任意売却の全知識!競売との違いとは?

★ お気に入りに追加

任意売却とは、住宅ローンを組んで住宅を手に入れたものの、ローンの支払いができなくなったか、支払いが今後できそうにない時に行う住宅売却手続きの一種です。

1.任意売却について

1-1.任意売却の概要

住宅ローンの支払いが不可能になった債務者は、返済額に相当するお金を集める必要があります。
しかし、返済が滞った時点で、債務者の主な財産は家や土地しかないことが多いです。返済のためにはローンの残高よりも高値で不動産を売らなければなりません。

そもそも、住宅の売却には住宅ローンの返済が必要です。
住宅ローンを組む際には、金融機関が不動産に抵当権を設定しますが、不動産を売却する際には基本的にその抵当権を解除する必要があるのです。

また、ローンの返済ができない債務者は、固定資産税を滞納している場合があります。固定資産税を滞納している場合、行政が税金回収のための差し押さえを行い、不動産には差し押さえの登記が打たれます。
売却にあたっては、このような差し押さえの登記も外さなければなりません。

これらのハードルを乗り越えてローンを返済するのは非常に難しく、非現実的な手段と言わざるを得ません。

そこで、より現実的な解決を図るため「任意売却」の出番となります。「任意売買」または略して「任売」とも呼ばれることがあります。
任意売却を利用すると、ローンが残っていても抵当権や差しさ押えの登記を外してもらえます。また、不動産の売却価格がローンの残高に届かない場合でも、売却できる可能性があります。

大抵の場合、不動産コンサルタントなどの業者が債権者である金融機関と債務者の間に入って調整を行い、債権者の合意を得て住宅の売却を行います。

1-2.任意売却と競売の違い

債務返済の手段として「競売」という言葉を知っている人も多いと思います。

競売では、債権者が裁判所に願い出て、債務者の土地や住宅を法律に基づいて強制的に売却し、それで得たお金を返済に充当します。
任意売却と違い、競売は裁判所の命令で行われます。法に則って強制的に執行されるため、ある種機械的で融通の利かない側面があります。

関連記事
今更聞けない!借金・住宅ローンの抵当権と競売回避法
借金をしたり住宅ローンを組んだりしたとき、ほぼ必ずといって良いほど不動産に対して抵当権設定の登記をします。 そして、…

一方、任意売却は債務者が自発的かつ任意で行うものなので、債務者に有利となるように多少の融通を効かせることができます。
競売も任意売却も、財産を失うという点では違いがありません。しかし、執行されてしまったら為す術がない競売ではなく、任意売却を選ぶ債務者が多く見られます。

2.任意売却のメリット

2-1.返済が現実的かつ楽になる

任意売却を行うと、競売に比べて、市場価格や相場にかなり近い額で物件の売却ができます。

競売では、多くの場合かなり低額で物件が落札されてしまいます。競売後に多額の債務が残ることが多く、長期に渡って毎月の収入を返済に充てなければならないケースが多く見られます。
一方、任意売却では、売却の結果残債務全額を支払えることがありますし、仮に売却価格が債務額を下回っていても、債権者と交渉を行うことで無理のない範囲で返済する計画を立てることも可能です。

2-2.条件を交渉可能

競売では、物件の落札後は業者などから強制的に立ち退きを求められ、従わない場合は不法占有とされて法的措置を取られることもあります。明渡し時期や引っ越し費用について交渉の余地もありません。

一方、任意売却では債権者との交渉が可能なため、物件を明渡す時期や引っ越し費用の確保などの条件を調整できます。それどころか、引っ越さずに済むケースさえあります。
(例えば、家族や親戚に物件を買ってもらい、物件を貸してもらうことで、引っ越しすることなく同じ家に住み続けることができます。)

2-3.債務者側に費用の負担がない

任意売却では、債務者に何らかの費用が発生することはありません。発生した費用は物件の売却価格から充当されます。

競売の場合、競売の決定から落札まで期間に遅延損害金が発生し、債務残高が増えてしまいます。

2-4.プライバシーの保護が可能

任意売却は、対象物件の売却手続き自体は、一般的の物件を売るときの手続きと同じように行われます。近所の人からすれば、単なる引っ越しや住み替えのように見えるかもしれません。
俗な言い方になりますが、「借金のカタに家土地を取られた」などといった噂が立ちづらくなります。

