鹿児島県は、九州地方の南部に位置しており、人口は約1,625,500人で(2017年10月現在)、全国で24番目に人口の多い都道府県です。
北は熊本県、東は宮崎県と接しており、南部と西部は太平洋、そして東シナ海に囲まれています。 南北に長い地形をしており、南部と北部ではだいぶ気候が異なっているのが特徴で、南部は大変暖かく、温暖な気候をしています。
その温暖な気候を活かした果物の栽培が盛んで、パッションフルーツ、ライチ、タンカンの収穫量は日本一を誇ります。 そして鹿児島県の農産物といえば、なんといってもサツマイモが有名でしょう。 鹿児島のサツマイモから作られた芋焼酎は大変美味しいと評判です。
また、鹿児島県は西郷隆盛の生誕地として知られており、西郷隆盛ゆかりの観光スポットには毎年大勢の人々が訪れています。 名湯も多く、指宿温泉、霧島温泉郷、妙見温泉などが特に有名ですね。 今回はそんな鹿児島県の借金問題の特徴や貯蓄の傾向について見ていきたいと思います。
鹿児島県の世帯数
鹿児島県の世帯数は、全国第19位と、人口の多さのランキングよりも上位であるため、人口の割には世帯数の多い都道府県であると考えて良いでしょう。
しかし、持ち家率は全国第42位と非常に低く、マイホームを持つのが大変難しい都道府県であると言えます。 その大きな原因の一つとして、鹿児島県の1世帯あたりの年間収入ランキングが全国第45位と非常に低い水準であることが考えられます。 年間収入が低ければ、マイホーム資金に回すお金に余裕がないのは当然のことでしょう。
また、鹿児島県は単独世帯の割合が他の都道府県に比べて高くなっています。 平成27年の国勢調査の結果によると、広島県の単独世帯は全体の33.4%で、全国トップテン内に入っています。 マイホームを購入を考えるのは、やはり家族を持った時なのではないでしょうか。 そのため、単身世帯(一人暮らし)の多い鹿児島県では持ち家率が低いと推察出来ます。
そして、近年は、持ち家に対する考え方が昔に比べてだいぶ変化してきており、一人暮らしであっても、家族で住んでいたとしても、賃貸で充分と考える人々か増えてきていて、持ち家志向の低下が指摘されるようになってきました。 鹿児島県では特にその傾向が顕著であることも、持ち家率の低さに繋がっていると考えられます。
鹿児島県の1世帯あたりの負債現在高
次に、鹿児島県の1世帯あたりの負債現在高、つまり借金がどのくらいあるのかについて見ていきましょう。
鹿児島県の1世帯あたりの負債現在高は、全国第24位と、それほど多いわけではありません。 1世帯あたりの住宅・土地のための負債は全国第30位と低い方であり、持ち家率の低さがこの結果に現れていると言えるでしょう。
一方、1世帯あたりの住宅・土地以外の負債ですが、全国第4位と残念ながら非常に高い順位となっています。 住宅・土地以外の負債としては、マイカーローン、カードローン、キャッシングなどが考えられますが、鹿児島県は車社会であるため、マイカーローンの支出がその大部分を占めていると推測できます。
しかし、本当にそれだけでしょうか? 鹿児島県では、パチンコやスロットにハマってしまい、消費者金融から借金をしてしまう人が年々増加し、問題となっているのです。 パチンコやパチスロでの支出も見過ごすことの出来ない住宅・土地以外の負債の一因なのではないでしょうか。
パチンコは、少額の掛け金で楽しむ分には気分転換にもなりますが、場内の音や熱気に気分が高揚し、つい大金を使ってしまいがちです。 それで大当たりを出し、所持金が何倍にもなることがありますが、ギャンブルなのでそう上手くはいかず、多くの人はハマりすぎると負けを取り返そうとムキになり、消費者金融から借金をしてまでもパチンコをやるようになるのです。 パチンコは多重債務の入口になることも多いので十分に注意しましょう。
そして、1世帯あたりの月払い・年払いの負債は全国第12位と上位の方と言えます。 月払い・年払いの負債としては、自動車保険、新聞の購読料、習い事の月謝などが該当しますが、前述のように車社会である鹿児島県では、自動車保険への加入は必要不可欠であり、その出費が多いものと考えられます。
また、鹿児島県では、地元のニュースを詳しく知ることの出来る地方紙を購読している世帯も多いということも、この項目の出費の多さに繋がっているのではないかと思われます。
鹿児島県の1世帯あたりの貯蓄残高について
続いて鹿児島県の1世帯あたりの貯蓄残高について見ていきましょう。
鹿児島県の現在残高は、全国第46位と、残念ながら全国ワースト2位という結果であり、貯蓄はあまり得意ではない都道府県なのかもしれません。
では、貯蓄内容の内訳はどのようになっているのでしょうか。
自由に出し入れ出来る預金である通貨性預貯金の額は全国第46位、毎月決まった額を積み立てていく預金である定額制預貯金の額も全国第43位と、いずれも低い順位です。有価証券の保有率に至っては全国第47位と最下位であり、投資にも消極的です。
このように、貯蓄現在高が低い要因としては、やはり1世帯あたりの年間収入が低いことが大きく関係していると思われます。 だからといって鹿児島県民は貯蓄が苦手であると決めつけるのはどうでしょうか?
