金の返済が困難な場合に債務の一部を免除してもらう手続きの一つであり、個人再生を検討する方が増えています。しかし、個人再生をすると保証人(連帯保証人)にも大きな影響が出るため、個人再生手続きを進める前に、保証人への影響を理解することが重要です。

この記事では、個人再生が保証人(連帯保証人)に与える影響について解説します。

個人再生すると保証人にどのような影響があるのか?

まずは、借金の保証人になった場合に、どのような責任が生じるのかを理解していきましょう。

個人再生により一括の支払い義務を負う

個人再生手続きを主債務者が行うと、具体的に保証人にはどのような変化が起きるのでしょうか?

個人再生手続きを行うと、債権者は主債務者が債務を支払うことができないと判断します。そうすると、保証人がいる場合には残債務につき一括で請求をすることになるでしょう。

「月ごとの分割支払いじゃないの?」と疑問に思う方もいらっしゃると思いますが、借金に関する契約書に基づき、原則として一括返済を求められると考えるべきです。

借金額が数十万円であれば保証人でも支払える可能性はありますが、数百万円以上に及ぶ借金の場合、通常は一括で支払いを求められても支払えないケースは多いといえます。

つまり、個人再生をすると保証人も主債務者と同様の状況に追い込まれる結果となってしまうのです。

なお、奨学金などの場合は、個人の保証人ではなく保証機関による保証を選んでいる方もいらっしゃるでしょう。この場合は、個人に請求がいくことはありません。
(代わりに、保証機関から主債務者が返済を求められるでしょう。)

このように、個人再生をすると保証人に対し一括請求がいくため、事前に知らせておく必要があります。個人再生を決意するなら、信頼関係を壊さないようにするためにも早めに話をしておきましょう。

保証人が支払う金額は残務の全額

保証人には、残債務の全てを支払う責任があります。

個人再生手続きでは、大幅に債務を減額することは可能ですが、すべての債務が免除されることはありません。そのため、一部は主債務者が計画的な返済を続けることになります。

この部分に関して保証人が支払いを求められることはないと考えたいところですが、残念ながら保証人の責任が圧縮されることはありません。

例えば、500万円の借金があったとして、1/5の100万円まで減額が認められたとします。
この場合でも、保証人の責任は400万円になることはなく、500万円と変わらないのです。

もっとも、返済すべき額が多くなるわけではありません。理論上保証人は、個人再生計画の認可前に一括請求を受けますが、交渉により再生計画認可まで一括請求を待ち、保証人も分割支払いをすることはよくあります

この場合は再生計画が認められた後、主債務者と保証人に対し同時に返済義務が発生します。それぞれが返済義務を果たして残債務額に達すれば、完済となります。

ちなみに、住宅ローン特則を受ける場合には、本人が計画通りに返済をすることができれば保証人に一括請求がいくことはないため、実際に支払う金額はゼロとなります。

保証人も借金を返せない場合の対応策

債権者から請求を受けた保証人が多額の借金の場合には、支払えないというケースも多いでしょう。
この場合はどのように対処すれば良いのでしょうか?

考えられる選択肢としては、次の2つがあります。

  • 分割支払いの交渉をする
  • 保証人も債務整理をする

先に少しお話ししましたが、債権者との交渉で分割払いが認められることがあります。
「分割ならなんとか支払える」という場合は、再生計画が認可されるのを待ってから、毎月分割で支払うことに合意するという方法を選択できます。

また、分割でも支払えないという場合は、保証人も債務整理をすることになるでしょう。

債務整理の方法としては、任意整理、個人再生、自己破産がありますが、どれを選ぶかは借金や資産の状況次第ということになります。
ただし、主債務者が個人再生をするというケースでは、多額の借金を肩代わりしなければいけないケースも多いため、減額幅の大きい個人再生か全額借金が免除される自己破産を選ぶべきとなる可能性は高いでしょう。

どう対応すべきかわからない場合は、専門家である弁護士に相談してください。

個人再生の保証人に関するよくある質問

保証人の責任とは?

保証人とは、主債務者が返済できない場合に主債務者の代わりに返済する義務を負う人のことを指します。

通常の借金の場合には、債権者から請求があれば、遅延損害金を含めて保証人が主債務者の代わりに支払うことになります。
家賃の保証人などの場合は、滞納家賃だけでなく現状回復にかかった費用も支払うことになるでしょう。

保証人と似た言葉に「連帯保証人」というものもあります。

連帯保証人は、主債務者ができなかった支払いを肩代わりするという点では保証人と同じですが、保証人よりもその責任が強化されています。

例えば、保証人である場合は、債権者から請求がきても「先に主債務者に請求すべき」と反論ができますが、連帯保証人にはこのような権利(催告の抗弁権)がありません。

これ以外にも、連帯保証人は主債務者に資力があっても先に主債務者の財産に対し強制執行すべきだということは言えません(検索の抗弁権)。

まら、連帯保証人が複数いても債務額を連帯保証人間で分割して支払う(分別の利益)ことは主張できません。連帯保証人が複数いても、債権者に請求されたら、全額を支払わなければいけないということです。

お金を借りて保証人の設定する場合、最近ではほとんどがこの「連帯保証人」となっています。

任意整理を選べば保証人に迷惑はかからない?

どうしても保証人に迷惑をかけたくない場合は、任意整理を選択するという方法もあります。

任意整理は、自分で整理する借金を選ぶことができるので、保証人がついている借金を除外することができます。任意整理の場合は、個人再生ほどの大幅な減額は見込めませんが、利息を法定利率に引き直すことにより、借金総額を少し減らすことができます。

しかし、例えば一番大きな金額の借金に保証人がついている場合は、保証人がついている借金の圧縮を考えない限り、債務整理をしても根本的解決には至らないかもしれません。

個人再生時に弁護士に相談すべき理由

個人再生手続きをする場合は、保証人に迷惑をかけてしまいます。この問題を最小限にしたいと考えるなら、適切な方針のもと手続きを進めていく必要があります。

そこで、個人再生する場合は弁護士に相談すべきです。

保証人に迷惑がかかることを気にかけて保証人がいる借金があることを隠してしまったり、保証人がいる借金のみを手続き直前に優先的に返済してしまったりすると、個人再生計画が認められない可能性が高くなります。
(借金を隠したり、個人再生直前に一部の債権者にのみ返済したりすることは禁止されています。)

このように、保証人に迷惑をかけないようにという考えだけで動いてしまうと、再生計画が認められないという最悪の事態を招いてしまう可能性があります。
保証人に迷惑をかけないようにするためには、専門家と話し合いながら最適な方法を採るべきです。

自分で調べた範囲では個人再生が良いと思っていても、実際に弁護士に話してみると違う方法を提案されることもあります。

債務整理手続きは、今後の将来を左右する法的手段です。自分に合った債務整理方法を選ぶためにも、迷ったら専門家に相談するのが一番です。

個人再生手続きをご検討中の方は、弁護士に相談を

個人再生手続きをする場合、どうしても保証人のことが気にかかります。保証人はいる場合は、迷惑をかけてしまうことになりますので、できる限り主債務者、債権者、保証人が納得できる形で解決を図るべきです。

どうしたら良いか迷っている場合は、弁護士に相談してください。債務整理に強い弁護士であれば、最適な債務整理の方法を提案してくれます。

保証人と一緒に相談に行けば、話もスムーズに進むでしょう。

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執筆・監修
服部 貞昭(CFP・日本FP協会認定)
ファイナンシャル・プランナー(CFP・日本FP協会認定)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
東京大学大学院 電子工学専攻修士課程修了

新宿・はっとりFP事務所
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