シングルマザーが置かれた厳しい環境と、借金問題の対処法

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日本の貧困化が問題になって久しくなりつつあります。中でも独りで子育てしながら働くシングルマザーの貧困率は高いと言われています。

シングルマザーになる原因で最も多いのが離婚です。しかし、そこには「自業自得」と切って捨てられない切実な現実があります。

この記事ではシングルマザーの貧困や借金に関する問題について述べていきます。

1.シングルマザーになる理由は?

女性がシングルマザーになる理由のほとんどは「離婚」「夫との死別」「未婚で子を産む」の3つです。

それぞれの内訳は以下のようになっています(厚生労働省「平成27年ひとり親家庭等の現状について」)。

  • 離婚:80.8%
  • 死別:7.5%
  • 未婚:7.8%

ご覧のように離婚が圧倒的大多数を占めています。「離婚なんて個人の勝手でしょ?」「子供がいるなら離婚なんて我慢すべき」と思う人もいるそうですが、離婚は決して個人だけの都合ではありません。家庭内暴力などで仕方なく子供を連れて離婚する人もいるのです。それにもかかわらず、心ない人からの偏見に苦しむシングルマザーも一定数存在します。

そういったシングルマザーは孤独な子育て、偏見、そして貧困の3重苦を背負うことになり、時として幼児虐待や自殺などの悲惨な末路を迎えます。悲劇を避けるためにも、シングルマザーの貧困は解決していかなければならない問題と言えます。

2.シングルマザーの貧困の現状

母子世帯で「生活が苦しい」と答えた世帯の割合は82.7%厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査の概況」)にも上ります。あくまで主観的な感想ではありますが、生活の苦しさを感じているシングルマザーは実に8割以上にも及ぶのです。

ここからは、より客観的なデータを上げながらシングルマザーが置かれている状況を確認していきます。

2-1.貧困率の問題

ひとり親世帯の貧困率を調べると以下のようになります(内閣府HP「平成26年版 子ども・若者白書」)。

  • 平成9年…63.1%
  • 平成12年…58.2%
  • 平成15年…58.7%
  • 平成18年…54.6%
  • 平成21年…50.8%

少しずつ改善が見られますが、それでも貧困率が5割程度というのが現状です。2件に1件以上は貧困状態だと考えると、その深刻さが伺えます。

2-2.仕事や収入面の問題

シングルマザーの就業率は80.6%です。一見就業率が高いように見えますが、2割のシングルマザーが就業できていないことを考えると問題の深さがわかりやすいのではないでしょうか。

雇用されている人の内訳と平均収入は以下のようになります(厚生労働省「平成27年ひとり親家庭等の現状について」)。

  • 正規労働者:43.0%(平均年収270万円)
  • 非正規労働者:57.0%(平均年収125万円)

シングルマザーは非正規労働者の方が多く、非正規労働者の収入は正規労働者の半分もありません

一方で、父子家庭の場合は以下のようになります。

  • 就業率:91.3%
  • 就業者のうち正規労働者:87.1%(平均年収426万円)
  • 就業者のうち非正規労働者:12.9%(平均年収175万円)

同じひとり親家庭でも、シングルマザー家庭と父子家庭ではかなりの差があることがわかります。養育費はもとより生活費もままならい生活が苦しいシングルマザーの実情がうかがえるのではないでしょうか。

3.シングルマザーのための支援制度

シングルマザーの貧困状態を改善するために様々な支援制度が作られています。

ここでは代表的なものを紹介していきます。

3-1.寡婦控除

寡婦、つまり夫と離婚または死別した独身の女性は、確定申告をすることで一定額の所得控除を受けることができます

シングルマザーの多くは離婚して子供を育てており、収入も高くないため「特別の寡婦」に分類されることが大半です。

「特別の寡婦」は35万円の寡婦控除を利用できます。

この控除を使うための具体的な条件は以下です。

  • 夫と死別または離婚した後再婚していない人、または夫の生死が明らかでない一定の人
  • 扶養親族である子がいる人
  • 合計所得金額が500万円以下である

確定申告の期限を過ぎていても、申告しなかった過去の分まで遡って手続きができます。これを「更正の請求」と言います。中には納め過ぎた税金が複数年分戻ってきたケースもあるので、今からでも税務署等に問い合わせてみるといいでしょう。

