親が作った借金……あなたはどうする?子供の対処法を完全解説!

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世の中には、親の借金で苦しんでいる人もいることでしょう。

親が多額の借金を抱えていても、返済できているうちは問題ありません。しかし、いざ親が借金を返せなくなったとき、貸金業者によっては取り立ての矛先を子供に向けることもあります。

果たして、親の借金について子供は責任を負うべきなのでしょうか?
また、親の借金が発覚した後、子供はどのように対処をすれば良いのでしょうか?

1.親の借金は子供の返済義務なし

最初に結論を言えば、子供に親の借金の返済義務はありません。法律的には借金の契約は親と貸金業者の2者間で行われており、例外を除いて子供はお金を返す必要がないのです。

民法上も賃金業法21条1項の7で、債権者が債務者以外の者に弁済を要求することを禁じているので、仮に貸金業者が子供に取り立てを行っていたらそれは法律違反です。

しかし、借金の返済義務はないといっても、子供が親の面倒を見るのは当然という風潮はあります。
確かに、民法上も親子間には扶養義務があり、親が経済的に困っていたら子供は親を助けなくてはなりません。しかし、借金返済についてはその限りではありません。

1-1.借金返済は扶養義務の中に入らない

民法877条1項では「直系血族と兄弟姉妹は互いに扶養する義務がある」と規定しています。また、民法730条には 「直系血族及び同居の親族は互いにたすけ合わなくてはならない」という規定もあります。

扶養とは、自力で生活ができない者に対して経済的に援助をすることです。したがって、もし親が困っていれば子供は自分の生活を脅かさない範囲で経済的に援助する義務があります。

しかし、借金返済と扶養義務は全くの別問題です。親の生活が苦しいときに、子供が生活の援助をする義務はあっても、借金を肩代わりする義務はありません。

実際には生活費と借金返済は同じお財布から支払われるので、家計の中での線引きはあいまいかもしれませんが、法律上はしっかり線引きされています。
繰り返しますが、親から借金の肩代わりを要求されたり、債権者から支払いを督促されたとしても、子供がそれを拒否しても法律上の問題はありません。

ただし、以下で説明する通り、子供が連帯保証人になっている場合はその限りではありません。

1-2.連帯保証人なら返済義務あり

親が借金をする時に子供を連帯保証人にしていたら、親が返済できなくなった時点で子供に返済義務が生じます。この場合には、子供だから返さなければならない、ということではなく、連帯保証人という立場になったことで返済義務が生じるのです。

日本弁護士連合会の2011年の調査によると、他人の借金の連帯保証人になったことが原因で自己破産の申請をした人は破産者全体の25%にのぼると報告されています。
連帯保証人になると債務者と同格に扱われるので、親の返済が滞ると直ちに連帯保証人に支払請求をされるケースもあります。

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親に勝手に保証人にされていた場合

親に勝手に連帯保証人にされていたら、子供に借金返済の義務はありません。
親が勝手に子供を連帯保証人とすることを「無権代理行為」といいます。親であっても、無権代理行為によって子供を連帯保証人にしているときは無効とみなされます。

しかし、子供が借金返済に一度でも応じている場合は別です。借金を1円でも支払ってしまうと、親の無権代理行為を子が追認しているとみなされ、連帯保証人として借金を全額返済する義務が生じる可能性があります。

ただし、債権者が子供を脅したり、だまして借金の取り立てを行っていたときは追認とは認められず、借金返済の義務はなくなります。
自分に断りなく親の連帯保証人にされていることが分かったら、借金返済には一切応じないことがポイントです。

 

次に、「親が生存中の場合」と「親が死亡後の場合」に分けて、親の借金への対処法について解説します。
親の借金の対処法は、発覚したタイミングで大きく異なります。

2.親の生存中に借金が発覚したときの対処法

ある日突然親から電話がかかってきて「借金を返せないからすぐに100万円振り込んでくれ」と言われたら、誰だって驚くでしょう。

一般的に親は、借金をしている事実を子供に隠すことが多いようです。「子供に心配をかけたくない」という親心もあって、カミングアウトしないケースは少なくありません。
そのようにギリギリまで誰にも相談しないことで事態は悪化し、高い利息や遅延損害金が発生して、いよいよ解決できなくなって初めて発覚することが多いのです。

しかし、そこで慌てて親の借金の肩代わりをするのは得策とは言えません。経済的に余裕があれば要求に応じるのもアリですが、借金の肩代わりをして共倒れになるようであれば本末転倒です。

特に、浪費やギャンブルといったことが原因の場合は、また同じことを繰り返す可能性があります。そこで借金を肩代わりすることで、子供も泥沼にはまるリスクが高くなります。
もしそうではなく、事業の借り入れなど致し方ない理由で借金をした場合でも、子供自身が自分の経済力を超えて返済を手伝うのは得策ではありません。親が返済不可能であれば、親に借金を整理させることをおすすめします。

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債務整理の申請が認められれば、借金額を減額または免責してもらうことができます。以後は業者からの督促もなくなり、借金は減るので、お金のことで親子関係がこじれることもなくなるでしょう。

3.親の死亡後に借金が発覚したときの対処法

実は、親の葬儀のあとで借金が発覚するケースは少なくありません。芸能人のカンニング竹山さんは親の死後13億円の借金が発覚したことでも有名です。
親の死亡後に発覚した借金の対処法は、生前のそれとは大きく異なります。ポイントは、遺産相続にあります。

亡くなった方の財産を受け継ぐ人を相続人、亡くなった人を被相続人といいます。被相続人の財産にはプラス財産(株式や不動産)もあれば、マイナス財産(借入金や連帯保証債務)もあります。

