岩手県は、本州の北東部に位置しており、人口は約1,245,000人で(2018年4月現在)、全国で32番目に人口の多い都道府県です。
北は青森県、西は秋田県、南は宮城県と接しています。 北海道に次いで全国で2番目に広い面積を誇り、その広大な大地の中心を流れる北上川周辺には平野が広がっており、恵まれた自然を活かした農業や畜産業が盛んです。 中でも、前沢牛は特に有名ですね。
また、県の東部にはリアス式海岸の恩恵を受けた漁場が広がり、ワカメなどの海藻類やアワビなどの貝類が良く漁れる他、鮭の水揚高は本州第1位となっています。
観光では、世界文化遺産である中尊寺金色堂や、日本三大鍾乳洞の一つである龍泉洞をはじめ、小岩井農場、厳美渓などの多彩なスポットがあり、毎年大勢の観光客が訪れます。
花巻温泉、つなぎ温泉、大沢温泉などの名湯も多いです。
名物は、わんこそばや盛岡冷麺やじゃじゃ麺などの麺類で、岩手県を訪れた際は是非食べたいものの一つです。
今回は、そんな岩手県の借金問題の特徴や貯蓄の傾向について見ていきたいと思います。
岩手県の世帯数ランキングとその内訳
岩手県の世帯数は、全国第33位と、人口の多さのランキングである32位と僅か1位差であり、人口の多さと世帯数の多さとが比例している都道府県であると言えるでしょう。
一方、持ち家率ランキングは、全国第17位と、平均より上位の方であり、マイホームを所有しやすい都道府県と考えられるのではないでしょうか。
持ち家率が高い都道府県の特徴として、東京、神奈川、埼玉などの首都圏の都市を除けば、年間収入が多いという点が挙げられますが、岩手県の年間収入ランキングは、全国第33位と、低い方とも言えます。
それでは、なぜ年間収入の水準が高くないのに、持ち家率が高いのでしょうか。
その理由としては、まず第一に、岩手県は面積が広く、その割には人口が少ないため、住宅地の地価が安く、土地を安価で買うことが出来るということが考えられます。 マイホームを建てるためには土地が必要ですから、土地を手に入れる敷居が低いというのは重要なことです。
また、近年、特に若者の間で持ち家に対する考え方が変化してきており、「賃貸で十分」と考える人が多くなっていますが、岩手県は、「家を建ててこそ一人前」という昔ながらの考え方が未だに強く、持ち家志向が高いためというのも、理由の一つとして推測できるでしょう。
岩手県の1世帯あたりの負債現在高
次に、岩手県の1世帯あたりの負債現在高、つまり借金がどのくらいあるのかについて見ていきましょう。
岩手県の1世帯あたりの負債現在高は、全国第34位と下位の方であり、負債の少ない都道府県であると言えます。
1世帯あたりの住宅・土地のための負債は、全国第36位と、持ち家率の高さを考えるとかなり低い方の順位であり、このことからも、岩手県ではいかにマイホームを所有しやすいかがわかります。 しかし、1世帯あたりの住宅・土地以外の負債は、全国第25位と、やや高めとなっています。
住宅・土地以外の負債としては、マイカーローンや、カードローン、キャッシングなどが考えられますが、岩手県は、1世帯に一台はもちろん、1世帯に二台以上マイカーを所有している家庭も珍しくないほどの車社会であるため、マイカーローンの支払いに負担がかかるものと推測されます。
また、岩手県では、パチンコやスロットにハマってしまい、消費者金融から借金をしてしまう人が年々増加し、問題となっています。 岩手県には、有名なパチンコ店があり、連日多くの利用客が訪れ賑わいをみせています。
パチンコやパチスロでの支出も、見過ごすことの出来ない岩手県の住宅・土地以外の負債の一部なのではないかと考えられます。
岩手県は、2011年に東日本大震災により大きな被害を受けました。 気持ちが沈み、娯楽もほとんど無くなってしまった中、パチンコ店はいち早く復旧し、県民の暗い気持ちを紛らわせるのに大いに役立ちましたが、震災がきっかけでパチンコをはじめるようになった人も多いといいます。
パチンコは良い気分転換になる反面、やはりギャンブルですので、1回の金額を決めて楽しまなければ、1日で大金を失ってしまい借金をしてしまうことにもなりかねないため、節度を持って楽しみましょう。
また、岩手県には盛岡競馬場と水沢競馬場があり、パチンコ以外のギャンブルも身近に存在します。 競馬は、パチンコ以上に大金を失いやすいため、十分に注意したいものです。
一方、1世帯あたりの月払い・年払いの負債は、全国第8位と高くなっています。
月払い・年払いの負債としては、自動車保険の支払い、新聞の購読料、習い事の月謝などが考えられますが、車社会である岩手県では、自動車保険への加入は必要不可欠であり、その支払いが大部分を占めていると推察出来ます。
