自己破産すると出来ない仕事はある?職業制限と仕事への影響
自己破産手続き中(破産手続開始決定から免責許可決定の確定まで)は特定の職業に就けません。この記事では、自己破産と職業…[続きを読む]
この記事では、「彼氏(彼女)が自己破産!結婚の制限と影響とリスク」について解説します。
彼氏(彼女)と結婚の予定があるのに、彼氏が自己破産していたことが発覚した場合や、結婚前でこれから自己破産を考えている場合、結婚自体に自己破産がどのような影響があるのかは知っておきたいところです。
結論から言うと、自己破産が結婚自体に直接影響することはありません。ただし、結婚相手が自己破産をすると間接的に影響を受けることはあります。
目次
彼氏が自己破産をする予定という場合「このまま結婚しても大丈夫?」と不安になる方は多いでしょう。
結論から言うと、自己破産が結婚を禁止・制限することはありません。自己破産前でも後でも自由に結婚できます。
自己破産=「悪いこと」というイメージを持つ方もいますが、実際は異なります。
自己破産は借金で困窮した人を救うための手続きで、経済的更生を図ることができるので、寧ろ借金を放置するよりもプラスに考えるべきでしょう。
借金を放置したまま結婚するよりは、きちんと整理した上で結婚するという方が好ましいのではないでしょうか。
もっとも、「いつ結婚するのか」という点についてはきちんと2人で話し合うべきです。
自己破産をすると、一時的ですが相手の資力は今以上に落ちることもあります。
結婚資金なども必要になると思いますので、計画的に結婚を進めていく必要はあるでしょう。
このように、自己破産の手続きが結婚を制限することはありません。
結婚資金の関係から、時期を遅らせたり、早めたりなどする必要はあるかもしれませんが、これは個々のカップルが話し合って決めるべきことです。
では、恋人がこれから自己破産をするという場合、あるいは配偶者が自己破産をしたという場合、具体的に結婚後の生活にどのような影響があるのかを確認しておきましょう。
自己破産をする場合は、生活に最低限必要な現金・預貯金以外の高価な財産が処分されてしまいます。
例えば、99万円以上の現金、総額20万円以上の預貯金、マイホームや査定額20万円以上の車などの資産が対象となります。
つまり、結婚資金等のために貯金をしていた場合でも、20万円を上回る貯金は処分され、債権者に分配されてしまうのです。
とはいえ、99万円に満たない現金や生活必需品は手元に残すことができるので、一文無しになるということはありません。
しかし、結婚資金などが足りずに問題なるケースはあるかもしれません。
以下のような職業(※一例)には、自己破産手続き期間中のみ就くことはできません(資格制限・職業制限)。
弁護士、公認会計士、税理士、司法書士、公安委員会委員、公正取引委員会委員、宅地建物取引業者、証券会社の外交員、商品取引所会員、貸金業者、警備員、質屋、生命保険募集員、損害保険代理店、信用金庫等の会員、役員、一般労働派遣事業者とその役員、日本銀行の役員、旅行業者
一定期間職業に従事できなくなってしまうため、その期間中は他の職を見つける必要があるでしょう。
この結果、家計に悪影響が及ぶ可能性があります。
自己破産をしたという情報は、信用情報機関に「事故情報」として登録されます。
これがいわゆる「ブラックリスト」の状態です。
この結果として、今持っているクレジットカードは利用できなくなります。新規のカード申し込みもできません。
また、家や車などのローンの審査も同様に落ちてしますでしょう。
これは、カードやローンの申請を受けた業者が信用情報機関に申込者の情報を照会する際、「過去に自己破産をした」という事故情報を確認することで審査を落としてしまうからです。
つまり、自己破産をしたことにより経済的な信用がなくなってしまうのです。
手続き後、5-7年の期間はクレジットカードが持てない、ローンが組めない状態になります(もっとも、5-7年経てば、ブラックリストからは削除されます)。
マイホームやマイカー、そして子どものためのローンは配偶者の名義で組むことになるでしょう。
子どもができた場合、自己破産の影響はあるのか気になる方も多いでしょう。
先にお話しした通り、本人以外に直接的な影響が出ることはありません。
これは子どもでも同じです。
ただし、間接的な影響が出ることはあります。
子どもが生まれてから教育ローンを組むという人も多いです。しかし、これにも信用審査が必要となるため、自己破産者の方はブラックリストから外れるまでローンを組むことができません。
子どもが大きくなれば奨学金を申請することもあるでしょう。このとき、保証人が要求されることがあります。
この点、自己破産者の場合は奨学金の保証人になれません(もっとも、最近では機関保証制度をとる人も多いです)。
既に結婚して子どもがいるという場合で学資保険があるというケースも想定できますが、この場合、20万円を超える解約返納金がある場合は、解約しなければいけない可能性が高いです(財産処分の一環)。
自己破産をしても結婚を制約することはありません。理由は、自己破産で影響を受けるのは、「お金を借りた人」「お金を貸した人」「保証人」ですので、結婚すること自体に制約はありません。
自己破産した理由を結婚前にきちんと話をするべきです。
借金の理由が一時的な生活苦から来たものだった場合や、会社の事業資金のためだったという場合には、浪費の心配がないため婚約者としては安心できます。
他方、ギャンブルや浪費癖により借金を作ってしまった場合には、結婚後の生活も心配です。借金癖がある場合には結婚前に解決しておいた方が良いでしょう。
問題がある場合には2人で話し合って、お金の管理を妻に任せるなど、具体的な話まで踏み込んでおくのが好ましいといえます。
もし、「彼氏が借金で悩んでいる」「これから彼氏が自己破産をする」という場合は、弁護士に相談してから判断するように伝えてあげてください。
場合によっては、自己破産以外の選択肢(個人再生・任意整理)が適切なケースもあります。
借金を抱えている場合、ストレスが大きく自分では正常な判断ができないこともあります。
傍にいるパートナーがサポートすることによって、手続きもスムーズに進めることができます。
お悩みがある方は、債務整理に強い弁護士にご相談ください。