勤めていた会社が突然倒産したら未払いの給料はどうなるの?

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「ある日、いつも通りに出勤したら、会社の玄関に倒産報告の張り紙があり、建物にすら入れない……」
このようなことは、現実にも起り得ます。勤めていた会社が突然倒産したとしたら、あなたならどうしますか?

東京商工リサーチによると、2018年の年間倒産件数は8,235件です。前年比は僅かに減少していますが、単純計算で1ヶ月に650件以上の企業が倒産していることになります。

会社が倒産したら、経営者は破産、社員は解雇されます。
従業員の立場としては、今後の身の振り方も気がかりですが、一番の心配は未払い賃金の行方でしょう。そのまま踏み倒されて泣き寝入り、ということになったら一大事です。

今回は、会社が倒産したときの未払い賃金の取り扱いについて詳しく解説します。併せて、次の仕事が決まるまでの手当についてと、倒産にまつわる経営陣の責任についても言及します。
いずれも重要な情報なので、平社員から社長さんまで必見の内容です。

1.会社倒産で未払い賃金はどうなるか

未払い賃金の話をする前知識として、まず、倒産について少し解説します。

会社が倒産したと聞けば、「経営が破たんして潰れる」というイメージを持つ人が多いと思いますが、それだけが正解ではありません。
「倒産」は正式な法律用語ではなく、企業が支払い不能に陥り経済活動が続けられなくなった状態を広く表している言葉です。

「倒産」の手続きは二通りあります。事業を停止して会社を清算する「破産型」と、その後も事業を継続する「再生型」です。
一般的な倒産のイメージは前者の破産型ですが、倒産後に再び事業を行う再生型の企業もあるのです。

そのため、一口に倒産と言っても、未払い賃金はいずれの手続きをとるかで取り扱いが異なります。

しかし、現実的には、倒産する企業の大半が「破産型」と言われています。

1-1.企業が「破産型」で倒産する場合

会社が破産すると、残りの財産が債権者に分配されます。基本的には平等に弁済されますが、完全に公平に配分される訳ではありません。

債権には大きく分けて「財団債権」と「破産債権」があり、財団債権のほうが優先的に支払わなくてはならないと決められています。
未払い賃金のうち、給料と退職金は「財団債権」として認められています。

給料の支払い

よって、破産手続きが行われると、給料は優先的に支払われます。
更に詳しく言うと、破産手続開始前3ヶ月分の給料が財団債権とされ、配当手続きによらず優先的に随時破産管財人から支払いを受けることができます。

それ以前の給料については「破産債権」の中の「優先的破産債権」とされ、財団債権の次に優先して支払われることになります。

退職金の支払い

会社の倒産後は、退職金も優先的に支払われます
退職前3ヶ月の給料相当額については、財団債権として、配当手続きによらず優先的に随時支払いを受けられます。

 

しかし、給料や退職金が優先的に支払われるのは、いずれも会社に財産があるときの話です。会社の財産を全てお金に変えても足りないときは、全額受け取れないこともあります。
さらに、会社の財産から破産手続の費用を差し引いたときに、残額がなければ支払われない可能性もあります。

また、期間についても注意が必要です。3ヶ月前というタイミングは、裁判所から「破産手続開始決定」が出されたときからで、社員が解雇された日から3ヶ月前ということではありません。

そのため、未払い賃金を請求するには、今現在の会社がどのような状態かを知る必要があります。もし状況が分からないときには、会社の破産申立代理人である弁護士に状況を問い合わせてみましょう。

1-2.企業が「再生型」で倒産する場合

会社が倒産しても、破産せずに「民事再生」をして、その後も事業を継続することがあります。これが「再生型」の手続きです。
民事再生手続きの場合は、従業員は全員解雇とはならず、一定範囲の雇用は守られるのが特徴です。

民事再生の際の未払い賃金を巡っては、手続き前後に退職した人が要注意です。というのも、民事再生手続き決定前の未払い賃金は、「一般優先債権」とされるからです。

一般優先債権は、再生計画案によらずに随時弁済を求めることができるので、会社に対して任意で未払い賃金の全額支払いを要求できます。
しかし、倒産企業は資金繰りに苦労をしているため、要求しても「分割払いにして欲しいなど」、支払い猶予を求めてくるケースがあります。