3‐2.保育料の減免

シングルマザーの方には常識かと思いますが、保育料の負担軽減が国によって制度化されています。具体的には、年収約360万円未満相当のひとり親世帯で、子どもを2人以上保育園・幼稚園に通わせている場合、保育料が1人目は半額、2人目以降からは、無料となります。

親と同居の場合は、世帯を分離し申請することで、この制度が適用されることがあります。

お住まいの自治体により、制度を受けられる条件が変わる場合があるので、市区町村役場に問い合わせしてみてください。

3-3.児童扶養手当(母子手当)

シングルマザーとして育てている子供が18歳になって最初の3月31日を迎えるまでの間は、行政から児童扶養手当(母子手当)が支給されます。単純に言えば、子供が高校を卒業する年度の最終日までは手当が支給されるのです。

平成30年4月時点においては、以下の金額が支給されます。

  • 子供が1人いるシングルマザー家庭…42,500円
  • 子供が2人いるシングルマザー家庭…52,540円(子供1人世帯に10,040円の増額)
  • それ以外は子供の数が1人増えるごとに+6,020円

ただし、所得が高い場合は支給額が減額されます。詳しくは最寄りの役所の担当窓口に相談してみましょう。

3-4.児童手当(こども手当)

シングルマザーとして育てている子供が15歳になって最初の3月31日を迎えるまでの間は、児童扶養手当(母子手当)が支給されます。

こちらも単純に言えば、子供が中学を卒業する年度の最終日までは手当がもらえるということです。子供の年齢によって毎月10,000円か15,000円が支給されるので、家計が楽になります。

児童扶養手当の請求先は居住地の市町村町です。

3-5.児童育成手当

各自治体が行っている補助制度です。ひとり親家庭の親に一定額を支給する制度で、自治体によって金額や受給要件が異なります。

詳しくは居住地の役所に問い合わせてみてください。

東京や神奈川などの一部の自治体でしか実施されていないのが難点です。

3-6.母子家庭の住宅手当

ひとり親家庭向けに、住宅手当または家賃補助を行っている自治体があります。

支給条件や支給金額は自治体によって違うので、こちらも居住地の役所に問い合わせてください。

3-7.マザーズハローワーク

就活中の母親のために設けられたハローワークが「マザーズハローワーク」です。育児中の母親向けに特化した求人が揃っており、ハローワークでも見られない内容が揃っていることが最大の特徴です。残業が少ない・社内に保育施設がある・育児支援制度があるなど、育児中の母親に嬉しい求人情報を紹介してもらえます。

また、託児所や授乳室があるところも多く、シングルマザーが訪問しやすい環境が整っているのも特徴です。

マザーズハローワークは全国20ヶ所以上にありますし、マザー向けのミニコーナーが設けられたハローワークは全国170ヶ所以上あります。

最寄りのハローワークにそういったコーナーがある場合はぜひ利用してください。

3-8.母子家庭就業・自立センター

母子家庭の母親への就業相談や就業情報の提供など、一貫した就業支援サービスを提供しているセンターです。就業支援講習会なども実施しています。

母子家庭就業・自立センターは各都道府県に1ヶ所以上あります。

就業や自立についての悩みがあれば、一度相談してみると良いでしょう。

3-9.母子福祉貸付金

シングルマザー・シングルファーザーの家庭の中でも「返す資力がある人」に対して「一時的に」お金に困っている場合に、都道府県(または指定都市や中核市)が修学資金などのお金を貸してくれる制度です。都道府県単位の制度なので、各地方公共団体によって細かな違いがありますが、制度趣旨は同じです。

あくまで、貸付制度なので、審査もあり、生活保護を受けているなど、返済が厳しい場合は審査に通り難いというデメリットがあります。

修学資金など、一時的に借入がしたい場合は、最寄り役所の福祉窓口に相談してみてください。

3-10.生活保護

健康で文化的な最低限度の生活を行うために支給されるのが生活保護です。

不正受給などの問題がありますが、本当に生活に困っているのであれば堂々ともらって構いません。各自治体の担当窓口に申請し、様々な要件をクリアすればもらうことができます。

