個人再生の手続きの流れ|ポイントをわかりやすく解説!
1.個人再生とは 「個人再生」とは、自己破産や任意整理と同じ「債務整理」の一つの手法であり、裁判所を介して行う手続き…
毎月の借金返済に苦しんでいる人が「もうこれ以上は返せない」と言う現実に突き当たったとき、問題解決の方法の1つに「個人再生」という制度があります。
個人再生の手続きを行うと、借金が大幅に減額されるため、その後は個人の収入に合わせて計画的に返済できるようになります。
しかし、中には個人再生手続きの後に、残りの債務を返せなくなる人もいます。
「計画段階では返せるはずだったのに、急な病気や失業で収入が途絶えてしまった」など、長い人生の中では予想外のアクシデントが発生することもあります。
今回の記事では、個人再生手続き後に借金を完済できないケースを取り上げ、その対策について詳しく解説します。
借金問題を法律的に解決することを「債務整理」といいます。
債務整理は全部で4種類あります。「任意整理」「特定調停」「自己破産」、そしてもう1つが「個人再生」です。
個人再生は借金の一部を免除する制度で、借金が大幅に減額されるのが特徴です。金額にもよりますが、借金は概ね5分の1程度まで減らすことができ、その後原則3年(例外的に5年)で完済を目指します。
個人再生は任意整理や特定調停に比べて借金の減額幅が大きいので、多額の借金を抱えた人に向いている制度です。
また、条件が整えば住宅や車は手放さなくても良いので、財産の処分を求められる自己破産に比べて生活への影響は少ないことがメリットです。
個人再生の手続きを行うと借金は減りますが、減った後の残債務については全て返済する義務があります。
したがって、個人再生の手続きを行うには、将来的に継続的な収入があることと、再生計画後はきちんと借金を返済することが条件となります。
しかし、長い人生の中では思わぬアクシデントに見舞われることもあります。
もし、何らかの原因で途中で残債務を払えなくなってしまった場合、どうすれば良いのでしょうか。
個人再生期間中は信用情報機関に登録されているので、借金返済のために業者から新たにお金を借り入ることは困難です(そもそも、一度債務整理をしているのですから、返済中に新たな借金を増やすべきではありません)。
そのため、収入が途絶えた途端に返済に行き詰まるケースも少なくありません。
しかし、払えないからといって延滞を放置しておくと、債権者が再生計画の取り消しの申し立てをする恐れがあります。
債権者の申し立てが裁判所で認められると、再生計画は取り消され、借金の減額は帳消しになります。つまり、折角行った個人再生の手続きが水の泡になってしまうのです。
そうしたことを未然に防ぐためにも、返済が遅れるようなことがあれば、すぐに弁護士・司法書士を通じて債権者に連絡し、事情を説明して支払いを一旦待ってもらうことが大切です。そして、期日が過ぎても支払う意思があることを伝えましょう。
個人再生では、1~2回返済が遅れたからといって、すぐに残額を一括請求されるような状況にはなりません。
また、債権者にとっても再生計画の取り消しは手間がかかるので、すぐに裁判所に取り消しの申立てをするケースは稀です。
そのため、支払いができないことで直ちに困る事態になることは少ないので、債権者や弁護士としっかりコミュニケーションをとって、再開できるのであれば遅れてでも借金の返済を続けましょう。
しかし、当面は返済の目途がたたないという場合には、以下のような策を取る必要があります。
個人再生の途中で借金の返済ができなくなってしまったら、裁判所に「再生計画の変更」の申し立てをすることができます。
再生計画の変更が認められれば、2年を超えない範囲で支払いを延長してもらうことができます。
変更が認められるのは、やむを得ない事情があるときのみです。例えば、サラリーマンの場合は勤務先のリストラによる失業、自営業の場合は取引先の倒産や火災、天災による収入の減少などです。
レジャーやギャンブルでの浪費は、やむを得ない事情にはならないので注意が必要です。
再生計画の変更の申請が認められるかどうかは、業者が同意するかどうかにかかっています。
ちなみに、変更ができるのは返済期間だけで、弁済額の減少はできません。返済計画を改めて作り直す必要があるので、手続き費用は別途かかります。
延長できる期間は最大で2年なので、当初の返済計画が3年であれば5年になります。
また、月々の借金の返済額は延長した期間を含めて計算し直すので、毎月の返済額を大幅に減らすことができます。
再生計画の変更を行っても借金の返済ができない場合には、ハードシップ免責という制度があります。
ハードシップ免責は、以下の条件を満たすと認められ、残りの借金返済が全て免除されます。
このように、ハードシップ免責は条件が厳しく、現実的に適用されるケースはあまり多くありません。
ハードシップ免責は、すでに借金を4分の3以上返済していて、返済計画のほぼ最終段階に差し掛かった時に、やむを得ない事情(病気、リストラなど)で完済できなくなってしまった人への救済措置です。
また、少なくとも自己破産をしたときよりは債権者に多くのお金を返済していることが条件となります。
2-1の再生計画の変更で対応できるのであれば、ハードシップ免責の対象にはなりません。
支払い期間を延長しても返済できず、また、ハードシップ免責も受けられない場合は、最終的に自己破産という選択肢を取ることになります。
実は、債務整理で個人再生を選んだものの、その後支払いができなくなって自己破産を選ぶ人は多いです。
自己破産は債務整理の最終手段で、裁判所で認められれば全ての借金を免除してもらうことができます。裁判所に「破産手続開始申立書」 の申請をして、免責許可が下りれば借金を返す義務がなくなります。
自己破産はメリットもデメリットも大きい制度で、申請は慎重に行う必要があります。
自己破産のメリット
自己破産のデメリット
個人再生後に返済が難しくなった場合、そのまま放置していると再生計画の取り消しの申し立てをされる恐れがあります。
支払いが遅延した時点で、早めに再生計画の変更などの手続きを検討しましょう。
計画見直しには専門的な知識が必要となるので、その際は弁護士・司法書士にご相談ください。
問題が深刻化する前に相談することが、早期解決の鍵となります。
借金返済ができず、滞納・督促でお困りの方は、債務整理に強い弁護士にご相談ください。自己破産、個人再生、任意整理、過払い金請求、法人破産などで、借金問題を解決できる可能性があります。
弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。
債務整理に強い弁護士に相談・依頼することで、厳しい督促が止まり、難しい手続きもサポートしてもらえます。
1人で悩まず、今すぐ債務整理に強い弁護士にご相談ください。
お客様の借金の状況を細かくお伺いした上で、最適な債務整理方法をご提案いたします。
お客様の借金の状況を細かくお伺いした上で、最適な債務整理方法をご提案いたします。
このページを読んでいる方は、こちらの記事もご覧になっています