兵庫県は、本州の中西部に位置しており、人口約552万人で(2017年1月現在)、全国第7位という多さです。東は京都府と大阪府、西は鳥取県と岡山県に隣接しており、県の北部は、大阪のベッドタウンとしても機能しています。
1868年の神戸港開港により、西洋の文化がいち早く日本に取り入れられた都道府県でもあり、異人館の町並みなどは異国の雰囲気漂う観光地として有名ですね。その他にも、姫路城や六甲山といった観光スポットや、有馬温泉、城崎温泉といった有名な温泉もあります。
そして兵庫県といえば、なんといっても、宝塚歌劇団でしょう。公演時の宝塚大劇場には、たくさんのファンが訪れ、華やか且つきらびやかなショーを楽しんでいます。
また、近年、「神戸コレクション」という若い女性に人気のファッションショーが毎年開催されるなど、兵庫県はファッションの最先端という1面も持ち合わせています。神戸牛や明石焼きなどのグルメも有名で、食の魅力にも溢れています。今回はそんな兵庫県の借金問題の特徴や貯蓄の傾向について見ていきたいと思います。
兵庫県の世帯数ランキングとその内訳
兵庫県の世帯数は、人口のランキングとはわずかしか違わず、全国第8位となっています。しかし、持ち家率ランキングは、全国第30位と、世帯数の多さに比べてかなり低い順位となっています。通常、世帯数が多ければ、マイホームを持っている世帯も比例して多くなるものです。
それでは、なぜ兵庫県の持ち家率は低いのでしょうか?その理由の一つとして、兵庫県の人口密度の高さが考えられます。兵庫県の人口密度は、全国第8位と非常に高く、人口に対し、土地が不足している状態なのです。マイホームが欲しい人が多いのに、土地の供給が十分でなければ、地価の上昇は避けられません。
また、近年、JR摩耶駅が開業し、駅周辺の交通の利便性が格段に上がったことでも地価が上昇しています。人口密度が原因である地価の高さ、それが持ち家率の低さにつながっていると思われます。
その他に考えられる原因としては、世帯数や人口の多さの割には、1世帯あたりの年間収入のランキングが全国第24位と、さほど高くないことが挙げられるでしょう。人口の多さが全国ベスト10に入るにもかかわらず、1世帯あたりの年間収入の多さはベスト20にも入っていないのです。年収がそれほど高くなく、地価も高いとなると、兵庫県の持ち家率の低さも頷ける結果です。
また、最近では、若者の間で「持ち家志向」が著しく低下しており、家を買って一生住むという考え方から、賃貸でも十分という考えに変化していることも、持ち家率が低い一因となっているのかもしれません。
兵庫県の1世帯あたりの負債現在高
次に、兵庫県の1世帯あたりの負債現在高、つまり借金がどれくらいあるかについて見ていきましょう。兵庫県の1世帯あたりの負債現在高は、全国第14位と、15位以内に入っており、他の都道府県と比べて負債の多い地域と言えます。
その中でも最も多いのが、やはり住宅・土地のための負債で、約332万円で全国第14位です。地価が高いため、マイホームを手に入れることが出来たとしても、そのローンは家計に大きな影響を与えていることが見て取れます。また、兵庫県には、芦屋に代表される高級住宅街が存在するため、高級住宅街に家を構えた富裕層の存在も、住宅・土地のための負債の多さに関係しているのではないでしょうか。
1世帯の住宅・土地以外の負債は全国第22位と、低めに感じますが、全国平均以上の順位です。住宅・土地以外の負債としては、キャッシングやカードローンなどが考えられますが、兵庫県は、前述したようにファッションの街でもあり、被服費にお金をかけるオシャレな県民が多く、カードでショッピングを楽しむ人が多いため、この項目の負債が多いのかもしれません。それに加えて、兵庫県では、パチンコやスロットにハマってしまい、消費者金融から借金をしてしまう人が年々増えており、問題となっているのです。
パチンコやスロットなどは、家計に影響がない範囲で、少額のお金をかけて楽しむぶんにはストレス発散にもなりますが、ギャンブルであるという意識を忘れず、パチスロのための借金などは絶対に行わないように注意しましょう。