たしかに現在残高は多くないですが、負債現在高も多い方ではないのです。 つまり、鹿児島県民は、貯蓄よりも、負債を作らないことに重点を置いているのではないかという見方も出来るのではないでしょうか。 いずれにせよ、1世帯あたりの年間収入を増やしていくことは、鹿児島県の重要な課題の一つだと思われます。
借金問題を解決するには
借金で首が回らなくなり、どうしても返済できそうにない時、一番やってしまう間違いが「返済のためにさらに借金をしてしまう」ことです。
しかし、それでは多重債務に陥り、更なる借金を増やすだけで何の解決にもならないのです。 借金問題を解決する方は他に必ずありますので、また借りてしまう前に、まずは借金を整理するための債務整理の主な方法について知ることから始めましょう。
まず、「任意整理」という、借金の額が比較的少ない人に適している方法があります。 任意整理は、債権者との話し合いにより、借金減額の交渉をする方法で、最も手軽に行うことが可能です。 しかし、必ずしも相手方が交渉に応じてくれるとは限らず、交渉が決裂してしまうことも多いです。
次に、マイホームを所有している人にお勧めしたいのが「個人再生」という方法です。 個人再生なら、住宅ローン以外の債務を大幅に減額することが出来るため、マイホームを手放す必要がないのです。 しかも、ギャンブルや浪費での借金でも利用することが可能な制度であるのが個人再生です。 しかし、手続きは大変複雑となっており、1人で行おうとするのは難しく、また、今後も継続した収入が見込めることなどの厳しい条件があります。
最後に紹介するのは「自己破産」です。 自己破産は、裁判所に破産申し立てをし、破産者となり免責を受けることで全ての借金が無くなる制度のことです。 その代わり、マイホームやマイカーをはじめとした一定額以上の財産を全て手放さなければなりません。 簡単に言えば、財産も借金もゼロになるということです。
財産を失うというのは一見すると大きなデメリットに感じますが、借金のない状態で新しい人生を始められるというのは何物にも変え難い大きなメリットなのではないでしょうか。 しかし、裁判所を通して行わなければならない一連の手続きは大変難しく、財産を全て失うという点からみても、自己破産は最後の手段として考えたいものです。
以上、債務整理の主な3つの方法について簡単に紹介しましたが、どの方法が自分に適しているかは、借金の額やマイホームの有無だけで単純に決められるものではないため、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、アドバイスを受けるのが望ましいでしょう。 専門家であれば、交渉事や複雑な手続きなども引き受けてくれるので、借金問題の早期解決が期待できます。
鹿児島県では、以下のような場所で借金や債務整理に関する無料相談を行っているので、借金問題でお悩みの方はまずはお早めに相談だけでもしてみることをお勧めします。
九州財務局鹿児島財務事務所
鹿児島市山下町13-21合同庁舎
099-227-5279
鹿児島県消費生活センター
鹿児島市新屋敷町16番203号県住宅供給公社ビル2階
099-224-0999
鹿児島県司法書士会
鹿児島市鴨池新町1-3司調センター
099-256-0335
鹿児島くすのきの会
鹿児島市照国町17-14エクセレント照国406号室
099-226-1725(土曜日のみ)
鹿児島県弁護士会
鹿児島市易居町2-3弁護士会館
099-226-3765
法テラス鹿児島
鹿児島市金生町4番10号 アーバンスクエア鹿児島ビル6階
050-3383-5525