長崎県は、九州の西北部に位置しており、人口は約1,341,300人で(2018年4月現在)、全国で29番目に人口の多い都道府県です。
県の東部は佐賀県と接していますが、周囲のほとんどが海に囲まれています。 そのため、真珠やタイなどの養殖漁業が盛んです。 また、温暖で雨量が多い気候はみかんやびわなどの柑橘類の栽培に適しています。
そして長崎県と言えば、日本の歴史において、海外との交流を行う際の重要な拠点となっていたことで知られています。 出島は、鎖国時代も西欧に開かれていたのは有名な話ですね。 そのため、ハウステンボスやグラバー園、大浦天主堂などをはじめ、海外の文化の影響を受けた観光スポットが多いのが特徴です。 長崎県の名物であるカステラも、ポルトガルから伝わったものです。
今回はそんな長崎県の借金問題の特徴や貯蓄の傾向について見ていきたいと思います。
長崎県の世帯数ランキングとその内訳
長崎県の世帯数は、全国第27位と、人口の多さのランキングを僅かに上回っているものの、ほぼ同等であるため、人口の多さと世帯数の多さが比例している都道府県であると言ってよいでしょう。
しかし、持ち家率ランキングは、全国第46位、つまり全国ワースト2位という結果となっており、マイホームを持つのが困難な都道府県であると考えられます。
その理由の一つとして、まず第一に、長崎県の年間収入ランキングが全国第43位と非常に低い水準であることが挙げられるでしょう。 年収が少なければ、マイホーム資金へと回すお金はなかなか捻出できません。
また、長崎県は、坂道の多い都道府県として知られています。 そのため、マイホームを建てるのに適した平らな土地は地価が高く、そのことも、長崎県の持ち家率が低い原因であると推測されます。 年収が少なく、住宅に適した土地の地価が高い長崎県では、マイホームを持ちたくても持てない世帯も多いといいます。 そして、近年、特に若い世代の間で持ち家志向が低下しており、賃貸でも十分と考える人が増加していることも、長崎県の持ち家率が低い原因の一つなのではないでしょうか。
長崎県の1世帯あたりの負債現在高
次に、長崎県の1世帯あたりの負債現在高、つまり借金がどのくらいあるのかについて見ていきましょう。
長崎県の1世帯あたりの負債現在高は、全国第47位であり、なんと全国で一番負債の少ない都道府県なのです。 1世帯あたりの住宅・土地のための負債は全国第47位という結果であり、やはり、持ち家率の低さがこの順位に大きく関係しているものと推測されます。
1世帯あたりの住宅・土地以外の負債も全国第46位と非常に低い順位を保っています。 住宅・土地以外の負債としては、マイカーローンやカードローン、キャッシングなどによるものが挙げられますが、長崎県は、軽自動車の普及率が高い車社会であるため、その出費の大部分はマイカーローンが占めていると考えられます。
だからといって、安心していると、この順位はすぐに他の都道府県に抜かれてしまうことでしょう。 なぜなら、長崎県では、パチンコやスロットにハマってしまい、消費者金融から借金をしてしまう人が年々増加し、問題となっているからです。
パチンコやパチスロでの支出は、今後気をつけていかなければならない住宅・土地以外の負債の一部なのではないでしょうか。 パチンコは、営業時間内であれば毎日でも楽しむことが出来る最も手軽なギャンブルであり、その敷居の低さと、大当たりした時の爽快感や儲けの多さから、夢中になってついお金を注ぎ込んでしまうものです。
しかし、ただでさえ年間収入が多くない長崎県では、パチンコに通いつめていればすぐに生活費は底を尽き、借金をしてしまうことになりかねません。 パチンコ・パチスロをする際は、小額の掛け金で気分転換程度に楽しむようにしましょう。
また、長崎県には、佐世保競輪場、ボートレース大村などの公営競技場もあり、パチンコ・パチスロ以外のギャンブルも身近に存在します。 大金を掛けることが出来るこれらのギャンブルでは、一瞬にして財産を失ってしまうこともあるため、十分に注意しましょう。
一方、1世帯あたりの月払い・年払いの負債は、全国第31位と、上記の2項目に比べると比較的高い順となっています。 月払い・年払いの負債としては、自動車保険の支払い、新聞の購読料、習い事の月謝などが考えられますが、車社会である長崎県では、自動車保険への加入は必要不可欠であり、その支払いがこの項目の大部分を占めていると推測出来ます。
