故人が過払いをしていた!相続人が過払い金を取り戻せる?

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相続した債務の過払金

「亡くなった親族が多額の借金を残していたけれど、どうやら過払い金の請求ができるらしい…」

単純に借金だけが残るというような相続であれば「相続放棄」してしまうことも選択肢として考えられますが、相続する借金に過払い金がある場合、単純に相続放棄をしてしまうと本来受け取ることのできる過払い金についても放棄することになってしまいます。

相続がからむ過払い金返還請求の場合は、通常の過払い金返還請求よりも手続きが複雑になりますから、慎重に手続きを進めていかないと思わぬ不利益を被ってしまう可能性もあります。
また、過払い金の請求については法律についての知識や経験が必要になりますので、司法書士や弁護士などの専門家に相談することが適切です。

実際に手続きを行う際には専門家に相談することを前提に、ここでは、故人の過払い金返還請求について、相談前に知っておくべき基本的な法律知識について解説します。

1.被相続人が残していた大量の債務に過払い金が!

過払い金とは、貸金業者(消費者金融など)に対して利息を払いすぎたため、返してもらえるお金のことです。

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「過払い金」とは、簡単に言うと、消費者金融などの貸金業者に対して「利息を払いすぎたため、返してもらえるお金」のことで…

亡くなった方の借金に過払い金があるかどうかは、相続人となる人が単独で確認可能です。

具体的には、亡くなった方がお金を借りていた貸金業者(債権者)に対して、相続人として取引履歴(いつ、いくらのお金を借りて、どれだけ返済しているのかという過去の履歴)の開示請求を行うことになります。
貸金業者に対して取引履歴の開示を請求し、利息の引き直し計算をすることで、過払い金の具体的な金額を明らかにすることができます。

開示請求は自力で行うことが可能ですが、貸金業者の中にはスムーズに開示請求に応じてくれない業者も少なからずいます。このような場合を想定し、弁護士や司法書士などの専門家に手続きを依頼するのが適切です。

また、利息の引き直し計算についても専門知識が必要となるため、無理せず専門家に依頼しましょう。

1-1.亡くなった方が高齢の場合

亡くなった方が高齢の場合、貸金業者と取引をしていた期間が長いことも珍しくない他、過払い金の存在そのものについて認識していないというケースも少なくありません。
そのような場合には多額の過払い金が発生している可能性がありますから、過払い金の有無の確認は重要であると言えます。

また、1990年代以前の古い取引については貸金業者の側で取引の履歴を保存していないケースもあります。
その場合には取得できる断片的な資料から取引全体の履歴を合理的に推測するという作業が必要になります。

もちろん、実際にはありえないような取引の履歴をもとに返還請求をしても、貸金業者がその請求に応じることはありませんから、法律的な知識と経験が必要になります。
この点は法律家の中でも過払い金返還請求についての実績が多くあるところでないとうまく対応できないケースもありますから、過払い金返還請求の依頼をする場合には実績のある法律事務所を選択することが重要です。

1-2.消滅時効

また、過払い金返還請求については消滅時効にも注意しておく必要があります。
過払い金は請求しないまま10年間が経過すると時効にかかって権利が消滅してしまいます。

多額の借金を負ってしまっていた人の場合、借金を管理しきれなくなってしまい、長期間にわたって過払い金のある借金を放置してしまっていたということも珍しくありません。
故人が長期間にわたって借金を放置していたなどの状況がある場合には、早急に過払い金の有無の確認をしておくことをおすすめします。

2.債務者本人でなくても過払い金は戻ってくる?

亡くなった方が資産や負債を残していた場合、相続人となる親族の人がそれらを引き継ぐことになります。
過払い金は金融機関等に対して未請求となっている資産と考えることができますから、相続人となる人が過払い金返還請求をすることは可能です。

ただし、相続人として過払い金返還請求をする場合には以下のようなことに注意しておく必要があります。

2-1.相続人として請求する場合の注意点

相続人として過払い金返還請求を行う場合には、自分の借金について過払い金を請求する場合と以下のような違いがあります。

複数の相続人がいる場合

まず、複数の相続人がいる場合には、それぞれの相続人が分割して財産を相続することになるという点に注意しておきましょう。
過払い金についても分割して相続することになりますので、それぞれの相続人は自分の相続する部分についてのみ返還請求を行うことができるというのが原則です。

例えば、400万円の過払い金があるというような場合に、相続人として妻と子供2人がいるというようなケースであれば、妻が2分の1、子供がそれぞれ4分の1を相続することになりますので、妻が単独で過払い金返還請求できるのは200万円までとなるのが原則となります。

ただし、1人の相続人が他の相続人から債権の譲渡を受けたような場合や、遺産分割によって過払い金については単独相続となったような場合には、相続人の1人が全額の過払い金について返還請求できる可能性があります(後述)。

過払い金返還請求をすると相続を承認したことになる

相続人が相続する見込みの借金について過払い金返還請求を行うと、相続を単純承認したことになってしまいますので注意が必要です。

過払い金返還請求を行うことで受け取れる相続財産が多くなる可能性はありますが、万が一過払い金返還請求がうまくいかない場合には借金だけが残ってしまう可能性もあります。
また、相続する財産が借金だけで過払い金回収の見込みもない…という場合、相続放棄をすることで借金の負担からまぬがれるという選択肢もあります。

