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福島県の世帯数ランキングとその内訳
福島県の世帯数は、全国第23位であり、人口の多さのランキングより僅かに下位の順位ではあるものの、人口と世帯数の数が比例している都道府県であると言えるでしょう。
それに対し、持ち家率ランキングは全国第33位で、持ち家率は75.8%とかなり低くなっています。 持ち家率が低い原因としては、やはり2011年の東日本大震災の影響が未だに残っているということが考えられるでしょう。
復興はだいぶ進んできており、避難先で定住したいと考え、家を取得する被災者の方も多いものの、震災前に住んでいた町に戻りたいと考えている方や、戻りたくても戻れない現状に、避難先で住み続けるという決断を下せない方も多いのが現状です。 そんな状況の中でも、持ち家率全国ワースト10を免れているのは、被災者が住宅を取得した際、不動産取得税が軽減されるなどの特例があり、持ち家を取得しやすいような制度が整っているからと考えられます。
また、福島県の年間収入ランキングは全国第26位であり、決して高い水準であるとは言えないものの、東北地方の中でも震災により特に大きな被害を受けた三県(福島県・岩手県・宮城県)の中で最も高いのです。 年間収入が多ければ、そのぶん持ち家のための資金にも余裕が出てくることも頷けます。 このような理由から、福島県の持ち家率は、震災の影響を受けながらもワースト10を逃れ、一定以上の順位を保っているものと考えられるでしょう。
福島県の1世帯あたりの負債現在高
次に、福島県の1世帯あたりの負債現在高、つまり借金がどのくらいあるのかについて見ていきましょう。
福島県の1世帯あたりの負債現在高は、全国第19位と、どちらかといえば高い方の順位であり、負債が多い方の都道府県であると言えるかもしれません。
その中でも特に多い負債が、1世帯あたりの住宅・土地以外の負債で、全国第6位であり、突出して高い順位となっています。 住宅・土地以外の負債としては、マイカーローン、カードローン、キャッシングなどが考えられますが、面積の広い福島県は、車がないと生活が不便な車社会であるため、自家用車のローンの負担が大きく、この項目の出費の多さに繋がっていると推測されます。
しかし、大部分がマイカーローンであるため仕方ない、と安心してはいけません。 近年、福島県では、パチンコやスロットにハマってしまい、消費者金融から借金をしてしまう人が増加し、問題となっているからです。
パチスロ店での支出も、住宅・土地以外の負債が多い要因の一つなのではないでしょうか。
震災前は、パチスロをやったことがなかったのに、震災後に待ち受けていた辛い現実を一時でも忘れるため、また、何もやることがなくなってしまったので時間潰しのため、パチスロを始めたという方も多いといいます。
パチスロは、このように、気を紛らわせるのに役立ちますし、最近はレートの低い台も多く、少額の掛け金で長い時間楽しめるなどの長所もありますが、やはりギャンブルなので、中毒性があり、ハマりはじめると危険です。 レートの高い台で打ってみたい、大儲けしたい、などの欲が出てきてしまい、気持ちが高揚して大金を失い、生活費さえも使い込み、最終的に消費者金融から借金をしてしまうことにもなりかねません。 そのようなことにはならないよう、パチスロに使ってもいいお金は1日に何円まで、と決めるなど、節度を持って楽しむことが重要です。
一方、1世帯あたりの住宅・土地のための負債は、全国第27位とそれほど多くはありませんが、持ち家率の低さを考えると、やや高い方の順位と言えます。 福島県では、復興に伴い、一部の市町村で住宅の需要が非常に高くなり土地が高騰しており、住宅・土地のための負債が多くなってしまっているものと考えられます。
そして、1世帯あたりの月払い・年払いの負債は全国第11位となっています。 月払い・年払いの負債として考えられるのは、自動車保険や新聞の購読料などですが、車社会である福島県では自動車保険への加入は必要不可欠な出費と考えて良いでしょう。
また、地域に根差して生活している福島県民は、地元のニュースを知りたい人が多く、新聞を購読している世帯が多いというのも、月払い・年払いの支出の多さの一因と推測できます。
福島県の1世帯あたりの貯蓄残高について
続いて福島県の1世帯あたりの貯蓄残高について見ていきましょう。福島県の現在残高は、全国第31位と低い方の順位であり、データだけ見ると、貯金や貯蓄にはあまり力を入れていない都道府県であると言えます。 毎月決まった額を積み立てていく定額制預貯金の額は全国第40位、有価証券の保有率は全国第38位と、長期的な預金にも、投資にも消極的であることが読み取れます。
しかし、東日本大震災の影響は未だに根強く残っており、貯蓄をする余裕がないという側面があることを考慮しなければならないでしょう。 そんな中でも、自由に出し入れ出来る預金である通貨性預貯金の額は全国第7位と非常に高い順位を誇っています。 福島県民は、必要な時に必要な額のお金をいつでも用意出来る環境に重点を置いているのではないでしょうか。
生命保険などの順位も全国第16位と高い方であり、将来に向けてや、何かあった時の備えもしっかりと考えている堅実さが見て取れます。 いつ何が起こるかわからないということを身をもって知っている福島ならではの考え方が現れたデータですね。
このようなことから、福島県は決して貯蓄に力を入れていないわけではなく、今は震災の余波で貯蓄に回す余裕がないだけであり、自分たちの生活を立て直していこうとひたむきな努力を続ける県民性が伺えます。