こういった場合の対処は難しいので、弁護士など専門家に相談しながら今後の対応を決めることをおすすめします。

2.未払い賃金が貰えないときの救済制度

以上のように、原則として倒産後でも未払い賃金は支払われますが、会社に支払うだけの財産がないときは全額貰えないこともあります。
また、未払い賃金の確保の後は、身の振り方を考えなくてはなりません。民事再生手続きにより雇用が継続されれば話は別ですが、 解雇されれば次の仕事が決まるまでの収入確保が課題となります。

そんな万が一のときに備えて、以下のような救済制度が用意されています。

2-1.未払賃金立替払制度

会社が倒産した後、未払い賃金を支払ってくれなかったとき、労働者に対してその一部を政府が立替払いしてくれる「未払賃金立替払制度」があります。
実施しているのは「独立行政法人・労働者健康福祉機構」で、支払いの対象は定期賃金(毎月の給料)と退職金です。ボーナスや解雇予告手当については対象外とされています。

立替払いは、未払い賃金の8割とされ、支払い金額は退職時の年齢によって上限が設けられています。
上限を超え、支払われない部分については、可能であれば会社の破産手続の中で支払われます。

立替払い制度の適用は法律で細かく決まっており、要件に当てはまらないときには制度の適用を受けられないこともあります。その場合も、一度専門家に相談することをおすすめします。

2-2.失業保険(ハローワーク)

会社で雇用保険に入っていた人は、解雇後は失業保険を受給することができます。
手続きはハローワークで行われ、所定の手続きを終えると失業手当が振り込まれます。

失業保険の受給方法は一律ではなく、会社都合による解雇の場合は支給時期の優遇措置があります。

会社倒産の場合は支給が早い

倒産や解雇など、会社都合で辞めるケースでは、「特定受給資格者」とされ、失業保険の支給が早くなります(過去1年間で6ヶ月以上雇用保険に加入していることが必要です)。

自己都合退職者の場合は、待機期間(ハローワークに離職票の提出および求職の申し込みをした日から起算した7日間)の後、さらに3ヶ月の給付制限期間が設けられています。
一方、特定受給資格者の場合は7日間の待機期間のみとなっており、自己都合退職に比べればずっと早く支給されるのです。
しかし、早いと言ってもハローワークに行った7日後にすぐに振り込まれる訳ではありませんので、ご注意ください。

また、会社都合の退職の場合は、自己都合に比べて受給日数も長くなるので、倒産で解雇された場合は受給期間の面でも有利になります。

失業保険でもらえる金額

失業保険の受給金額は、過去6ヶ月間の給与、年齢、勤続年数、退社理由(自己都合または会社都合)で決まります。
実際の支給金額は過去6ヶ月間の給与の50~80%程度で、給与の低い人ほど支給のパーセンテージが高くなります。また、退社理由で支給金額に差はでません。

【離職票がなければハローワークで相談】
会社を退職してハローワークに行く際には、離職票を持っていく必要があります。しかし、倒産による解雇で、社長が夜逃げをしてしまって行方不明、などというときには、離職票を受け取れないケースもあります。
その場合は、ハローワークで相談をして下さい。会社が倒産した事実と、事業主との連絡がとれないことを確認したあとに、職権で離職票を発行してもらえます。

3.未払い賃金・会社倒産の相談も弁護士へ

勤務先の会社が倒産しても、未払いの給料や退職金については優先的に支払われます。
万が一会社のお金が足りずに未払い賃金がもらえないときでも、「未払賃金立替制度」があるので、賃金の一部は保証されます。

しかし、実際に未払い賃金を手にするまでの手続きは複雑で、条件によってはもらえないこともあるので、その際は専門家に相談することをおすすめします

また、会社が倒産しても雇用保険に加入していれば失業保険がもらえるので、当面の生活費は一部でも確保できます。解雇が決まったら、速やかにハローワークで相談しましょう。

会社の経営側の立場にある人は、倒産について法的責任はないものの、会社の連帯保証人になっている場合は負債の責任を負うことになります。
その際には、一刻も早く弁護士に相談をして下さい。早めに対処をすることで事態の収束も早くなります。

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