いずれにしても、どのぐらいの過払い金が戻ってくる可能性があるのかがはっきりしない以上は、相続放棄をするべきか、借金を相続した上で過払い金返還請求を行うべきかの判断はできません。
自己判断せずに専門家にアドバイスを受けましょう。

相続をした人の借金とは区別する必要あり

亡くなった方の借金と、相続人となる人の借金とは分けて過払い金返還請求を行うことも大切です。

相続人となる人も亡くなった方と同じ貸金業者からお金を借りているという場合、相続財産についての過払い金返還請求であることを明確にした上で過払い金返還請求を行う必要があります。
もし、この点を明示せずに過払い金返還請求を行った場合、相続人となる人が自分の借金について過払い金返還請求をした扱いになってしまい、結果として相続財産についての過払い金はそのままで、債務整理の履歴が残る可能性があります。

債務整理をした履歴が残ると、いわゆるブラックリストに登録されてしまいますので、金融機関から新規の借り入れをすることが非常に難しくなってしまいます(ただし、過払い金返還請求をした結果、借金の残高がゼロとなればブラックリストに登録されません)。

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今後、住宅ローンや教育ローンなどを利用することを検討している方の場合は、債務整理の履歴が残らない形で過払い金返還請求を行う必要があります。

3.どのような手続きをすればいい?

相続人となる人が過払い金返還請求を行う場合、①自分が相続する部分のみについて請求するケース、②相続人全員が合同で請求するケース、③相続人の中の1人が他の相続人から債権を場としてもらって請求するケース、の3つの請求の仕方が考えられます。

それぞれの請求の仕方に長所や短所があり、手続きの仕方も異なりますので注意しましょう。

3-1.戸籍の取得と取引履歴の開示からスタート

上の①〜③のいずれのケースでも、故人の戸籍と、相続人となる人と故人との関係を証明する戸籍を取得する必要があります。
取引履歴の開示請求の段階であれば相続人となる人の戸籍取得だけで問題ありません。後に相続人の範囲を確定する段階になると、親族の戸籍や被相続人(亡くなった方)の出生〜死亡までの履歴がわかる戸籍が必要になります。

法律事務所事務所に相談に行く場合、相続人の戸籍を取得した上で行くとスムーズです。

3-2.①自分が相続する部分のみについて請求する

自分が相続する部分のみについて過払い金返還請求を行う場合には、各相続人が単独で過払い金返還請求の手続きを行うことができます。

複数の相続人間で意思の疎通が取りにくい場合などにはこの方法によることも考えられますが、時効の中断が他の相続人の相続分については及ばないことや、解決までに長い時間がかかってしまう(一回的な解決ができない)というデメリットがあります。

基本的には各相続人が合同で手続きを行う(②)か、相続人の中の1人が代表して手続きを行う(③)方がスムーズに解決に至る可能性が高いと言えます。

3-3.②相続人全員が合同で請求する

複数の相続人が合同で過払い金返還請求を行う場合、一度で手続きを完了することができるため全体で見ると労力を節約できるというメリットがあります。
ただし、相続人全員が協力して連絡を取り合う必要があるほか、戸籍の取得などは各自が迅速に進めていかないとなかなか手続きが前に進みません。

結果として返還請求に成功した過払い金についても相続人間で清算を行う必要がありますので、取り分を巡ってトラブルとならないように注意しておかなければなりません。

3-4.③1人が他の相続人から債権を譲渡してもらって請求する

相続人の中の1人が、他の相続人から相続財産を譲渡してもらうことができれば、1人の相続人が単独で過払い金返還請求の手続きを行うことができます。
この場合、一度の手続きで全額の過払い金を請求することができますし、用意する資料についても最小限にできるというメリットがあります。

ただし、返還された過払い金については各相続人間で清算が必要になるのは合同で返還請求する場合と同様ですし、債権譲渡の段階で調整が必要になることには注意が必要です。

4.過払い金と相続放棄について

相続は、プラス資産だけではなく、借金などの負債についても行われます。
相続できるのが借金だけという場合には、相続放棄をすれば故人の借金を引き継ぐ必要は無くなりますが、相続の対象となる借金が多額の場合、きちんと確認をすれば意外に多くの過払い金(財産)が残されているというケースも少なくありません。
このため、何も考えずに相続放棄することは危険です。

過払い金は返還請求することで貸金業者等からお金を返してもらうことができますから、一種の資産ということができます。
例えば、借金が合計300万円残されていたけれど、調べてみると500万円の過払い金が発生していたというような場合であれば、200万円の資産を放棄したのと同じことになってしまいます。

過払い金は故人の資産ですので、相続人となる人が引き継ぐべき財産です。
相続財産は借金しか残っていない…」というような状況でも、そのまま単純に相続放棄をしてしまうと、せっかく受け取ることのできるお金を捨ててしまう結果になる可能性があります。念のため、弁護士・司法書士等の専門家に相談してみてください。

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