しかし、競売の場合は、裁判所から執行官等がやってきて物件の調査に入ります。また、落札までの間に不動産業者が頻繁に家や土地を下見にやってきます。
下見に対応する必要はありませんが、周辺を徘徊されるので不快ですし、何よりご近所の目があります。競売にかけられた場合は、プライバシーが侵害され、ご近所付き合いにも悪影響がある可能性があります。

3.任意売却のデメリット

3-1.交渉が必要

任意売却は相手方と交渉が必須ですが、これは交渉の「手間」があるということです。

相手方は基本的に、ローンの返済ができなくなった債務者のことをよく思っておらず、交渉は難航しがちです。交渉自体を業者に任せるのが一般的ですが、それでもなかなか妥協点に至れないこともあります。
交渉が進んでいる間は、今後の行方が気になって仕事が手に付かない人もいます。

交渉内容の確定まで神経をすり減らす日々が続くのが、任意売却の大きなデメリットです。

3-2.時間に限りがある

ローンが焦げ付いたと判断した債権者は、法的な手続きである競売を行って債務を弁済してもらおうと考えます。

競売が裁判所に申し立てられると、手続きは事務的に進んでいきます。
任意売却を行う場合、競売の完了までに交渉を終えて各種手続きを済ませなければなりません。

もし間に合わなければ、強制的に物件が売却されてしまい、相場よりも遥かに低い額のお金しか手に入らなくなります。

3-3.内覧対応

競売の場合は内覧がありませんが、任意売却での物件売却は通常の取引と同じなため、購入希望者には物件の内部を見学してもらう必要が出てきます。
見学者が多い場合は大変ですし、平日を希望する見学者がいれば、場合によっては仕事を休む必要も出てきます。

せっかくの購入希望者なので邪険に扱うこともできず、丁寧な対応を迫られますし、ときには約束した内覧の予定をすっぽかされることもあります。
購入希望者が増えれば増えるほど、ストレスが溜まっていくでしょう。

3-4.業者選びで失敗できない

債務者が個人で任意売却を行うと、ほぼ間違いなくトラブルに見舞われます。トラブルを避けるため、一般的には任意売却に詳しい業者等に手続きを依頼することになります。
しかし業者選びに失敗すると、やはりトラブルが発生します。

「事務手続きはするが、債権者との交渉は債務者が行ってください」というスタイルの業者もいますし、交渉から手続きまで全て行ってくれるけれど肝心の交渉力に難がある場合もあります。対応が遅い業者に依頼した場合は、もたもたしているうちに競売が完了して時間切れになってしまうこともあります。
さらに酷い業者になると、必要のない自己破産を薦めてきたり、依頼人はおろか保証人の財産にまで手をつけたりします。

業者を選ぶ際は、ネットで評判などを調べ、実績に定評があるところを選びましょう。
また、任意売却を取り扱っている弁護士に相談してみることもオススメです。

【任意売却とブラックリスト】
任意売却をすると、いわゆる「ブラックリスト」に登録されて、5~7年はローンを組むことができないと言われることがあります。
しかし、これは実際には「ローンの支払いを一定期間滞納した」時点でブラックリストに登録されるので、任意売却は関係ありません。

Cafeおすすめ! 【東京都・千代田区】債務整理に強い弁護士
弁護士法人 卯月法律事務所
弁護士法人 卯月法律事務所

個人様・法人様を問わず、相当件数の借金問題を解決してまいりました。

個人様・法人様を問わず、相当件数の借金問題を解決してまいりました。

相談者様の生活を第一に考え、弁護士自ら最適な解決方法をご提案しています。費用面の負担も少なく設定しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
お電話でのお問い合わせはこちら
050-5267-6550
[電話受付] 24時間受付
電話で相談する 弁護士詳細情報はこちら 弁護士詳細情報はこちら

4.任意売却するべきケース

では、任意売却を検討すべきなのは、具体的にどのような状況なのでしょうか?
以下に例を列挙しますので、当てはまる場合には弁護士や専門の業者等に相談をしてみましょう。

4-1.住宅ローンを支払えない、支払えなくなりそう

住宅ローンを組むときは誰もが返済計画を立てますが、計画外の事情でローンの支払いを滞納してしまうことがあります。
今後の返済の見込みもつかない状態であれば、任意売却を検討しましょう。

失業・病気・怪我・離婚・相続等の事情で住宅ローンを支払えなくなりそうな場合でも、早めに手を売っておくことで、いざという時にスムーズに任意売却の手続きに移ることができます。

