自己破産の全知識!手続きと費用、破産後の生活まで

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「クレジットカードを使いすぎてしまい、気がついたら自分の給料では返せない金額になっていた」
「経営している会社が倒産してしまい、自分が連帯保証人になっているので困っている」
「勤務先から解雇されてしまい、奨学金が返せなくなってしまった」

このように、多くの借金を抱えてしまい、現状のままでは借金の完済が不可能な場合に、法的手段によって借金問題を解決する方法を「債務整理」といいます。
そして、その中でもオーソドックスな解決の方法として「自己破産」があります。

「自己破産」とは分かりやすく言うと、今後の借金返済の目処が立たなくなってしまった方が、裁判所に申請して借金を「免除」してもらう手続きのことをいいます。
つまり、上記のように借金で首が回らなくなっても、自己破産手続きにより、税金などの一部の債務を除いたすべての借金を帳消し(いわゆる「チャラ」)にすることができるのです。

では、自己破産のやり方や、仮に自己破産をしたら、具体的にどうなるでしょう。費用はどれくらいかかるのか、デメリットはあるのか、様々なことが気になるかと思います。
この記事では、自己破産の基礎知識を詳しく解説します。

1.自己破産とは

自己破産は会社員、自営業者、主婦、学生、パート、アルバイト、契約社員、派遣社員など、どのような方でも申し立てをすることが可能です。
唯一必要な条件としては、借金を返済する支払い能力がない「支払い不能状態」である必要があります。

つまり、自己破産の流れ自体は簡単で、誰でも利用することが可能ですが、法的に認められるためには、客観的にみて「支払い不能」と言える状態でなければ、借金の免除は認められないのです。
ですから、多少生活が苦しくても切り詰めて工夫をすれば「借金の返済が可能」な場合は、自己破産は認められない可能性があります。

そのような場合は、別の債務整理方法である任意整理や個人再生、過払い金返還請求などによって生活を再建することになります。

1-1.自己破産のメリット

借金が帳消しになる

自己破産の最大のメリットはなんといっても、既存の借金が免除される、つまり一切の支払い義務がなくなるということです。
住宅ローン、カードローン、クレジットカード返済、事業の融資、マイカーローンなど、原則すべての借金が免除の対象となります。

要するに、自己破産をすれば、溜まりに溜まってしまった借金を合法的に「リセット」することができるのです。

取り立てがストップする

金融機関からの借り入れの支払いが遅れると、各金融機関からの取り立て、督促はどんどん厳しくなっていきます。書面による督促だけでなく、電話による督促などもされるようになるでしょう。

このような借金の「取り立て」は、債務者にとって神経をすり減らす、大変辛いものです。
ただ、この問題についても自己破産を申し立てることで解決することが可能です。

裁判所に対して自己破産の申し立てをすると、その時点で裁判所からその人が借金をしている金融機関などの債権者に対して「意見聴取書」が送付されます。
この時点から、各債権者が個別に債務者に対して借金の取り立てができなくなります(依頼した弁護士が「受任通知」を送った場合も同様です)。

これにより、債務者の携帯電話に債権者から直接の取立て、督促電話は入らなくなりますので、債務者は精神的平穏を取り戻すことができます。

1-2.自己破産のデメリット

一定期間「ブラックリスト」に載ってしまう

自己破産などの債務整理をした場合は、個人信用情報機関にその旨が記録されてしまいます。
この情報は概ね10年間は削除されないため、その間は新たな借入はもちろんのこと、クレジットカードの作成・ローン組みなどもできません(行った債務整理の種類により、掲載期間は異なります)。

ただ、借金をしている人は、もとをたどれば借り入れやクレジットカードの使いすぎが原因であることも多いため、同じ過ちを繰り返さないためにもブラックリストへの掲載はデメリットとは言い切れないかもしれません。

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財産が処分されてしまう

自己破産は借金をゼロにすることができますが、その際に自分自身の資産を全て当てがって、債権者に対してできる限りの返済をすることになります。
そのため、自宅や車など、一定の価値のある財産は処分され、現金化されて債権者に割り振られることになります。

なお、生活に必要な最低限の現金など(自由財産)は手元に確保することが可能です。無一文になるわけではありませんのでご安心ください。

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一定の職に就けない

自己破産をすると、弁護士、司法書士、警備員など、一定の職に就くことができなくなります。そのため、仮にそれらの職業の方が自己破産をすると、同時に失職せざるを得なくなります。

ただ、破産手続きの流れをすべて終えて、「免責許可決定」が確定すれば、復権するため資格制限は解除されます。

 

この他、自己破産をすると選挙権がなくなる、戸籍に記載される、などといったデメリットを聞くことがありますが、これらは間違いです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