また、岩手県民は地元に根差した生活を送っており、岩手県のニュースが多く掲載されている地方紙を購読している家庭が多いこと、そして冬の寒さが厳しく、暖房のための灯油の定期購入をしている家庭が多いことなども、この項目の出費の多さに繋がっているのではないでしょうか。
岩手県の1世帯あたりの貯金残高について
続いて岩手県の1世帯あたりの貯金残高について見ていきましょう。
岩手県の現在残高は、全国第30位と、高い順位とは言えず、貯蓄にはあまり力を入れていない都道府県であると言えるかもしれません。
自由に出し入れ出来る預金である通貨性預貯金の額は全国第35位、毎月決まった額のお金を積み立てていく定期性預貯金の額も全国第32位と低い方の順位です。 有価証券の保有率も全国第30位と、投資にも消極的な姿勢が見られます。
しかし、東日本大震災の影響はいまだに根強く残っており、貯蓄までする余裕はなかなかないという世帯も多いのではないでしょうか。
また、岩手県は、負債現在高も少ない都道府県であることも考えると、岩手県民は貯蓄には力を入れていないのではなく、震災の余波が残る中でも、負債を持たないよう、堅実に生活しているという見方もできるかと思います。 そして、年金型貯蓄の順位は全国第17位と上位の方であり、将来や老後のことを考えた貯蓄には力を入れていることが伺えます。
借金問題を解決するには
借金の返済が苦しい時、やってしまいがちな間違いが、新たに借入をしてそのお金を借金返済に充てることです。 これを繰り返していると、すぐに多重債務に陥ってしまうでしょう。
しかし、万一多重債務を抱えてしまった場合でも、解決する方法は必ずありますので、借金を減らす債務整理の主な3つの方法を学んでおきましょう。
1つめは、「任意整理」という方法で、借金の額が比較的少ない人に適していると言われています。任意整理は、債権者との話し合いにより借金の減額交渉を行いますが、相手方が話し合いや交渉に応じてくれないことも多いです。
しかし、裁判所などを通さず、もっとも手軽に行える方法であるというメリットがあります。
2つ目は「個人再生」という方法で、マイホームを所有している人にお勧めです。 なぜなら、個人再生は、住宅ローン以外の借金を大幅に減額することが出来るため、マイホームを手放す必要がないからです。 せっかく岩手県で手に入れたマイホームは、手放したくないものですよね。
しかし、その手続きは大変複雑で、手間も時間も要します。
また、借金の総額が5000万円を超えず、今後も継続した収入が見込めることなどの条件があります。
3つ目は、耳にしたことがある方も多いと思いますが、「自己破産」という方法です。
自己破産は、簡単に説明すると、借金が全て帳消しになる代わりに、財産も失ってしまう手続きです。 マイホームやマイカーをはじめ、一定以上の財産は全て手放さなければなりません。
また、裁判所に破産申立をし、破産者となり、免責を受けるという手順を踏まなければならず、手続きも大変難しいです。
しかし、借金の悩みから解放され、新しい人生の一歩を踏み出せるという、何物にも変え難い最大のメリットがあります。
このように、借金問題を解決するための債務整理には、主に3つの方法がありますが、どの方法を選択するべきかは、マイホームの有無や借金の額だけでなく、その他の様々なことを考慮して、一番良い方法を慎重に決めるべきであるため、弁護士や司法書士などの専門家に依頼し、アドバイスを受けるのが望ましいでしょう。
専門家のサポートがあれば、交渉ごとも有利に進められますし、煩雑な手続きも代わりに行ってくれるため、借金問題の早期解決に繋がります。
岩手県では、以下のような場所で借金や債務整理に関する無料相談を行っていますので、借金でお悩みの方はまずはお早めに相談だけでもしてみることをお勧めします。
岩手県立県民生活センター
盛岡市中央通3-10-2
019-624-2209
盛岡市消費生活センター
盛岡市肴町2-29
019-624-4111
岩手県警察本部警察安全相談
盛岡市内丸8番10号
019-654-9110
東北財務局盛岡財務事務所
盛岡市内丸7-25
019-622-1637
岩手弁護士会
盛岡市大通一丁目2番1号 岩手県産業会館本館(サンビル)2階
019-651-5095
岩手県司法書士会 (司法書士総合相談センター)
盛岡市本町通2-12-18
019-623-3355
法テラス岩手
盛岡市大通1-2-1 岩手県産業会館本館2F
050-3383-5546