就業支援その他のバックアップがあることもあるので、生活に困窮したら窓口まで相談に行ってみてください。

3-11.民間企業の特定求職者雇用開発助成金、トライアル雇用制度

母子家庭の母親を雇用すると企業に助成金等が支給される制度です。

こういった制度によって、企業としてはシングルマザーを雇いやすい環境が多少なりとも整えられてきています。

4.シングルマザーの債務整理について

シングルマザーの中には借金を抱えている人もいます。

借金の理由も「前夫の借金を背負わされた」「子育てのため」など、やむを得ない事情があることが多いようです。

借金で生活が苦しくなった場合、債務整理をすることで生活が楽になります。

債務整理には「自己破産」「任意整理」「個人再生」の3つの種類があります。

4-1.自己破産

裁判所を通じて自分の借金をゼロにしてもらう手続きです。

借金がなくなるという意味では最強の債務整理ですが、一定以上の財産がある場合はお金に換えて債権者に弁済しなければなりません。

また、弁護士・司法書士・宅建士などの士業や、旅行業務取扱管理者、警備員、生命保険の募集人などの仕事に制限がかかり、一定期間業務を続けられなくなることがあります。

参考:自己破産の全知識!手続きと費用、破産後の生活まで

4-2.任意整理

債権者と交渉して利息のカットや借金額の減額をしてもらい、残債務を3~5年かけて分割返済する方法です。

弁護士に依頼すれば債権者との交渉は弁護士が行ってくれます。

もっとも多く行われている債務整理の方法です。

参考:はじめての任意整理(完済後のカード作成&住宅ローンの審査について)

4-3.個人再生

裁判所を通じて借金を減額してもらう手続きです。

裁判所に認められれば借金が5分の1程度まで減額されるので、残債務を3~5年かけて分割返済します。

参考:自宅を手放したくない!個人再生の必要書類と手続きの流れ

4-4.債務整理をするときは弁護士に相談!

債務整理をする場合は自分の判断で行わず、前もって弁護士に相談してください。

自己破産・個人再生・任意整理の中でどれを実行すればいいのかなどを教えてもらえますし、その後の手続きもサポートしてくれます。

また、事務所によっては女性専用の債務整理相談窓口が用意されています。近くにそういった事務所がある場合はぜひ利用してみてください。

参考:債務整理を依頼すべき弁護士の選び方

5.債務整理の注意点

債務整理をすることで生活は楽になりますが、債務整理にはデメリットも存在します。

どのようなデメリットがあるか、主なものをご紹介していきます。

5-1.ローンが組めなくなる

父子家庭の66.8%は持ち家で暮らしています。しかしシングルマザーの持ち家率は3割を切っており、多くが民間の賃貸住宅または公営住宅で暮らしています。

もし将来家を買えるような経済状態になり、住宅ローンを利用して家を購入しようとしても、債務整理を行ってから5年程度はローンの審査を通りません。

住宅ローンだけでなく、子供の送り迎えをするために自動車を買う場合も同じようにローンを利用できません。さらに言えば、子どもための教育ローンも使うことができません。

債務整理をしてローンが使えなくなることで、生活に不便が生じるおそれがあるのです。

5-2.クレジットカードを作れない

債務整理をしてから5年程度は、クレジットカードを作ろうとしても審査に落ちるようになります。

クレジットカードを使えないとネット通販の利用その他で不便を生じます。

利用すると同時に口座残高が減るデビットカードであれば利用できるので、そういったものを使うことである程度不便を解消できます。

5-3.奨学金制度の連帯保証人になれない

奨学金は学生本人が借りるお金ですが、お金を借りる際には連帯保証人が必要になります。債務整理をしてから5年程度は連帯保証人になることができないので、子供が奨学金を利用するときの保証人になれなくなります。

親が連帯保証人になれない場合は親族に依頼することが一般的ですが、近年は連帯保証人がいらない「機関保証制度」の利用も普及しています。

機関保証制度とは、奨学金の借り主が返済を滞納した場合に保証機関が代理で返済する制度です。その後は保証機関から奨学金の借り主に返済の督促が来るようになります。

奨学金から一定額が毎月保証機関への保証料として差し引かれることがデメリットです。

まとめ

シングルマザーの貧困率は高く、中には借金で苦しんでいる人もいます。

借金がある場合は債務整理をすれば生活が楽になることが多いので、借金問題に詳しい弁護士に相談してみましょう。生活を改善する最良の方法を教えてくれます。

ただし、債務整理にはデメリットもあるので、弁護士とよく話し合い、内容をしっかり理解してからどうするかを決めるようにしてください。

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