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2.自己破産するには|申請方法と流れ

さて、肝心の自己破産の方法ですが、一番最初に必要となる添付書類について知る必要があります。主に以下の通りです。

  1. 破産申立書、免責申立書
    破産者の氏名、住所などの個人情報の他、家族構成や収入、現在の生活の状況までも記載します。また、借金の額と借り入れ時期も記入します。
  2. 陳述書
    借金に至った理由や自己破産をせざるを得なくなった経緯などを詳しく記載し、反省の意を示します。この内容次第で借金が免除されるかどうかが決まってきますので、できる限り弁護士に依頼して作成してもらう方が良いでしょう。
  3. 債権者一覧表
    借金をした相手である債権者を一覧表にして提出します。これには、銀行やクレジットカード会社、消費者金融などの法人だけではなく、個人からお金を借りた場合についてもすべて記載する必要があります。 ここに記載漏れがあると免責されない可能性がありますので注意が必要です。
  4. 資産目録
    自分自身が保有している全財産(現金、住宅、車など)を一覧表にして記載します。これをもとに、資産を処分換金して債権者に割り振る形となります。
  5. 家計の収支状況
    過去数ヶ月分の家計の収支である家計簿のようなものを作成し提出します。
  6. その他の添付書類
    住民票、戸籍謄本、給与明細書写し、源泉徴収票写し、課税証明書、残高証明書の写し、退職金見込額証明書、不動産の登記簿謄本、車検証のコピー、保険解約返戻金証明書、クレジットカードなどの添付が必要となります。

必要書類が多く大変に見えますが、弁護士や司法書士などの専門家に相談すれば、収集を手伝ってもらったり、代理で記入をしてもらえたりします。

ステップ1:破産申立書、免責申立書を地方裁判所に提出する

上記の必要書類のうち、破産申立書、免責申立書を裁判所に申請します。

ちなみに、これらの書類は申立をする裁判所でもらうことができます。

ステップ2:破産の審尋(しんじん)

裁判官との面接で、免責不許可事由に該当しないかなどのチェックが入ります。

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結果は、申し立てから概ね1~2ヶ月程度の期間で分かります。しかし、一部の裁判所では(弁護士に破産手続きを依頼している場合については)、裁判官と弁護士が面接を行い早い、段階で破産手続き開始決定がされる場合があります。
そうなれば、当日または数日以内には結果が出ます。

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ステップ3:破産手続き開始決定

破産手続きの開始が決定します。この段階で、売却して債権者に分配出来そうな財産がある場合は、破産管財人が選任されて「管財事件」となります。
反対に、債権者に分配出来そうな財産がないようなケースでは「同時廃止」となり管財手続きは行われません。

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同時廃止の場合は、1~2ヶ月程度の期間で免責許可の決定がされて、借金が帳消しになります。
管財事件となった場合は以下のように続いていきます。

ステップ4:債権者集会

破産管財人が本人の資産状況や債務状況を精査した上で、債権者に説明するための債権者集会を開きます。

弁護士に破産手続きを依頼している場合は、弁護士が代理人となって受け答えしてくれるので心強いでしょう。

ステップ5:債権者への配当

本人の財産を処分し、債権者に配当が支払われます。これによって残った残債についてはすべて帳消しとなります。

ステップ6:免責許可の決定

借金が免責され、自己破産手続きが完了となります。
管財事件となった場合は、ここまで概ね半年から1年程度の期間がかかることとなります。

ただ、ここで注意したいのは、すべての借金が免責されるわけではないという事です。
例えば、税金や一部の損害賠償金などは、自己破産しても免除されません。

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【免責許可決定後は官報に掲載される】
全ての手続きが終了した後、破産宣告した旨が「官報」という国が発行する機関紙に記載されます。
これは、破産宣告のデメリットやリスクともいえますが、知り合いなどがこの官報を読まれなければ、自己破産したことを知られる心配はありません。
官報を日常的に見ているという人は少ないですので、そこまで神経質になる必要もないでしょう。

3.自己破産にかかる費用

自己破産を利用する際には、主に以下のような費用がかかります。

1:収入印紙代1500円

破産申立書や免責申立書に貼る印紙代です。

2:予納郵便切手

破産手続きにあたって債権者などに発送する書類の郵送代は申立人の実費となります。そのため予納郵便切手として、3,000円~15,000円程度を裁判所に預ける必要があります。
余った分については手続き終了後返還されます。

3:予納金

予納金の金額は、破産事件の種類によって異なります。

同時廃止:10,000円~30,000円
少額管財:最低20万円
管財事件:最低50万円

4:弁護士費用

弁護士に自己破産手続きを依頼した場合は、別途弁護士報酬が必要となります。
金額は法律事務所によって異なりますが、概ね以下の通りです。

同時廃止:30万円程度
管財事件:40万円程度
法人の破産事件:70万円程度

借金でお困りの方にとって、弁護士費用は大きな負担となるでしょう。
しかし、破産宣告に至るまでの自己破産の手続きは、自分で全部やろうとすると非常に大変です。弁護士に依頼した方が効率よく手続きを進めることができますし、弁護士に相談すれば、自己破産以外の債務整理の選択肢を提示してれる場合もあります。

借金の減額分を考えれば弁護士費用がプラスになることも多いので、お早めに専門家にご相談することをおすすめします。

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4.自己破産後の生活

自己破産のデメリットでも述べましたが、自己破産すると一定の職に就くことができなくなります
また、自己破産後は家族など身のまわりの人にどんな影響があるのか、また、独身の方であれば結婚について気にされている方も多いと思います。

下記記事で自己破産後したらどうなるかを詳しく解説していますので、ぜひ参考にして下さい。

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また、自分が結婚相手にどのようなリスクを背負わせる事になるのかというのを把握しておくのも大切です。

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