また、兵庫県には園田競馬場や姫路競馬場などもあるため、競馬にハマってしまう危険性もあり、ギャンブルの借金には一層の注意が必要です。
一方、月払い・年払いの負債の順位は37位と低くなっています。月払い・年払いの負債として考えられるのは、新聞の購読料などですが、兵庫県はファッション、文化、世界情勢など、その他様々なニュースを得やすい都会性があり、新聞よりも実際の目や耳、そしてインターネットから情報を得ている人が多いため支出が抑えられているものと思われます。
兵庫県の1世帯あたりの貯蓄残高について
続いて兵庫県の1世帯あたりの貯蓄残高について見ていきましょう。兵庫県の現在残高は、全国第15位と、年間収入の割には貯蓄額が多く、貯金に対する志の高さをうかがい知ることが出来ます。
では、貯蓄内容の内訳はどのようになっているのでしょうか。兵庫県は、1世帯あたりの有価証券の保有率が全国第10位で特に多いという傾向があります。高級住宅街があり、富裕層が集まりやすい兵庫県には、投資家やトレーダーの数も多く、彼らの存在が有価証券の保有率の多さに大きく関係していると考えられます。
銀行やゆうちょ銀行などへの長期的な預金である定期性預貯金の額は全国第14位、自由に出し入れ出来る通貨性預貯金の額は全国第18位、年金型貯蓄の額は全国第13位とそれぞれ高順位であり、堅実に貯蓄を増やしながら、投資へも積極的である県民性が伺えます。
借金問題を解決するには
借金の問題は、なかなか人に相談しにくいものなので、1人で悩んでいる方も多いのではないでしょうか?しかし、借金問題は解決することが可能なのです。ここからは、借金問題を解決する債務整理の3つの方法について解説していきたいと思います。
まず一つ目は、「任意整理」です。お金を借りている相手(債権者)と交渉することにより、借金の減額を試みる方法で、最も手続きが簡単です。しかし、相手方との交渉が上手くいくとは限らないというデメリットがあります。また、借金の金額が大きい方には向いていません。
次に「個人再生」という方法があります。個人再生は、住宅ローン以外の借金を減額することが出来るので、マイホームを手放す必要が無いという特徴とメリットがあります。せっかく兵庫県で手に入れた自宅を、借金で手放したくはないものです。ギャンブルや浪費が理由の借金でも大丈夫ですので、マイホームを所有している場合は是非視野に入れておきたい方法です。
そして最後に「自己破産」です。自己破産は、借金が帳消しになりますが、マイホームやマイカーを始めとした一定の財産を手放さなければなりません。借金もない代わりに、財産もない状態になると言えばわかりやすいでしょうか。多大なメリットに比例したデメリットもあるので、最後の手段として考えたい方法です。
このように、借金問題を解決する方法はありますが、どの方法が自分に適しているのかは、単純に借金の額だけで推し量れるものではないので、弁護士や司法書士などの専門家に依頼し、アドバイスを得るのが懸命です。例えば、任意整理は、交渉能力がないと借金の減額をのぞむことはとても難しいため、専門家に代理人となってもらって交渉するのが良いでしょう。
また、個人再生や自己破産などは、手続きが複雑なため、専門家の助けが不可欠とも言えます。兵庫県では、以下の場所で借金や債務整理に関する無料相談を行っているので、借金でお悩みの方はまずは相談だけでもしてみることをお勧めします。
兵庫県民総合相談センター
神戸市中央区東川崎町1-1-3 神戸クリスタルタワー6F
078-360-8511
神戸県民センター 商工労政課
兵庫県神戸市中央区下山手通5丁目10番1号
078-362-3324
兵庫県弁護士会神戸相談所
神戸市中央区東川崎町1-1-3 神戸クリスタルタワー13F
078-341-1717
兵庫県弁護士会阪神相談所
尼崎市七松町1丁目2番1 フェスタ立花北館5階501C号
06-4869-7613
兵庫県弁護士会西播磨相談所
姫路市北条1-408-6 兵庫県弁護士会姫路支部会館
079-286-8222