4-2.ローンの一括返済を求められている

住宅ローンの返済が滞ると、金融機関から残債務の一括返済を求められることがあります。

一括返済が可能なケースはまずありません。破産や競売または任意売却を検討することになりますが、破産や競売はデメリットが大きいです。そのため、まず最初に検討すべきは任意売却となります。

4-3.競売の手続きが始まった

金融機関が競売の手続きを行うと、裁判所から「担保不動産競売開始決定通知書」が郵送されてきます。
前述のように、競売にはデメリットが多くあります。裁判所から通知が届いたら、早急に任意売却を検討するべきでしょう。

5.任意売却が不可能なケース

競売を避けて任意売却を実行したくても、以下の場合は任意売却そのものができません。
特に、ローンを滞納すると強制的に競売となることがあるので注意が必要です。

5-1.債権者の同意がない

債権者である金融機関によっては、内規などの関係で任意売却に同意しないところがあります。

任意売却を認めている金融機関でも、ローン滞納の理由や経緯に問題があったり、債務者の態度が悪かったりすると、同意してくれないことがあります。

5-2.保証人が同意しない

任意売却にあたり、ローンの対象の物件に連帯保証人等がいる場合は、保証人からも同意を得なければなりません

保証人と連絡が取れない、または行方がわからない場合でも「同意がない」とみなされます

5-3.購入希望者がいない、売却条件が合わない

任意売却は競売に比べて高額で物件を売却できますが、買い手がいなければ売却そのものが不可能です。

また、購入希望者が見つかっても売却価格があまりにも低いと、債権者が任意売却に同意しない可能性があります。

5-4.ローンの返済が可能

単に「ローンは残っているけれど、新しい家が欲しいから現在の家をできるだけ高く売りたい」だけでは任意売却が認められません。
ローンの支払いができない状態でなければ、任意売却を行うことはできません。

任意売却で家を売るために敢えて数ヶ月間ローンの支払いを滞納する人もいますが、上記のようなリスクがあるのであまりお勧めはできません。

6.任意売却後に債務が残った場合は弁護士に相談を(債務整理)

任意売却を行うと、物件は競売よりも高く売れますが、それでもローン支払額に届かない場合が大半です。
金融機関側は、このような残債務についても支払い請求を行います。

こういった場合、返済計画を立てて残債務を分割し、毎月の収入から少しずつ数年かけて返済を行うのが一般的です。
任意売却を自己破産などと混同している人がいますが、任意売却行ったからといって債務がなくなるわけではありませんのでご注意ください。

任意売却後の残務を支払えないという場合は、債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)を検討することになります。
これらの借金問題の解決も、弁護士・司法書士などの専門家にご相談することがおすすめです。特に、任意売却も取り扱っている弁護士事務所がありますので、まずはお早めにご相談ください。

債務整理に強い弁護士が無料相談いたします

借金返済ができず、滞納・督促でお困りの方は、債務整理に強い弁護士にご相談ください。自己破産、個人再生、任意整理、過払い金請求、法人破産などで、借金問題を解決できる可能性があります。

弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

  1. 毎月の借金の返済が苦しい/借金が一向に減らない
  2. 債務整理したいが自宅だけは手放したくない
  3. 連日の督促・取り立てで精神的につらい
  4. 会社が倒産したので破産処理をしたい

債務整理に強い弁護士に相談・依頼することで、厳しい督促が止まり、難しい手続きもサポートしてもらえます。

1人で悩まず、今すぐ債務整理に強い弁護士にご相談ください。

都道府県から債務整理に強い弁護士を探す

Cafeおすすめ! 【全国対応】債務整理に強い弁護士
弁護士法人イストワール法律事務所
弁護士法人イストワール法律事務所
弁護士法人イストワール法律事務所 弁護士法人イストワール法律事務所
 現在営業中(本日9:00~21:00) ]
 現在営業中(本日9:00~21:00) ]

お客様の借金の状況を細かくお伺いした上で、最適な債務整理方法をご提案いたします。

お客様の借金の状況を細かくお伺いした上で、最適な債務整理方法をご提案いたします。

借金に関する悩み事は、家族にすら話しにくくて一人で抱え込んでおられる方もいるかと思います。そんな方の借金問題を最適な方法で解決して、人生を再出発できるようしっかりとサポートいたします。
お電話でのお問い合わせはこちら
050-5267-6263
[電話受付]毎日 9:00~21:00
電話で相談する 弁護士詳細情報はこちら 弁護士詳細情報はこちら
この記事が役に立ったらシェアしてください!