債務整理をしても車は残せる?自動車ローンがある場合の対応
債務整理を行う場合、ローン支払い中の車などの手持ち財産を処分しなければならないことがあります。しかし、ローン返済を続…[続きを読む]
「自己破産をすると、家や車などの財産はなにもかも全て手放して、一文無しにならなくてはならない」自己破産にそのようなイメージを抱いている人も多いよう。
しかし、実際はそんなことはありません。自己破産をしても、生活に最低限必要の財産は残すことができます。
そんな中、多くの人が疑問に思うのが「車」「マイカー」についてです。
結論から言うと、自己破産をすると車を手放さなければならないケースがほとんどです。
しかし、住んでいる地域や生活の状況によっては、自己破産後に「新たに車を購入する必要が出てきた」という人もいます。
今回は、「自己破産後に車を購入したい場合はどうすれば良いか?」について解説します。
目次
自己破産は、「自分の持っている財産をお金に換えて債権者に分配し、それでも払いきれなかった債務の支払いを法的に免除する」という手続きです。
そのため、保有している財産は基本的にすべて換価(お金に換えること)をする必要がある、というのが大前提です。
みなさんの持っているマイカーも、自己破産において換価の対象となる財産のひとつです。
ローンが残っている場合は、所有者であるローン会社に車を引き上げられてしまいますし、ローンの支払いが終わっている場合でも、裁判所が車を取り上げて換金してしまいます。
よって、「自己破産をするなら車は手放さなければならない」というのが基本です。
しかし、いくつかの条件をクリアすれば、自動車を手元に残したまま自己破産ができます。
車を残したまま自己破産(債務整理)がしたいと考えている方は、以下の記事をご覧ください。
自己破産をした後、さまざまな事情から車を改めて購入したいと思うこともあるでしょう。
では、自己破産をした後でも車は購入できるのでしょうか。
結論から言うと、自己破産後の5~7年間は、自動車ローンを組んで購入することはできなくなります。
これは、自己破産に限った話ではありません。債務整理手続き全般を行うと、信用情報機関に登録され、いわゆるブラックリスト状態になります。
ブラックリストに掲載されると、新たにローンを組むことも、クレジットカードを作ることもできません。ブラックリストの事故情報が消えるまで待つ他ないのです。
しかし、そんな場合でも、自動車を購入する方法はいくつかあります。
まとまったお金を作り、その現金で車を一括購入するというのが一番着実な方法です。
しかし、自己破産をした後の方にとってはあまり現実的な方法ではありません。
本人がローンを組めないのであれば、配偶者や両親などの家族がローンを組んで購入するという方法もあります。
「自己破産をした」という個人情報はあくまでも個人単位で記録されていますから、破産者の配偶者など、家族までローンを組めなくなるようなことはありません。
ブラックリスト状態でも、「自社ローン」なら組める可能性があります。
自社ローンとは、中古車販売店が独自に設定するローンのことで、過去の信用情報などは関係なく借りられる場合があります。
保証人が必要、手数料や車の価格が高いなどのリスクはありますが、どうしても車を購入する必要があって困っているという場合、一度中古車販売店に問い合わせをしてみると良いでしょう。
【自己破産後にカーリース契約は結べる?】
車の購入ができないのならば、「カーリースを利用しよう!」と考える方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、カーリースの契約時にも、リース会社は契約者の信用情報をチェックします。自己破産後のあなたはブラックリストに登録されていますので、結果、残念ながらカーリースの利用は難しいと言わざるをえません。
一方、レンタカーの利用に関しては、その場で利用料金を現金で支払うことができる限り、破産者でも問題なく利用できます。
参考:任意整理してもカーリースは利用できる?
自己破産後の5~10年間は、自動車ローンを組んで購入することはできなくなります。一定の期間を待ってから審査に申し込むほうがよいでしょう。
自己破産をしてから5~10年ほど、信用情報がクリアされるまで待ちます。また、その期間に、クレジットカードをはじめ税金、各種支払いを滞納せずに、信用情報を落とさないようにするのが大事です。借入額もなるべく少なくするのがよいでしょう。
お金を貯めて現金で買う、家族がローンを組んで購入する、「自社ローン」を組むといった、3つの方法があります。また、価格が安い中古車にするとか、レンタカーを借りるという方法もあります。
車と自己破産の関係はとても複雑で、自己破産後に車を新規購入するハードルは極めて高いということがお分りいただけたかと思います。
「自己破産をしたいが車を手放したくない」という相談はよくあるものです。
自己破産後も車を残せるのならば、その後の新規購入で戸惑う必要もないでしょう。
まだ自己破産前だという方は、ぜひ一度、債務整理のプロである弁護士や師匠書士に相談をしてみましょう。
車の状態やローンの内容、裁判所の基準などによって、車を残すためにとるべき手段は大きく変わってきます。自分で調べて思い込みで行動した結果、残せるはずだった車も結局手放すことに……という結果になってしまう可能性もありますので、注意が必要です。
車検証、ローンの契約証などを準備して相談へ行くと、弁護士が適切な対処方法を提案してくれるでしょう。
また、既に自己破産後だという方で、どうしても自動車が必要だという場合は、無理して新車を買うのではなく、出来るだけ安い中古車を選ぶ、家族に協力を仰ぐなど、適切な行動をとるように心がけましょう。