相続は、人が亡くなったときに、被相続人と関係のある相続人(法定相続人)が財産を受け継ぐ制度です。法定相続人は配偶者、子供、親、兄弟で、その対象者が亡くなっている場合は、さらに孫、祖父母、甥、姪などが相続人となります。

相続と聞くと財産を貰ってお金持ちになれるイメージがありますが、実はマイナスの財産も相続の対象となります。相続では「一切の権利義務を承継する」と法律で規定されており、借金についても受け継いでしまうのです。

そこで、民法には、被相続人の財産を相続する方法として、以下の3つを規定しています。

3-1.単純承認(すべての財産を相続)

単純承認は、すべての財産を相続することです。「すべての財産」には、借入金などの債務も含まれています。
プラス財産・マイナス財産に関わらず、無条件ですべての財産を引き受けますので、すべての財産を相続した結果、最終的にプラスになるのであれば、選択の余地があるでしょう。

なお、単純承認、限定承認、相続放棄のいずれも選択しない場合は、単純承認したとみなされます。

3-2.限定承認(財産の一部を相続)

限定承認は、相続するプラス財産の範囲でマイナス財産を引き受けることです。

民法922条によると「相続で得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる」と規定されています。
簡単に言えば、相続した財産の範囲で借金の返済をして、その上でプラスの財産が残ればそれについては相続ができる制度です。

例えば、プラス財産が2,000万円でマイナス財産が3,000万円の場合、単純承認してしまいますと1,000万円の負債を背負うことになります。
そこで、限定承認することで、プラス財産の範囲でしか債務を引き受けなくて済みますので、プラス財産2,000万円、マイナス財産2,000万円を相続することになります。

限定承認は、マイナス財産が遺産の中に含まれている場合はもちろん、被相続人の形見などお金に換算できないものが含まれている場合などで利用できます。
また、相続人の中で家業を継ぐ人がいたり、不動産や家宝があったりする場合、また親の財産と負債がいくらあるのか分からないケースでも適用されます。

ただし、限定承認は、相続人全員が承認することが求められます。相続人の中で一人でも反対する者がいれば限定承認は認められず、相続放棄か単純承認をすることになります。
また、清算手続きの手間もあることから、実際の利用件数は高くありません。

【参考】限定承認についてもっと知りたい→
限定承認とは?手続き方法&期限&費用&必要書類を解説
相続弁護士cafe(債務整理弁護士cafe姉妹サイト)

3-3.相続放棄(借金の返済義務なし)

相続放棄は、すべての財産の相続をしないことで、マイナス財産が多い場合などに選択します。

民法939条によると、「相続の放棄をした者は、相続については初めから相続人とならなかったものとみなす」と規定されています。そのため、相続放棄をすれば、親の借金を受け継ぐこともなくなります(債権者への支払いは不要になります)。
ただし、プラスの財産も受け取れなくなるので、親に土地や家などの資産がなく借金だけが残っている場合に適しています。

相続放棄をするには、相続の開始を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きを行います。3ヶ月を経過すると単純承認となり、借金返済の義務も発生するので注意が必要です。
また、相続放棄前に財産を処分してしまっても、単純承認したとみなされてしまいます。債権者への支払いのためであっても、相続財産を処分することがないようにしましょう。

【参考】相続放棄についてもっと知りたい→
相続放棄とは~手続と費用・デメリットなどを解説!
相続弁護士cafe(債務整理弁護士cafe姉妹サイト)

 

このように、被相続人が残した債務は、承認することも放棄することもできます。「相続をしてみたら借金があったのだけど、どうすれば良いか分からない」という方は、今後の資産構成のためにも一度弁護士に相談し、最も効果的な選択をするようにしましょう。

また、故人の借金に過払い金が発生している可能性もあります。相続する借金に過払い金がある場合、単純に相続放棄をしてしまうと本来受け取ることのできる過払い金についても放棄することになってしまいますので、以下の記事をご参照の上、専門家にご相談することをおすすめします。

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4. 借金には時効がある

マイナスの財産が多い時には基本的には相続放棄が主流ですが、相続放棄せずに借金の支払いを免れるケースもあります。それは、親の借金が時効を迎えているときです。

借金の時効が成立するのは、最終返済日の翌日から5年ないし10年経過した時点です(銀行や消費者金融から借りた場合は5年、友人や親族など個人から借りた場合は10年です)。

親の借金についても同様で、もし時効が成立していれば相続人は借金を支払う必要はありません。 ただし、時効の適用に関しては注意点がいくつかありますので、以下の記事を参考にしてください。

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5.親の借金でお悩みの方も弁護士へご相談を

親の借金が発覚した時は誰しもがパニック状態になると思われますが、だからこそ落ち着いて対処することが大切です。
自分自身に余裕がないのに親の借金を肩代わりするのはおすすめできません。まずは状況を整理して、親自身が借金を返す目途が立たないようであれば債務整理してもらいましょう。

また、もし親が死亡した後に借金が発覚した場合は、相続放棄か限定承認をすることで借金返済を免れることができます。さらに、借金が時効を迎えていれば、返済することなく財産の相続ができる可能性があります。

一人で思い悩んでいると、解決が遅れてしまいます。もし今、親の借金で困っていたら、ぜひ弁護士にご相談ください。借金問題は専門家のサポートがあればスピーディーに問題解決をすることも可能です。

また、もし子供や家族に内緒の借金が返済できずに困っているという方がいらっしゃいましたら、以下の記事をぜひご覧ください。

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