また、長崎県民は、地元に根差し、人と人との交流を重要視した生活を送っているため、習い事をしている人や、長崎県のニュースが多く掲載されている地方紙を購読している人も多く、それが月払い・年払いの出費の多さに繋がっているものと考えられます。
長崎県の1世帯あたりの貯蓄残高について
続いて長崎県の1世帯あたりの貯蓄残高について見ていきましょう。
長崎県の現在残高は、全国第44位とワースト5位以内に入るほど低い順位であり、貯蓄にはあまり力を入れていない都道府県であると言えるかもしれません。
では、貯蓄内容の内訳はどのようになっているのでしょうか。
自由に出し入れ出来る預金である通貨性預貯金の額は全国第45位、毎月決まった額を積み立てていく預金である定期性預貯金の額は全国第42位といずれも低い順位となっています。
有価証券の保有率も、全国第37位と高くなく、投資にも消極的と言えるでしょう。 やはり、年間収入の水準が低ければ、マイホーム資金はもちろん、貯蓄へと回す余裕もなかなかないものと推測されます。
しかし、この貯蓄現在高のデータだけを見て、長崎県民は貯蓄は不得意だと言い切ってしまうのはどうでしょうか? 長崎県は、負債現在高が全国で一番少ないという大変誇らしい都道府県なのです。 限られた収入の中で、借金をせず、ひたむきに暮らしているのが長崎県民であるとも言えるでしょう。
借金問題を解決するには
借金の悩みは、プライベートなことなので他人にはなかなか相談しにくく、一人で抱え込んでしまうことが多いです。 しかし、そうやって悩んでいる間にも日々利息は嵩んでいき、自分の力ではどうしようもないほどの多重債務状態に陥ってしまうことになります。
万一多重債務を抱えることになってしまったとしても、解決する方法は必ずあるので、借金を減らす債務整理の主な方法について知っておきましょう。
まず、借金の額が比較的少ない人に適している「任意整理」という方法があります。 任意整理は、債権者と話し合い、交渉することにより借金の減額を試みる方法で、最も簡単且つ迅速に行うことが出来ます。 しかし、必ずしも相手方が交渉に応じてくれるとも限らず、交渉が難航してしまうことが多いという欠点があります。
次に、マイホームを所有している人にお勧めしたいのが「個人再生」という方法です。 個人再生は、住宅ローン以外の債務を最大5分の1まで減額することが可能であり、マイホームを手放す必要が無いという大きな特徴があります。
また、ギャンブルや浪費での借金でも利用出来る制度です。 しかし、その手続きは大変複雑であり、今後も継続した収入があることや、借金の総額が5000万円を超えないことなどの厳しい条件があります。
最後の手段として考えたいのが「自己破産」という方法です。 自己破産の最大の特徴は、なんといっても債務が全て免除されるということです。 その代わり、マイホームやマイカーをはじめ、一定額以上の財産は全て手放さなくてはならず、ゼロからのスタートということになります。
また、裁判所に破産申し立てをし、破産者となり、免責を受けるという手順を踏まなければならず、時間や手間がかかります。 しかし、借金が全てなくなり、その悩みから解放され、気持ちも新たにやり直すことが出来るというのは、大変大きなメリットなのではないでしょうか。
以上、債務整理の主な3つの方法を簡単に紹介しましたが、どの方法を選択すべきかや、どの方法が適しているのかの判断は自分一人では難しいため、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、アドバイスを受けるのが望ましいでしょう。 専門家であれば、複雑な手続きや難しい交渉ごとも引き受けてくれるため、借金問題の早期解決に繋がります。
長崎県では、以下のような場所で借金や債務整理に関する無料相談を行っているので、借金問題でお悩みの方はまずはお早めに相談だけでもしてみることをお勧めします。
長崎市消費者センター
長崎市築町3-18 メルカつきまち4階
095-829-1234
佐世保市消費生活センター
佐世保市八幡町1-10 佐世保市役所12階
0956-22-2591
諫早市消費生活センター
諫早市高城町5-25 高城会館3階
0957-22-3113
法テラス長崎
長崎市栄町1-25 長崎MSビル2F
050-3383-5515